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「5万年前 このとき人類の壮大な旅が始まった」ニコラス・ウェイド著、沼尻由起子訳、イーストプレス07年刊、原著06年。

人類の旅は5万年前、東アフリカのサバンナにいた5000人の集団のうち、150人がアフリカを出たことに始まる。

現生人類の祖先集団の普遍的特徴を世界最古の集団の一つであるブッシュマンのサン族から推定。彼らはミトコンドリアDNAの最古・最長の枝LI系統に属すが、蒙古班などのアジア人的身体特徴を持ち、彼らはサン族以外のアフリカ人よりもL3系統のアジア人を同人種と認識している。彼らの言語である舌打ち言語はコイサン大語族に分類され、人類の祖語に舌打ち言語があった可能性がある。

ケチと自慢を嫌い、狩猟した肉は集団内で平等に分配するなど平等社会である。祖先集団は平等主義の小規模社会に住み、財産・首長・社会的地位はない。集団の人数が150人を超えれば、リーダーや仲裁役もいないためいさかいが頻繁におこり、小集団に分裂し、その集団同士の闘争も絶えなかった。

人類の皮膚の色。祖先の皮膚は当初青白かった。アフリカでは日光が葉酸を破壊し生殖能力を低下させるのを防ぐため、黒い皮膚になった。2万年前からヨーロッパ人とアジア人は濃淡の皮膚に変化した。日光によく当たればビタミンDの生成効率が向上する。

脳の大きさを決める対立遺伝子「マイクロセファリン」は3万7千年前出現、ヨーロッパ・東アジアの集団は70%、アフリカの集団は0から25%。「ASPM」は6千年前出現。中東とヨーロッパの集団の50%、東アジアは少ない

170万年前から体毛を失ったのは体と脳を冷やすための汗をかくため。頭髪が伸びるようになったのは20万年前から。ヘアスタイルは個体の健康状態や社会的地位を伝える社会的信号。

進化の要因は3つ。突然変異、自然選択、遺伝的浮動。遺伝的浮動とは世代ごとに集団の遺伝子をでたらめに選択し、集団に占める対立遺伝子の割合が変化すること。集団内の対立遺伝子比では50%対50%が100%対0%になりうる。

ヒトの言語能力に関するFOXP2遺伝子の変異は20万年前に出現した。シラミのDNAから人類の衣服出現期を推測。ヒトが体毛を失うと頭髪に寄生したアタマジラミは服の中に寄生するヒトジラミを分化した。そのDNAの変異年代は7万2千年前。

人間性にはチンパンジーとヒトの共通祖先の攻撃性が受け継がれ、アフリカを出た狩猟採集民の小集団では残忍な闘争が絶えなかった。原始社会には闘争が頻繁に行なわれ平和な社会はまれ。同じ類人猿のボノボは食糧が豊富で雌が優位な社会生活を送り、人間的懐柔性を持つので、ヒトはこの性格も併せ持つ。5000年前、アルプスで死んだアイスマンは矢傷で死んだ。

食人風習が人類に広く行きわたっていた証拠は、狂牛病類似病にならないブリオンタンパク質遺伝子の変異特性がほぼすべての人類に存在すること。日本人だけが、遺伝子の別の部位に独自の保護特性がある。

宗教は言語の誕生と同時に生まれた。互恵的利他性の弱点であるお返しをしない「たかり者」を排除する機能。話した内容に真実性と神聖性を求めた。その神聖性に頼り権力者は平民を支配することができるようになった。

セックスの私有化は人類の攻撃性を低め、社会の攻撃性のレベルが低下した。

犬は西ユーラシア起源とされていたが、遺伝子分析で1万5千年前に東アジアでオオカミから家畜化されたと判明。

初期の現生人類の頭骨は一様だった。短頭で華奢型のモンゴロイドの頭骨が現われたのは1万年前。

言語学者ジョゼフ・グリーンバーグは世界の言語を14の大語族に分類。日本語はインド・ヨーロッパ語族と同じユーラシア大語族の一部。否定文のnaiはnot,nichit、疑問文のkaは英語のkw(kが脱落してw)、quoi,comeに類似。

ユーラシア大語族からアメリカ先住民のアメリンド語族が分離したのは1万5千年前。

定説と違い、人類は農耕を開始する前に定住していた。1万年前に氷期が終わり、現在の完新世になり、定住が始まった。トルコ南東部から地中海東岸あたりで、麦類が栽培化された。Y染色体の分析によると、新石器時代トルコ中南部から農民がヨーロッパに入り地元の集団と混血していった。

近東からヨーロッパに移住して農耕を伝えた人々は実は少人数で、ヨーロッパの先住民は彼らの農耕技術と言語を取り入れた。

ユダヤ人の知能を高めたのは、職業制限と特有の遺伝病だった。「アシュケナジ」に多いスフィンゴ脂質変異は、脳神経のニューロンを成長させ、脳内情報伝達をスムーズにした。

Y染色体の分析により、チンギス・ハーンの子孫の男性人口は1600万人と分かる。アメリカ第三代大統領ジェファーソンが黒人奴隷と密通した事実も判明。

従来の説では、人類の進化は5万年前に終わっているが、DNA分析では人間はいまも進化している。マラリア・天然痘などの病気耐性、生殖能力の向上、遺伝子の文化への反応性、知的面での変化。嗅覚遺伝子、肝臓での解毒遺伝子の退化もある。

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またまた遊びにきました^^
更新楽しみにしてまーーす♪
またコメさしてもらいますね。 削除

2008/3/7(金) 午前 11:06 [ 銀狼 ] 返信する

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