北海道は素敵です!!

贋金だらけの日本に住んでいます。

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 国の根幹にかかわる法案審議が、どうして安倍首相の都合だけで決められなくてはいけないのか──。昨日、衆院法務委員会と衆院本会議で強行採決された出入国管理法改正案が、明日から外遊に出る安倍首相の日程に合わせて、本日、さっそく参院本会議で審議入りした。

 しかも、この参院での審議入りも、与党のゴリ押しで決定したものだ。立憲民主党の蓮舫議員のTwitterによると、本日10時から参院本会議が開催される予定だったが、それは開かれず、午前中に“入管法改正案の審議を本会議でしたいから質問通告をして夕方にまとめて本会議を開きたい”という〈前例のない提案〉があったという。

 今国会の最重要法案であるはずの入管法改正案だが、衆院法務委での審議時間はたったの4日間、約17時間だ。その上、うち2日は衆院法務委の定例日以外での開催で、すべての審議が自民党・葉梨康弘委員長による強行開催だった。そもそも、法案の土台となる外国人技能実習生をめぐって、山下貴司法相と法務省による“データ捏造”まで発覚したというのに、いまだ問題の聴取票はコピーも許されず、野党に手書きで写させる“時間稼ぎ”をおこなっているような状態。それを十分な審議時間も設けることなく強行採決して参院に送るとは、国民の無視と国会の軽視にほかならない。安倍政権の暴走は極まりつつあると言っていいだろう。

 さすがに、この立法府を機能不全に追い込んでいる与党のタガが外れた状態は、擁護などできるはずがない──。そう思っていたが、まったく違った。本日放送された『ひるおび!』(TBS)では、与党の暴走には踏み込むことなく、むしろ野党批判を展開したのだ。

 まず、『ひるおび!』では、昨日、野党6党派が衆院法務委での強行採決を阻止すべく午前中に山下法相の不信任決議案を提出したことや、その不信任決議案で国民民主党の山井和則議員が趣旨弁明を約1時間45分にわたって繰り広げたことを、野党の“引き伸ばし”作戦として紹介。

 ここでコメンテーターの片山善博・前鳥取県知事は「野党の気持ちもわからなくもない」と前置きした上で、こう述べた。

「これで何が変わりましたか? 大事なことがこれで、審議は尽くされましたか? 全然関係ないわけですよね。何回もこういうことをやるんですけども、そろそろ野党のみなさんも作戦なり戦術を考え直したほうがいいと思う」
「こういうことやって見せ場をつくっても国民は共感しない」

 一体、何を言っているのだろう。不信任決議案を提出していなければ、与党は予定通り衆院法務委で数の力に任せて審議を打ち切って強行採決するだけ。「審議は尽くされたのか」と言う相手は、野党ではなく与党だ。

 そもそも、不信任決議案を出すことで、野党は本会議で山下法相による答弁の矛盾や法案の問題点を国民に訴える機会をつくり出した。とくに『ひるおび!』が俎上に載せた山井議員の趣旨弁明では、技能実習生たちの劣悪な労働環境を事細かに紹介。たとえば、月240時間もの残業を強いられ時給が実質たったの200円だったケースや、作業中に指を切断する事故に巻き込まれたのに解雇、帰国を言い渡された例、縫製工場で朝7時から夜の11時まで働かされるなか、それをビデオに記録して労基署に駆け込んだものの「仕事なのか自分の服を縫っているのかわからない」と言って無視された例など、政府が無視する技能実習生が追い込まれている実態を訴えた。


自民党のヤジのやばさをスルーして、野党のフィリバスターを批判


 しかも、だ。山井議員がこうした事例を紹介していた際、自民党席からは「警察に行ったらいいよ」「えー?」というヤジが飛び、山井議員がそのヤジに「こういう状況が放置されているんです」「そんな現状も知らずに法案を通しているんですか」と反応する場面もあった。

