立派な大人の「夢や妄想」

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来訪者 2009

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10月の中旬に2〜3日、凄まじく寒い日があったかと思えば
急にポカポカ陽気になったり。

だが今年は平均して温かい。
平年に比べ明らかに気温が高いように思える。

そして、今年も11月に入り、
暦の上ではすでに立冬を過ぎていた。


いつもならオイラは忘れているのだ。
忘れているところへ、虚を衝くように「あの人」はやってくる。

今年は何故かオイラはあの人の到来を待っていた。

あの人は・・・
あの人はまだ来ないのだろうか。

そんな事を漫然と考えていた。

そして冷たい雨が降った先日、オイラはなんとなく
傘をさしてマンションの外に出た。

雨の飛沫が白く煙る道路のはるか前方に
ユラリとした影が見えた。

馬だ・・・

冷たく激しい雨を浴びながらユッタリとこちらに向って
馬が歩いてくる。


その馬の上には
よろい兜をかぶり、戦国時代の戦闘装備に身を包んだ


そう・・・


「冬将軍」がまたがっていた。




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『冬将軍・・・なんか雰囲気が変わったなぁ・・・』

 オイラはひとりごちた。



           「冬将軍の到来」で、ある・・・・



冬将軍がオイラが立つマンションの前に到着した。


冬将軍 『一年ぶりだね、元気だった?』

オイラ 『ご無沙汰してます、将軍お待ちしてましたよ』

冬将軍 『寒いのに外で待っててくれたの?感激だなぁ!』

ふと、オイラは異変に気付いた。

馬の手綱を持つ冬将軍の前に、小さな男の子がまたがっているではないか。
二人は馬を降り、オイラと共に雨の当たらない所に移動した。


オイラ 『・・・あれ?将軍・・・?その子は・・・?』

冬将軍 『ああ、紹介するね!この子は余の息子なんだ』

オイラ 『ええええ!このお坊ちゃんが!あ、いやご子息!』

冬将軍 『アハハ、いいんだよ!そんな堅苦しく言わなくてさ!
     ほら挨拶しなさい、小冬丸』

オイラ 『小冬丸さまとおっしゃるのでちゅね?はじめまして』

冬将軍 『ガハハハ!ダイワハウチュだ!』

大人二人が大笑いしているのを、しらけた目をして見ている将軍の息子。
こちらの挨拶にも応答しない。

まぁ、人見知りする年頃なのだろう。


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冬将軍 『困ったもんだよ、甘やかして育てちゃったからねぇ。ゴメンね』

オイラ 『いやいやいや、そんな事!全然大丈夫です』


しかし、まじまじと冬将軍を見ると、昨年までの「昼行灯」みたいな
暢気さがなくなり、別人のように凛々しく変貌している。

これが「父親になった」という自覚の成したことなのであろうか?
しかし語り口や、人格はそのままお茶目で温和そのものである。


冬将軍 『遅くなってゴメンねぇ、寒気が安定しなくてさぁ』

まず「侘び」から入る、これも平年通り将軍の定番である。 

オイラ 『いえいえ、それは将軍のせいではないですもん
     それより部屋の中にお入りください』


冬将軍 『そうしたいんだけどさぁ、この息子がワンちゃんが苦手でさぁ』

オイラ 『あ、そうなんですか?だったら犬を別の部屋に入れておきますから
     どうぞ遠慮なさらずに・・・』

冬将軍 『幼い頃に犬に追っかけられて、それがトラウマになったみたい
     プ・・・“犬なのにトラウマ”だって・・・ククク』

この人はダジャレのクオリティのキープ力は凄い・・・
と、いうより、若干低下してるのか・・・?


