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フランマが鎧が取れ、がら空きとなった俺の左足めがけて攻撃してくる。
俺も必死に応戦するが・・・如何せん、あの頑丈な大盾相手では分が悪い。
・・・!?
ふいに左足を凄まじい衝撃が襲った。
やられた・・・!攻撃している間の僅かな間に、こちらもやられていたのだ。
それに気付いてしまった瞬間、俺は激痛に襲われた。
「とどめだ・・・!」
フランマがその一言を発し、大盾を力一杯振り回してくる。
この技は・・・ボルケーノ!
だが、フランマも連続して大技を使った事で疲労が出てきたのだろう。
動きが・・・少し、鈍くなっていた。
俺はこの瞬間を見逃さなかった。襲い来る大盾を冷静に頭を下げて回避した。
その直後、フランマがハンマーで攻撃してきた。しかし、幸いにもその攻撃は剣に当たり、俺は無傷であった。
そしてフランマは攻撃して隙だらけとなった。
出すなら今しかない・・・!そう直感した。
俺が二刀流で最も得意とする技・・・スイープスラッシュを連発!
そう。フランマは先程、足の鎧が取れてしまったのだ。
俺が今出したこの技は、足下を二回連続で攻撃する技である。
それを素足に連発したらどうなったか・・・?想像に容易いだろう。
「ぐっ!ぐはぁっ!」
フランマが血反吐を吐いて倒れた。足下は紅に染まっている。
その間に、俺は自分の足下を見た・・・フランマと同じだ。赤く染まっている。
こちらも、立っているのがやっとの状態である。次で決められなければ・・・負ける。
なおもフランマはやられたばかりのフラフラの足で立ち上がってくる。
俺がそれを見逃してやるわけがなかった。
鋭く尖った二本の剣を、フランマの胴体にお見舞いしてやった。
フランマが一声も発さずに倒れる。
「無念・・・、油断していた・・・」最後に弱々しい声でこれだけ発した。
巨躯が完全に地面にひれ伏し、動かなくなった。
締められていた狭いデュエル会場のドアが開く。そう、俺が勝ったのだ。
試合を見ていた観客からは、おひねりが飛んできたり、ブーイング、罵声が飛んでくる。
準備室に再び戻り、そこにいる医師に怪我を見せた。
その医師曰く「もう一つ攻撃を喰らっていたら、動けなくなっていただろう」とのこと。
手当をしてもらい、次の興行には出ない方が良いという勧めに従い、俺は準備室をあとにした。
入口に戻る迄の通路では、なんだか観客の見る目が変わっているような気がした。
恐らく大半が俺が死ぬと予想していたので、俺が生きて帰ってきたことに驚愕しているのであろう。
コロセウムの会場入口では、行きで乗った馬車の前で満面の笑みでマゲリウスが待っていた。
「良く勝ったな!俺はお前があそこで死ぬものだと思っていたよ。」
・・・まだ俺の実力が認められていない。残念な事だ。
まだ実力が認められていない事に悔しさを感じながらも、俺は馬車に乗り、コロセウムを去った。
マゲリウスによると、次の相手はホリエスという、俺と同じ二刀使いらしい。
ここで勝って、俺の実力を知らしめ、自由人として少しでも早く解放されるようにしてやる。
俺は心に固く誓った。
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