 まさに自民党が技能実習生の労働環境整備にまったく関心がなく、人権を踏みにじる状態を黙認したまま法案を通そうとしているかがよくわかる内容だが、しかし、『ひるおび!』では山井議員のフィリバスターを批判するだけで、技能実習生の実情が語られた場面や、自民党からのヤジが飛んだという場面は一切放送せず。たんに約1時間45分の趣旨弁明があったことだけを伝えて、「国民は共感しない」などと断じたのだ。

 さらに、片山氏につづいて、おなじみの田崎史郎氏もこう述べた。

「(フィリバスターは)いかに自分たちが格好良く反対しているのかっていうのを見せようとしているだけなんですよ。法案の中身が問題ならば、自分たちで修正案なり附帯決議を要求して、それを入れさせると。それを踏まえて政府が検討せざるを得ない状況に追い込んでいく。そのほうがよっぽど有効ですよ」

 また、テレビキャスターの伊藤聡子氏も「これって本来は全然対立する話題ではない。日本が一丸となってこれを、労働力の不足を埋めるためにどういうふうにしたらいちばんうまくいくのか、建設的に出し合って、それを野党は『こういうふうにしたらどうでしょう』ってたしかに言って欲しかった。対案があるなら出してほしかった」と野党を批判した。

 田崎氏にしても伊藤氏にしても、まずは法案の中身を紹介してから言えよ、という話だ。今回の法案は、受け入れ数にはじまって業種やその分野、在留期間や報酬の水準、日本語習得の支援や相談といった支援計画の中身まで何も書かれていないという審議入り以前のシロモノ。修正案や附帯決議案を出す以前に組み立てからやり直しすべきものなのは一目瞭然だ。なのに、その根本的な問題も指摘することなく「対案を出せ」とは……。

 法案の問題点や審議の中身には突っ込まず、とにかくすべては「野党のせい」。そうした番組の姿勢を象徴していたのが、八代英輝弁護士のコメントだ。

 八代弁護士は「たしかにいまの出されている法案は私から見ると、建築基準法スレスレの1階建てに2階3階を積み重ねるようなもの」「法務省はデータの改ざん、データの不備が出てきたり、法案の立て付けもしっかりできない、受け入れ規模の説明もできない、職種の説明もできない、お粗末極まりなさすぎる」と、法案に問題があることを指摘した。だが、そのまとめは「(野党が)対案を示して国民が選択肢を得ることが必要だった」。わかってはいたが、やっぱり国会をとくにチェックもしないで、とにかく野党の足を引っ張ることしか考えていない、同じ穴のムジナだった。


「野党の引き伸ばし」「野党がだらしない」の批判は現実を見ない思考停止だ


 実際は、法案審議で野党は、外国人技能実習制度の廃止あるいは抜本的見直し、受け入れ総数の上限規制、入国在留管理庁ではなく多文化共生庁の創設など、さまざまな「対案」をいくつも提案している。本来であれば、そうした意見を取り入れて法案を練り直すべきだが、与党はそれを全部無視して、具体的な中身を法案成立後に政府がフリーハンドになる政省令で決めてしまおうとしている。

 なのに、こうした状況をメディアがきちんと伝えることなく、野党の抵抗を「引き伸ばし」と呼び、「対案を出せ」と批判する。そうして、国民も「野党はだらしない」と思考停止する。──ようするに、『ひるおび!』をはじめとするテレビ報道がやっていることは、安倍政権をアシストする世論づくりではないか。

 いま、野党を批判するとすれば、自民党の大島理森衆院議長が関連する政省令が整った段階での衆院法務委での質疑を設けるという“異例”の指示を出したことを受けて、昨日、衆院本会議での高市早苗・衆院議院運営委員長の解任決議案の提出を見送ったことだ。たったの約17時間の審議で法案を参院に送る暴走に対し、徹底した抵抗もせず、法案成立後の審議と交換に引き下がるとは情けない──そうした批判を野党は受けて当然だ。

 だが、野党が引き下がったのも、「引き伸ばしでは国民は共感しない」「対案を出せ」という声を抑えるためだったのだろう。メディアが安倍政権の問題点を無視して野党に批判の矛先を向け、国民もそれに同調し、またメディアが「国民は共感しない」と叫んで、野党が萎縮する。こんな悪循環では、安倍政権は心置きなく暴走ができるというものだ。