冬将軍 『いや、それとね、ほら今回この子を色んな所へ挨拶回りさせる
     っていう目的も兼ねているから、あまり時間がなんだよ』

オイラ 『ああ、そんなんですかぁ、それは残念です』

冬将軍 『おい小冬丸、ここのワンちゃんは大きいけど大人しくて可愛いんだぞ
     名前は“ユズ”と“マゴコロ”って言うんだ』

また、今年もタドコロの名前でふんわりとボケた!
これも毎年の定番だが、あえてツッコまないでおこう。

冬将軍 『寄って行きたいのはマウンテンマウンテンなんだけどねぇ』

小冬丸 『父上、それを言うなら“山々”です!』

息子がクールにツッコんだ!

これまた将軍の「ド定番」のボケ「マウンテンマウンテン」
しかも第一声が父親のボケに対してのツッコみとは!

なんという親子なんだ・・・


冬将軍 『あ、これ』

紙包みを差し出す冬将軍。
毎年恒例の「将軍の手土産」であろう。


オイラ 『ああ、毎年すみません。気を遣わせちゃって』

冬将軍 『今年は絶対喜んでくれるはず!なんてったって今や入手困難の
     人気のお菓子!花畑牧場の生キャラメルだー!』

オイラ 『・・・・・・・ああ、ありがとうございます』

冬将軍 『いやこれはねぇ、買うの大変だったんだよ!
     ただ、あの田中義剛に儲けさせるのはシャクだったけどね
     ガハハハハ!・・・・・あれ・・・・?』

