夕闇千鳥のお勉強日記

生物学、心理学などを中心に・・・

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胎性期に軟骨 cartilageから boneができていくプロセスの続きです。
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軟骨が十分に成長し、やがて石灰化し、軟骨細胞が死んでいくと、残されたのは「石灰化した軟骨」でした。

ここに血管が入ってきます。 そしてそれと一緒に、中胚葉由来の結合組織の細胞から分化してきた骨芽細胞 osteoblast=骨をつくる細胞と、血液の単球/マクロファージ系由来の破骨細胞 osteoclast=骨を壊しカルシウムとリン酸を遊離させる細胞とが動員されてきます。

破骨細胞 osteoclastは単球/マクロファージ系の細胞ですから、いつものごとくに、その組織でいらなくなった部分を消化し、吸収し、なくしていく働きをします。 こうして「石灰化した軟骨」や、骨のいらなくなった部分をどんどん壊して再構築していく手助けをしているのです。

一方、骨芽細胞 osteoblastは結合組織の細胞の一種ですから、やはりいつものように細胞外基質ECMを分泌していくのですが、この骨芽細胞の場合はコラーゲン線維を中心とした骨の「鉄筋」になる線維系タンパク質と、間質液中のカルシウムとリン酸を「骨」をつくるカルシウムとリン酸の結晶=ヒドロキシアパタイトhydroxyapatite( = Ca10(PO4)6(OH)2 )に変える酵素・アルカリフォスファターゼ alkaline phosphataseを分泌します。

こうして、骨はその3〜4割がコラーゲン線維を中心とした線維系タンパク質(鉄筋コンクリートの建造物でいうと鉄筋部分)であり、残りの6〜7割がカルシウムとリン酸の結晶・ヒドロキシアパタイト(鉄筋コンクリートの建造物でいうとコンクリート部分)でできていることになるわけです。

軟骨が骨化していく時には、「石灰化した軟骨」の部分を、破骨細胞がせっせと分解・吸収していき、そこに骨芽細胞が「骨」を新たにしきつめていくわけです。

骨芽細胞は、骨の回りを包む骨膜 periosteumという結合組織の膜の直下にもたくさんいます。 ここにいる骨芽細胞は、骨の回りにどんどん骨をしきつめていくことで、骨を太く分厚くしていきます。

一方で、軟骨が残っている「成長板 growth plate」にある軟骨の分裂・増殖と骨化によって、骨の長さが伸びるように成長していくわけです。
(成長板は、子どもの成長期が終わる頃までは「軟骨」として存在しますが、思春期くらいになると完全に骨化してしまい、なくなってしまいます。 つまり、この時点で骨の長さ方向への成長はストップするわけであり、身長の伸びは止まるわけです。)

骨芽細胞たちがどんどん骨(骨基質)をつくっていくと、彼らはそのうち自分でつくった骨基質に埋もれていくことになります。 こうして埋もれて取り残された骨芽細胞は骨細胞 osteocyteと呼ばれて骨の中に住むようになります。
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こうして、図のように、骨芽細胞たちが一列に並んで一所懸命に骨をつくっていくと、骨基質はバウムクーヘンのように同心円状になっていきます。 最後に残った中心の穴は「ハバース管 Haversian canal」と呼ばれて、ここに毛細血管が残され、いつまでも骨細胞たちに栄養を届けることになるわけです。

一方で、骨の中空部分では、いつもどこかで骨芽細胞が骨基質をつくっては、どこかで破骨細胞が骨基質を破壊・吸収しています。
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海綿骨のスポンジ状の細かい梁状構造の表面には、いくつもの活発に働いている骨芽細胞破骨細胞がいます。 彼らは骨にかかる力の物理的な必要性に応じて、この梁状構造を補強したり、要らない部分を減らしたりしているわけです。 補強するときにはカルシウムとリン酸を取り込みますし、減らすときにはカルシウムとリン酸を放出するのです。

こうした働きによって、骨と体液(血液)との間で活発にカルシウムとリン酸のやりとりをしている・・・ということになるのです。


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千鳥先生『まあ、今回の「骨は生きている」のポイントは、こうした骨芽細胞と破骨細胞の働きで、骨はいつもモデリング、リモデリングを繰り返していて、つねに密かに形を変えている、ということなんだな。 こうして1日あたり500mgものカルシウムが骨→体液(血液)へ、そして体液(血液)→骨へと動いている・・・ってことなんだ。』
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光圀『骨は、成長しているように見えないときでも、骨折して修復している最中でなくても、一見すると動いていないようでありながら、つねに変わっているということなんですね。 だから、怪我をして骨折しても、骨芽細胞と破骨細胞は「いつものように」骨をつくったり、要らない部分をなくしたりして、骨折した部分をくっつけていくんですね。』

千鳥先生『その通りだ。 それに骨は使われると、その物理的な力を刺激にして、力がかかる部分が強化されるようにもできている。 だから、例えば宇宙空間での無重力の生活がながく続くと、あっという間に骨が弱ってしまうんだ。 また老人になるとタンパク同化ホルモン(性ホルモン)が減る関係で、鉄筋コンクリートの「鉄筋」部分がつくられにくくなるので、どうしても骨が弱くなりやすくなる(=骨粗鬆症)。 
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そこにもってきて、寝ている生活が続くと、あっという間に筋力が衰えるばかりか、骨もすかすかに弱くなってしまうんだ。 その意味でも「骨は生きている」ってことだな。』
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灰泥『女性は閉経後に一気に骨粗鬆症のリスクが高まるから要注意よね。 そうならないように、特に閉経後はカルシウムの摂取(1日1200mgくらい)、ビタミンDの摂取、そして骨に物理的な刺激を与えるためにも適度な運動をしていかないとね。 私はまだもう少し先だからいいけどね。』

千鳥先生『おめーは小学生だろ!!』





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