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「週刊文春」10月18日発売号が報じた「国税100万円口利き疑惑」を皮切りに、片山さつき地方創生担当大臣(59)の疑惑が噴出。特に政治資金をめぐる疑惑は尽きず、収支報告書の訂正は40カ所以上、総額は500万円を超えている。

 そしてまた「週刊文春」の取材によって、新たに2つの疑惑が発覚した。

 1つめは、政治資金の私的流用疑惑。情報公開請求によって入手した片山氏の資金管理団体「山桜会」の領収書によれば、2014年2月、12月の2度にわたって、浜松市内の100円ショップに22890円、10800円を支出している。だが領収書の品目には「きぐるみアザラシバスボール」など10個の入浴剤、「開運だるま貯金箱」など5個の貯金箱、「ヒアルロン酸ウェットティッシュ」や洗顔シートなど28パックといった、政治活動と無関係と思える商品名が列挙されている。

「山桜会」の政治資金収支報告書を確認すると、名目は「消耗品代」「お土産用袋代」として、まとめて記載されていた。

 2つめは、膨大な領収書の不正計上疑惑だ。

 たとえば、2014年の「自民党浜松支部」が発行した6万円の領収書の宛名は、「片山さつき後援会」。つまり、片山氏の政治団体「片山さつき後援会」から「自民党浜松支部」に6万円が支払われたことを示す領収書だ。だが、当の「片山さつき後援会」の収支報告書には記載がない。一方、「山桜会」には6万円の記載があるのだ。

 このように領収書の宛名などに「片山さつき後援会」と記載されているにも関わらず、別の政治団体である「山桜会」に計上されている領収書などは、2014年から2015年にかけて実に約130件、金額にして約550万円にも上る。

 民間の商取引では考えられない経理処理だ。

政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授はこう指摘する。

「収支報告書記載の根拠となっている領収書の宛先が別の政治団体というのは、政治資金規正法を遵守する気がないと言っていいでしょう。今回のケースは収支報告書の虚偽記載となります。仮に領収書がウソのものだった場合でも、提出すべき領収書を徴収できなかった不徴収ということになり、これも政治資金規正法違反の疑いがあります」

 片山事務所に取材を申し込んだが、代理人の弘中惇一郎弁護士が「貴誌への対応は控えさせていただきます」と回答を拒否した。

 2月16日の確定申告開始を控え、国務大臣である片山氏が、ズサンな経理処理と続けていることは、論議を呼びそうだ。

 11月29日(木)発売の「週刊文春」では、政治資金をめぐる2つの疑惑に加え、片山氏のパワハラ、暴言などについて元秘書らの証言を詳報している。

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田村智子さんから
本日(28日)午後4時からの参本会議で、外国人労働者受け入れの法案が審議入り。衆議院から送付されたのは昨日21時47分。それを今日、質問準備し、通告し、政府答弁を準備し、今日、審議入りとは。
本会議の議題とすべきではないと、本日10時半過ぎ開かれた議運委員会で意見表明。以下、その全文です。
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2018年11月28日 参議院議院運営委員会 意見表明

 私は日本共産党を代表し、出入国管理法及び難民認定法および法務省設置法の一部を改正する法律案を、本日の本会議の議題とする動議に反対の意見表明を行います。
 本法案は、昨日27日、委員長職権で開会された衆議院法務委員会で、与野党の合意のないままに採決強行、本会議への緊急上程が行われ、参議院に送付されたのは21時47分です。このように与党の強引な議会運営で送付された法案を、参議院でも、強引に本日の本会議で、趣旨説明・質疑を行うなど、常軌を逸しています。
各党の質問、政府の答弁ともに、準備のために必要な時間さえ保障しない、このような拙速な議会運営を、議運委員会が押し進めることはあってはなりません。

与党は、総理出席の本会議日程を理由としていますが、総理が出席する重要法案だからこそ、慎重な審議が求められているのです。29日からG20への出席のために海外出張を行ったとしても、12月4日には帰国するとの報告を受けています。ならば、帰国を待って本会議を行えばよいではありませんか。