オイラの芳しくないリアクションを見て、また悟ったらしく 

冬将軍 『ああああ、キミ甘いものダメだったんだよね!うわぁ!また
     下手こいたぁぁぁぁ・・・』

オイラ 『いや、ホント!感謝です!あんな入手困難なお菓子を
     わざわざ・・・マジで嬉しいんですよ!』

冬将軍 『ホント、ダメだよねぇ・・・余は・・・』


これら、ちょっと面倒臭い毎年恒例の一連の流れ。

面倒臭いのだが、これに付き合うと「冬が来たんだなぁ」と
実感できるから不思議だ。




マンションの玄関先に三人と馬、一頭。


冬将軍は、少しだけ「ピッ」と背筋を伸ばし
衣服を整え、


冬将軍 『それでは改めて・・・』

オイラ 『あ、はい。よろしくお願いいたします』



それまでのフランクだった空気が一変し
軽い緊張感が漂う。



冬将軍 『2009年、11月10日、本日をもって”冬到来”とし、
     短パンから長パンへの衣替えを正式に命ずる』

オイラ 『はい。謹んでその命、承りました。
     気象庁への連絡は責任を持って私が・・・』



激しい雨音だけが聴こえる。

厳かな時間が流れる。



冬将軍 『・・・はいっ!堅苦しい儀式は以上!』

オイラ 『ありがとうございました!』


それからオイラたちは15分ほど立ち話をした。

日本の気象の変化について。
世界の気象の変化について。

経済の事、金融の事。

今年も多くの偉人が亡くなってしまった事。

エドはるみの事。

険悪だった大奥との仲も、最近はお互いが歩み寄り
良い方向に向いているとの事。

途中どうでもいい話題が1つ2つあったが
とてもためになる、充実した立ち話だった。

そして「お世継ぎ問題」


オイラ 『しかし、良かったですねぇ。こんな立派なお世継ぎが出来て』

冬将軍 『うん、そうなんだ!本当に余にはもったいないくらい
     出来の良い世継ぎでね、もう安心だよ』


将軍は目を細め、満足そうに我が子の頭を撫で
ちょっとだけ目線をそらし遠くを見るような仕草をした

オイラには彼の仕草から若干の寂しさのようなものを感じた。


・・・冬将軍職の交代・・・


冬将軍 『もうね、心置きなく引退ができるってもんだよ』

オイラ 『なんか・・・でも・・・寂しいですね』

冬将軍 『いやいや、たまに遊びに来るって!』


もう来年から、この暢気で温厚で昼行灯のような・・・

愛すべきキャラクターの冬将軍とは会えないのか・・・

そう思うと無性に悲しくなってきた。


オイラは少し泣いた。
つられて将軍も泣いた。オイラより大きな声で。


来年から冬将軍の職を継承する一人の少年が
その光景を黙って見つめている。


オイラ 『うぇーん!本当ですよ!本当に遊びに来てくださいよ!』

冬将軍 『うぇっ、うぇっ!約束、するよ。うぇっ!』

オイラ 『オイラ、将軍のボケを聞かないと冬になった気がしなんですもん』

冬将軍 『うぇっ、うぇっ!余はボケた覚えなど一度もないよ。うぇっ!』


最後までボケっぱなしだった。



オイラ 『小冬丸さま、来年からよろしくお願いいたしますね』


それまで言葉少なに大人たちの会話を聞いていた
その「小さな将軍」に挨拶をした。

小冬丸 『こちらこそよろしく頼む!正確に冬が告げられるよう
     邁進するつもりなので、そちもしっかりとやってくれ』

これは・・・立派な所信表明だ。

父親よりも何十倍もしっかり者なのだろう。

「シャン」と胸を張った毅然とした立ち居振る舞いは
先ほどの「人見知りする子供」の態度など微塵も感じられない。



冬将軍 『それじゃあねぇ!またねぇ!』

小冬丸 『それでは失礼する!』


そして親子は馬にまたがって、未だ降り止まない
激しい冬の雨に打たれて、南方面へと歩きだした。



姿がだいぶ小さくなってからオイラはひとりごちた。

オイラ 『しかし・・・ちょっとあの子・・・堅物、というか・・・
     子供っぽさがない、というか・・・可愛気がもうちょっとなぁ・・・』




遠くで将軍親子と、犬の散歩をしている人がすれ違うのが見えた。



馬にまたがる人影が大きく揺れ
遠くから、子供の泣き叫ぶ声が響き渡った。

ハッタリ

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今日も「しっかりさん」が正確に澱みなく事を進めている。

今日も「ウッカリさん」が凡ミスを犯して上司に怒られている。

今日も「ちゃっかりさん」が漁夫の利で甘い汁を吸っている。

今日も「こっくりさん」がいたずらに呼び出されている。




今日も「ハッタリくん」が・・・・
次回予告で“ブラックなハッタリ”をかましている。





・「悪魔に命令された」と言えば、なにをやっても万事OKでござる の巻

・ウォシュレットの「止」ボタンが効かないでござる の巻

・ペットショップで「えー何この犬?スピッツだってー!パクリじゃーん!」って
 言っていた今時の女子を思い出したでござる の巻

・ケンイチ氏……ナベアツの真似はいいでござるが、
 52と57と59はバカになる必要はないでござるよ の巻

・ママ上殿の笑顔が消えてから、3度目の夏が来ようとしてるでござる の巻

・そもそも3の倍数、といった時点で間違えるケンイチ氏でござる の巻

・拙者、亜米利加では既に変質者扱いでござる の巻

・ケンイチ氏、クイックルワイパーは食べ物ではござらん の巻

・獅子丸にカビが生える季節でござる の巻

・拙者が公園に行くと保護者と子供たちが逃げていくでござる の巻

・電車で拙者の隣りの席が2人分くらい空いてるのにダチョウ倶楽部風に
 「どうぞどうぞ」と譲り合っている女子高生集団を見て、
 ちょっとブルーな夕暮れでござる の巻

