夕闇千鳥のお勉強日記

生物学、心理学などを中心に・・・

全体表示

[ リスト ]

原核細胞と真核細胞

  私たち真核細胞生物の身体をつくる細胞は、細胞膜(原形質膜)plasma membraneの内側に複雑な構造があります。 核 nucleus核膜で覆われ周囲と隔てられていますし、小胞体 endoplasmic reticulumやゴルジ体(ゴルジ装置)Golgi apparatus、ミトコンドリアといった膜構造がたくさんあり、これらの中身は周囲と隔てられています。 こうして複雑に区画化され、それぞれ特化した役割を果たしているわけです。
イメージ 1

  それに比べてバクテリアなどの原核細胞生物 prokaryoteでは、細胞膜の内側は、こうした複雑な膜構造によって区画化されていません。 
  核(DNA)は核膜を持たず、このため周囲と明確に区別されない雑然とした感じで細胞質に浮かんでおり、核様体 nucleoidと呼ばれます。
  アクチン・フィラメントや微小管、中間径フィラメントなどからなる「細胞骨格 cytoskeleton」もしっかりしたものはなく、このため内側は柔らかく弱くなっています。 このため、細胞膜の外側を比較的固い細胞壁 cell wall(バクテリアの場合はペプチドグリカンが成分)で覆われて守られているわけです。

  細胞膜の内側には、一切の膜構造による細胞内小器官がない、というのが原核細胞の特徴になっています。

  ちなみに、ふつうの植物の細胞も真核細胞であり、動物の細胞とかなりの部分が共通しています。 植物の細胞でも細胞膜内の複雑な膜構造(小胞体やゴルジ体)があり、ミトコンドリアがあり、細胞骨格もあります。 ただ、動物にはない構造として、葉緑体 chloroplastがあり光合成をしていることと、動物と違って物質の取り込みと排泄がスピーディにできないためか、水分の調整と老廃物等の貯蔵のための液胞 central vacuoleがあることが大きな違いになっています。 また動物細胞では目立っている中心体もありません。 さらに、植物は細胞内の浸透圧よりもずいぶん低い浸透圧の環境に生きなくてはいけないために、浸透圧差のために細胞が破裂してしまうことがないように、細胞膜の周りには固い細胞壁 cell wallがあります。 (植物の細胞壁はバクテリアと違い、セルロースによって出来ています。)
イメージ 2

千鳥先生『原核細胞生物であるバクテリアの細胞と、真核細胞との一番の違いは、膜の中にまた膜があるか、つまり細胞膜の内側にさらに膜構造があるかないか、というところだが、それ以外にも違いはあるんだ。 例えば、遺伝子をつくるDNAは、人間など真核細胞のものは1対の染色体からできているのだけど、バクテリアでは1対ではなく1つの環状(円形)につながった、比較的短いDNAがあるだけなんだ。 それに環状につながっているDNAを複製するための酵素も微妙に違っていて、この違いを使ったバクテリアを殺す薬(抗生物質)もあるんだ。』
イメージ 3
灰泥『キノロン系抗生物質ね。』
千鳥先生『またお前かよ・・・』
灰泥『それに、バクテリア特有の細胞壁をつくらせないようにする抗生物質もあるわよね・・・ってシンイチ兄ちゃんが言っていた。』
千鳥先生『誰だよ、シンイチ兄ちゃんって・・・。 まあ、ペニシリン系抗生物質がそうだな。 ただ、バクテリアの一種だけども細胞壁を持たないのもいて、肺炎を起こすことで知られているマイコプラズマとかだな。 だからマイコプラズマ肺炎はペニシリン系が効かないんだ。 タンパク合成を阻害するマクロライド系の抗生物質を使うことになるわけだ。』
イメージ 4

源太郎『もう絶対小学校の授業じゃないよな・・・言っても無駄だけど。』

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事