本法案は、「人手不足への対策として外国人労働者を受け入れる、そのために新たな在留資格を設ける」というものですが、日本の産業、雇用、社会のあり方にも大きな影響を与える政策が、臨時国会直前に突如として示されたことも重大です。
従前から重要とされる政策立案は、各種審議会、有識者会議などで議論され、パブリックコメントなども募集するなどして法案化されてきたのではないでしょうか。だからこそ、私たち議員も、国民のみなさんも、政府がどのような政策検討を行なっているか、審議会等の会議録や政府が提出する様々な資料をもとに、法案提出前から検討をすることができるのです。
ところが、外国人労働者の新たな受け入れという政策は、まさに突如として示され、どのような産業分野で、どれだけの外国人労働者を受け入れるのか、ということさえ、衆議院での審議が始まってから示されるという事態です。その数字の根拠も、またどこでどのような検討が行われて示されたものなのかも、未だ明確な説明はありません。

また、日本にはすでに26万人の技能実習生が、事実上、外国人労働者として働いていますが、技能実習生に対する人権侵害が横行していることも、いよいよ明らかとなってきました。
最低賃金をはるかに下回る低賃金、家賃や光熱費の法外な控除、契約と違う仕事内容、暴力、パワハラ、いじめなどに耐えかねて、失踪することで我が身を守らざるを得ない技能実習生が後を絶たないのが現状です。
国会では、以前の入管法改正法案の審議などで、この問題が衆参ともに取り上げられて、付帯決議によって技能実習生の実態を把握することを政府に求めました。
この付帯決議に基づく調査、失踪技能実習生に対する聴取表の存在が明らかになりましたが、法務省はいまだ2870人分の聴取表の公開を拒んでいます。現在、閲覧しか許されておらず、野党の議員が書き写すという手段を強いられています。私たちは、資料の提出を受け、分析をし、外国人労働者への人権侵害を根絶するために、どのような施策が必要かを検討したいのです。それは本法案の審議の前提ではありませんか。
議院運営委員会がやるべきは、国会の会期や総理の日程に合わせて、無理やりに審議を進めることではありません。まず、何より、審議に必要な資料を政府に出させることです。

安倍政権のもとで、国民の中で賛否が割れる法案、多数が法案そのものに反対、あるいは拙速な可決成立に反対という法案が、次々と数の多数で押し通されている、これでは立法府が政権の下請け機関になりかねません。良識の府としての参議院の存在意義が問われています。
拙速を改め、不都合な事実をごまかさない、隠さないよう政府に意見する、国民の信託に応える真摯な議論を行うことを、強く求め、意見表明を終わります。

https://youtu.be/hRcFmaYz34w?t=9

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 「今回の件は、私自身の講演会が中止になったというだけではすまない。言論の萎縮と排除を生む、非常にまずい前例をつくってしまったんじゃないかと危惧しています」

 京都府南丹市で24日に開催される予定だった香山リカ氏の講演会が「右翼」の抗議により中止になった問題。当の香山氏は本サイトの取材に対して、こう危機感を表明した。

 香山氏といえば、著書も多くコメンテーターとしても長年メディアで活躍してきた精神科医で、近年は反差別の活動なども積極的におこなっていることで知られる。一方でネット右翼らの標的となり、その言動が度々攻撃に晒されてきたひとりだ。

 しかし、今回、中止になった香山氏の講演は、京都府や南丹市などによる実行委員会主催の「子育て応援フェスタ」という子育て支援イベントのなかの催しのひとつで、「子どもの心を豊かにはぐくむために─精神科医からのアドバイス」と題し、子どものメンタルや子育て中の母親のメンタルに関するもの。議論を呼ぶような内容ではない。

 報道に対する南丹市の説明によれば、今月14日、自分の子どもの学校で配られたパンフレットを見て講演会を知ったという市内の男性が市役所を訪れ、「香山さんのことをよく思わない人が会場に来るかもしれない。大音量を出す車が来たり、イベント会場で暴力を振るわれ、けが人が出たら大変だろう」などと話したという。また15日以降にも「日の丸の服を着て行ってもいいか」「香山さんの講演に反対する」などといった匿名の電話が5件あったという。