・ケンイチ氏がなぜ将来を悲観して自殺しないのか人類の
 謎でござる の巻

・拙者がいた頃のジャニーズはバク転出来なくてもよかったでござる の巻

・忍者が忍耐強いとは限らないでござる の巻

・洗っても洗っても落ちないでござる の巻

・全部混ぜちゃえば分からないでござる の巻

・街で「あのー、ジェロさんですよね?」と言われたでござる の巻

・獅子丸をドッグランで放したら他の人が皆帰ってしまったでござる の巻

・いよいよ拙者に対する世間の風当たりが強くなってきたでござる の巻

・テンション高いだけの奴が人気だったのは中学まででござる の巻
 YouTubeで夜な夜な「風雲!たけし城」を観ているのはここだけの話でござる の巻

・扇風機に「あ”ー」って言ってたらバラードが一曲できたでござる の巻

・ケンイチ氏なら「中洲産業大学のオープンキャンパスに行って くる」と言って
 さっき家を出たでござる の巻

・「差別」はいけないことなのに「無差別」もまた嫌われるでござるな の巻

・いつの間にか、拙者が世帯主でござる の巻

・ケンイチ氏が「パフュームの音楽性」を語りだしたら
 そろそろお勘定でござるよ の巻

・「狂牛病になる」という理由で「土用の丑の日」を無いことにしてしまった
 ママ上と納得したケンイチ氏は素敵なコンビでござる の巻

・ケンイチ氏に「お前呼ばわり」されたので、イラッときたでござる の巻

・ケンイチ氏のパソコンに入っている怪しげなファイルを
 片っ端からアンインストールでござる の巻

・獅子丸が自分で「猛犬注意」のステッカーを買ってきたでござる の巻

・いつもながら一休さんのトンチには感心するばかりでござる の巻

・それは「くにたち」と読むのでござる の巻

・パパ上のボーナスが今月の電気代に消えたでござる の巻

・獅子丸が妙な物をくわえて来たでござる の巻き

・ケンイチ氏が拙者より先に風呂に入るとかあり得ないでござる の巻

・昔はあだ名で呼びあってたのに……時間というのは女を変えるでござる の巻

・「ラブワゴンに乗ってくる!」と勇んで飛び出したケンイチ氏が
 公園のブランコで発見されたでござる の巻

・あれ…こんなに飲んだっけ…?と思うお勘定でござる の巻

・それ以上いくと笑えないからやめるでござる の巻

・ケンイチ氏のランドセルからカピカピのレーズンパンが出てきたでござる の巻

・ケンイチ氏の中で普通なのは名前だけでござるな の巻

・よ〜く聴いてみると、大橋巨泉は笑うとき「ウッシッシ」とはひと言も
 言ってないでござるな の巻

・生まれ変わってオバQとしてやり直すでござる の巻

・なぜ拙者の住民票はないのでござるか? の巻

・どこの世界にこんな格好の外国人がいるでござるか? の巻

・後から撃つのは不本意でござったが
 「悲しいけど、これ戦争なのよね」でござる の巻

・ああ見えて奴は相当性格悪いでござるよ の巻

・人生そのものの意味が分からないでござる の巻

・死ぬ気の決心で転職して、三日坊主でござる、の巻

・宇宙の広さに思いを馳せていて、ふと気付くと生活費がないでござる の巻

・じ〜と鏡を見てみると、拙者もなかなかのブサイクでござる の巻

・手錠姿のパパ上を呆然と見送った残暑の朝でござった の巻







一部の政治家や鼻持ちならない金持ちだけでなく
皆さんの周囲にもハッタリくんが必ずいるはず

ミスター&チルドレン

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年も明け、寒さも本格化してきた。

オイラは、二頭の愛犬と近くの公園の
枯葉の絨毯が敷き詰められた遊歩道を散歩していた。

「サク、サク、サク」と、落ち葉を踏む小気味の良い音と
冬枯れた風景を楽しみながら、

『ああ、スッカリ冬になったなぁ』などと
感慨深げに独りごちながら、歩いていた夕暮れ・・・・


『ピュゥウウウウウウウウウウ』


前方から、一陣の風・・・

それも、最近体感したことも無いくらいの「冷たい風」が
オイラの体と、頬を殴った。

その風力たるや凄まじく、