 その内容は抗議というより、言論を封じるために暴力をちらつかせる脅迫行為としか思えないが、しかし、市は警察に被害届を出すでもなく、香山氏の出演をキャンセル。講演自体は教育ジャーナリストの石川結貴氏が代役を務めおこなわれた。

この判断について、南丹市子育て支援課は、「圧力に屈したわけではなく、イベントに来る人の安全を考えた上での判断だ」(NHK)「本来は警備体制をしいてでもやるべきだが、会場の混乱を避けるためにやむを得ず、講師の差し替えを決めた」(京都新聞)と説明している。

 だが、市側の説明は到底、納得のできるものではない。「安全上の理由」と言っているが、各報道などで現在明らかになっている抗議は、1人が市役所を訪れたのと、5件の電話。直接市役所を訪れた1人は特定できているのだから、もし安全上の問題があるのならば、警察に相談のうえ、なんらかの対策を講じることはできただろう。

 いったいなぜ、南丹市はこんな対応をしてしまったのか。香山氏にあらためて中止に至った経緯を訊いたところ、なんと香山氏が市側から直接説明を受けたのは27日、昨日がはじめてだったという。

「私には、19日月曜日に、市からではなくこの講演を仲介してくれた代理店から連絡が来ました。『24日の講演は中止になりました』という連絡だったんです。もちろん『理由は何ですか?』と確認したら、代理店側も『こちらも確認中です』と。それが第一報だったわけですね。
 私は、その日病院で勤務だったので、秘書からのメールでしかやり取りできなかったのですけれども、その日のうちに再度、代理店から『右翼らしき団体が街宣車をよこす、というようなことを言ってきた』という連絡が入ったんです。それに対してはこちらは、中止が決定事項なら致し方ないが、それだけではよくわからないので、もっと具体的にいつどんな抗議があったか教えてください、ということを依頼していたんですね。あと警察に連絡してどういう助言があったのか、また決定に至った意思決定のプロセスは、ということも尋ねていました。でもなかなか連絡がなくて、11月27日になってようやく回答がありました。ただ、内容はほとんど報道されていたままで、新しい事実はほとんどありませんでしたが」


抗議してきた右翼に発表より先に中止を知らせていた南丹市


 講演会中止から1週間以上、当事者から問い合わせがあるまで何の説明もしてこなかったというのは驚きだが、これはおそらく、南丹市自体が中止という決定に正当な理由がないことを認識していたからだろう。

 実際、いま、ネット上では、夫婦で香山氏の講演会に抗議をおこなったという女性のFacebookが確認されているが、その内容から、南丹市の信じられない対応が浮かび上がってきた。

 この女性は14日に、今回の香山氏の講演のチラシ画像を掲載し、〈今日中学生の娘が学校から持ち帰った連絡プリントです。こんな輩に子育て応援されたくない! 今主人が早速役場に抗議に出かけてます〉と投稿している。女性のFBには、中韓ヘイトや「反日」叩きの書き込みが数多く掲載されており、ネット上では彼女の夫が右翼団体の代表を務めていることも指摘されている。この女性と夫の抗議が香山氏の講演中止のきっかけをつくったと考えて間違いないだろう。

 だが、驚いたのはこの女性が3日後の17日、同じくFacebookに投稿した書き込みだった。

〈先日投稿した子供が持ち帰ったお知らせプリント『子育て応援講演会』講師(極左有名精神科女医)南丹市に抗議したところ、インターネット検索でどんな女医かを関係者が初めて知り、緊急会議ののち今回の講演は見送り、別の講師を、とのことで難を逃れました。よー調べてから呼ばんかい!〉

 ちなみに、南丹市が今回の講演会中止を発表し、メディアが報じたのは22日、香山氏が代理店から連絡を受けたのは19日。このFacebookの書き込みをみるかぎり、南丹市は市民や香山氏よりも前に、抗議してきた「右翼」関係者に香山氏の講演キャンセルと代役差し替えを報告していたことになる。

 これこそ、中止が「安全対策」などでなく、特定の人間の脅しに屈したことの証明ではないか。


安全に配慮して中止したというなら、市は被害届を出すべき


 香山氏も市の姿勢について、こう厳しく批判する。

「南丹市の対応には疑問を感じざるをえませんね。そもそも、今回の講演会は子育て支援や虐待防止がテーマで、憲法改正など意見が対立するような話でもない。それをごく一部の人の抗議に結果的には屈して中止にしたわけです。しかも、中身は抗議というより、脅しです。たとえば私のこのテーマに関してのこういう主張が良くないという具体的な指摘ではなく、ただただ『香山リカ』が来るのはけしからん、と街宣車や暴力をちらつかせて、恫喝してきたわけでしょう。そういう暴力的な脅しに屈して、講演会を中止するというのは、言論の自由の自殺行為だと思います」

 香山氏は、市の「安全への配慮」という弁明にも疑問を呈し、ならば、被害届を出すべきだという。

「報道を見ると、南丹市の市長さんは『屈したわけではなく、安全に配慮しただけ』とおっしゃっています。でもそうなら、よけいにきちんと被害届を出してもらいたかったと思います。脅されて、事業を変更せざるをえなくなったわけですから、威力業務妨害、あるいは脅迫、刑法上の問題に該当する可能性もあるのではないでしょうか。でも、いくつかの新聞をみると、市側は『被害届は考えてない』と言っているようです。これ以上、事を荒立てたくないのかもしれませんが、安全上の被害を受けたというなら、そこは毅然として、相手がいくら市民であっても、被害届を出してほしいし、できれば警察にも動いてほしい。
 私がそう考えるのは、これで被害届も出さなかったら、結局何のお咎めもなしということになり、抗議した側が暴力による脅しがうまくいったという成功体験になるからです。もしかしたら、自分たちの主張が理解されて市が動いた、と曲解して利用されるかもしれません」

 実際、夫が市役所に出向いて抗議をおこなったとみられる前述の女性は、FBで講演会中止のニュースに〈「民族運動の成果」と主人は申しております〉と勝利宣言とも取れる書き込みを繰り返している。


今回の中止がさらなる言論の萎縮効果を生む懸念


 さらに、香山氏が危惧するのは、今後への影響だ。

「最大の問題は、今回の件は南丹市の問題だけですまないということです。南丹市は非常にまずい前例をつくってしまった。ひとつは、繰り返しになりますが、気に食わない言論を脅しでつぶそうとする人たちの成功事例となってしまったこと。そうやってやれば自治体っていうのはとにかく中止にするんだということを“学習”して、またどこかで同じことが起きるはずです。対象は私だけに限らず、ほかの言論人の講演などに対しても同様のことをする人が出るかもしれない」

 また、香山氏は今回の件が行政にさらなる萎縮効果を生むのではないか、と懸念する。

「前科ではないのですが、こうやって『トラブルが起きた』ということが報じられると、結果だけを読んだ人が、狙われる可能性のある人、端的に言えばリベラルな発言をする人を講演などに呼ぶと厄介なことになるという、事なかれ主義のような空気が、行政や公的イベントにどんどん広がっていくんじゃないかと思うんです。結果的に、政治的に無色透明な無難な人とか、あるいは、逆に保守的な人だったら、左派が街宣車で来ることはないので(笑)、そういう人を選んでおいたほうがよいということになって、そう意図したわけではないのに結果的にどんどん言論が偏っていくということになりかねない」

 実際、香山氏の指摘するような事態はすでに起こり始めている。近年、リベラルな言論を行政が公的な場から排除する動きが相次いでいるのだ。

 香山氏自身、右派の抗議により講演会中止に追い込まれたのは、今回が初めてではない。昨年、江東区の社会福祉協議会などが主催した子ども食堂に関する講演が、レイシスト団体・在特会(在日特権を許さない市民の会)の元会長桜井誠氏などの抗議呼びかけにより中止に追い込まれている。

 香山氏だけではない。9条護憲に関する集会が公共施設の使用を拒否されたり使用許可が取り消されたりするケースが相次いでいる。また、前川喜平・元文科事務次官の講演会も右派からの激しい妨害や攻撃にあっている。講演会だけではなく、地方自治体や学校法人の運営する公共施設の役職に、リベラルと目される人物が就くことが妨害されたりキャンセルされたりという事態も起きている。

 こういう事態が続いた結果、行政は、はなからリベラルな人に依頼するのを控えようという空気も生む。さらに行政だけにとどまらず、テレビでも、ネトウヨの電凸などを嫌がり、情報番組やニュース番組から、リベラルなコメンテーターをどんどん排除する傾向にある。


ネトウヨからの「ダブスタ」攻撃に香山リカが反論


 今回の講演中止を受けて、こうした問題点についても毅然と批判している香山氏だが、ネット上では、逆に激しい攻撃に晒されている。ネトウヨたちは香山氏がこれまで、百田尚樹氏の講演会や差別・ヘイト表現に批判と抗議の声をあげてきたことをもち出し、「ダブスタだ」「自業自得だ」などと攻撃を始めたのだ。こうした攻撃について、香山氏はどうとらえているのか。

「私は、私に抗議をすること自体にどうこう言っているわけではありません。『行政主催の講演でこういう人を呼んでいいのか』みたいな意見というのはあって然るべき、表現の自由・思想の自由があるから、それは問題ないと思うんですよね。もちろんやられるほうはいい気持ちはしないですけど(笑)、当然の権利だと思うんです。
 主催者に対しても、抗議を受けて、本当に『この人の姿勢や発言はまずい』って、言論によって方針が変わったっていうんだったら、それは仕方ないと思っています。もちろん私は納得はできませんが、そこから議論の余地もある。百田尚樹さんの一橋大学の学園祭での講演中止の場合も、脅しによる屈服ではなく、『差別発言はさせないというルールをつくって』という申し出を受けて、あくまで主催者が自主的に決定したわけです。
 でも、今回は、繰り返しになりますが、内容に対する具体的な批判や要望があったわけではなくて、『大音量の車が行く』『騒ぎが起きる』といった明らかな脅しがあり、それが理由でやむなく中止となったわけでしょう。リベラルな人たちが歴史修正主義者や差別主義者の講演に異議を申し立てた、というのとは全然ちがうと思います。でも、それがなぜか一緒にされて、私も『自業自得』だとか『因果応報』だとか言われたりする。その理解の浅さも、深刻なことだと思いますね。全然対称的じゃない言論と脅しが、一緒くたになって語られる。誰もそのことを指摘しない」

 しかも、この非対称性の無理解は、ネトウヨだけではなく、行政やメディアのレベルでも起きている。「政治的」ということを言い訳にリベラルな言論が排除される一方で、歴史修正主義の集会や改憲の集会、場合によってはヘイトまがいの集会に、公共の施設を使用させたり、行政が後援していたりするのだ。

「今回は子育て講演会だったわけですけれども。右派側の集会だとか言論活動というのはわりとスルーされているのに、たとえば護憲や日本の戦争犯罪を告発するイベントなどは、もっとあからさまに排除されています。自治体とか、9条っていうのだけで掲載を拒否したりとか。いわゆるいまの安倍政権に対して批判的な、少しでもそういう匂いのするような表現だとかそういう人物に対してだけ、『政治的だ』とか、自治体には合わないんだというような、委縮効果っていうのが、やっぱりあると思いますね。結局、自治体の基準が、安倍政権の方針に合っているか合っていないかになっている。別にお達しが来てるわけでなく、それこそ忖度なんでしょうけど。
 今回のケースでも、たとえば私じゃなくて櫻井よしこさんで子育て講演会をやると言って、それでリベラルな人たちから櫻井さんを出すなと抗議が来たとして、自治体が中止したか、中止になってなかったんじゃないかという気がしちゃうんですよね。まあ、仮定の話なので、断言はできないですし、右派に対しても不当な攻撃はいけないと思いますが」


香山リカが最近のネットに感じた「希望」


 事後の反応も含めて、まさに暗澹とさせられる言論状況が広がっていることを再認識させられるが、しかし、香山氏はまったくひるむ様子を見せず、淡々とした口調でこう語る。

「だからこそ、この件については、きちんと声を上げ続けなきゃいけないと思っているんです。周りには、そういう活動をするから、こんな目に遭うんだよってアドバイスしてくれる人もいるんですけど(笑)、やっぱりそこは譲れない」

 しかも、香山氏は最近の状況にけっして絶望しているわけではなく、むしろ「希望」を感じ始めているという。

「今年春から、ネットの空気が少し変わってきた気がしてるんです。弁護士への大量懲戒請求や動画BAN祭りをきっかけとして、ヘイトスピーチのひどさに新たに気づく人、その解消のさまざまな取り組みに新しく参加してくれている人が増えたと思います。しかも、彼らは従来の『右』『左』といった政治的スタンスとは切り離されて、『こんなひどい差別的な動画やSNSなどでの発言は世界に対して恥ずかしい』というスタンスで、楽しみながらやっているところがこれまでの反差別活動とはかなり違う。その動きには私もたいへん励まされました。そしてその頃から、SNSで私に対して言葉に出して応援してくれたり、今回の中止の件も『ひどい』と言ってくれたりする人もたくさんいた。以前は“見て見ぬフリ”の人がほとんどで、孤立無援な感じでしたからね。こうした動きを心の糧にして、これからも出来る範囲で、臆せずきちんと声をあげていきたいと思っています」

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 ついに、NHKが2020年10月から受信料を値下げする。27日に発表された。現在の月額1260円(口座振替・クレジットカード払い)の地上契約だと月35円の減額だが、値下げ幅はたったの2.8%程度にしかならない。

 値下げに踏み切る背景には、2019年度開始予定のテレビとネットの常時同時配信がある。これはNHKの悲願であり、放送法を所管する総務省が容認する“バーター”というのは放送界の周知の事実だ。

 それにしても、なぜ値下げ幅がたったの2.8%なのか。ネット上では「半額はいけるでしょ?」「25%の間違いじゃないの」などと言った声が多数だ。

 それもそのはず、NHKの昨年度の受信料収入は6914億円で4年連続で過去最高を更新。しかも、昨年12月の最高裁判決が追い風となり、受信料収入はさらに増えるのは確実。また、2018年度末には内部留保が767億円になる見込みで、視聴者の「もっと安く」の声は当然といえる。

 NHKは2.8%の値下げに先立ち、来年10月から消費税の増税分の2%を負担し、契約者の負担額は据え置き“値下げ”を先行で実施するという。月額59円の値下げになるが、「ちっともインパクトがありません」と言うのは、放送ジャーナリストの小田桐誠氏だ。

「これでは視聴者は納得しないでしょう。『年間で2000〜3000円下がらないと視聴者は下がった気がしないだろう』というNHK職員の声が実際にあります。今年から始まった、奨学金を受ける学生の免除などを含めても契約者への還元は受信料収入の約6%で年間420億円程度。それに比べ内部留保は767億円あります。内部留保などを全て視聴者に還元すれば、受信料の10%値下げは見込めると思います。また、不動産の売却や関連会社からの還元率を高めれば、計算上はそれ以上も可能です」

 前回の受信料の値下げは2012年の7%だった。今回は受信料収入が過去最高にもかかわらず約4.7%。受信料収入は7年後に1兆円にも達するといわれているのに、なぜ、NHKはそんなにお金を貯め込む必要があるのか。

 「豪雨や地震など緊急報道のために資金を積み立てておきたいのは分かりますが、これから始める常時同時配信にお金をかけたいのでしょう。日本民間放送連盟はNHKに対して『ネット事業費の上限を受信料収入の2・5%まで』とクギを刺していますが、無視するかもしれません。背景には若者の視聴者を獲得して、将来の“ネット受信料”徴取につなげたいのでしょう。杞憂かもしれませんが、民放との差がますます広がると、1強支配になり、偏向報道などのリスクも懸念されます」(小田桐誠氏)

 値下げ幅の根拠、内部留保の使い道について発表前にNHKに聞くと「正式発表はしていないので、お答えできません」(担当者)という回答だった。

 わずかな受信料値下げはNHKの悲願達成の目くらましのようなものだ。

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