前方遥かに続いている遊歩道に敷き詰められた
銀杏や栗の木の枯葉を「龍」の如く舞い上げている。

長毛種であるG・レトリーバーのタドコロの飾り毛が
体の真後ろ一直線になびいているのが、ようやく見てとれた。

目が開けていられない・・・寒すぎる・・・


どのくらい時間が経過したのか・・・
風がいくらか弱まり、目の前を舞い踊っていた枯葉が
ハラハラと地面に落ちてゆく。

ようやく開けてきた視界の先に・・・・

一人の「少年」が立っている。


オイラ 『・・・・?・・・・』

少年 『おお。おっさん・・・』

オイラ 『おっさんだぁ・・・?見ず知らずのキミにおっさん呼ばわりされる
     おぼえはないぞ!だいたい・・・あっ・・・・』



その狡猾そうな目。
生意気そうに右に上がった口角。






オイラ 『キミは・・・・・・・北風小僧・・・・』





久しぶりだったので、スッカリ忘れていた・・・北風小僧。


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毎年冬になると、必ずキッチリやってくる「冬将軍」と違い、
この「北風小僧」の到来は“規則性”がないのだ。

まさにその性格を象徴するかのように
「真面目で実直な冬将軍」に比べ

この「北風小僧」ときたら
吹いたり、吹かなかったり・・・

つまり「気まぐれで不真面目」な性格なのだと云われている。

しかも、人を食ったように大人びておりズル賢く、
街に来たら来たでイタズラはするは・・・の無法者なのだ。

実は昨年も遭ったのだが、なにせその気まぐれっぷり。
来たり、来なかったりの不規則な行動ゆえに、
彼の存在自体が、オイラの脳みその奥の方に収納されてしまっているのだ。


北風小僧 『おい、何ジロジロ見てんだよ』

オイラ 『いや、別に・・・一年ぶりだなぁと思ってね・・・』

北風小僧 『そんな“感動の再会”じゃねぇだろ。いい大人がこのくらいの事で
      感慨深い顔してんなよ、みっともねぇ』


・・・・このガキは・・・・いや、相手は子供だ。ガマン、ガマン・・・・


オイラ 『いや、でも、アレだね。ホントにキミが吹くと、
     相変わらずメチャメチャ寒いんだね。ビックリしたよ』

北風小僧 『当たり前だろ。暖かい北風なんて、
      “貧乏なデヴィ夫人”みたいなモンじゃねえかよ』

(・・・微妙に、違うんじゃないか?)

北風小僧 『もしくは“痩せたマツコデラックス”か?』

(なんで、言い直したんだ?)

オイラ 『おお、巧い事言うねぇ』


なんでオイラはこんな子供に媚びてんだよ・・・情けない・・・



北風小僧 『しかし、将軍の仕事ぶりもだいぶ板についてきたじゃねぇか』



オイラは、好意を持っている冬将軍の事をバカにするような
「上から目線の発言」をした北風小僧に、少し「カチン」ときた。
どうしてここまで、ひねくれたのか?
オトナを信じないのか・・・?

以前オイラは、そんな疑問から
この「北風小僧」は、将軍家筋なのか、奉行所とか関係あるのか?
彼に質問をぶつけたことがあった。
すると彼は・・・・


北風小僧 『オレの仕事はさぁ・・・』

ポツリと、小僧はつぶやいたのだった。

「冬将軍」や「鍋奉行」が行っているのは、
国家の政(まつりごと)としての正式な任務であり

運営、執行における費用も国民の税金からなる予算で補われる
いわば、「公の事業」なのだ。

だが、「北風小僧」の「仕事」は、国家の介在しない、
いうなれば・・・「民間ボランティア」が勝手に善意で行っている
行為のようなものなのだ、と彼は言うのだ。

税金での予算組みも無いのだから、
運営資金も潤沢にあるわけもなく・・・
毎年キッチリできる公務と違い、
規則性もおのずと乏しくなる。
それゆえ、「気まぐれ」とか「不真面目」という
不本意なレッテルを貼られる・・・・

そんな現実への苛立ちが、「将軍家への過剰反応」や
「ひねくれた態度」に、つながるのも頷けた。

あの時オイラは少し、この北風小僧が不憫に思えてきた。

北風小僧は、イタズラっぽい笑顔で、二頭の犬に風を吹きかけている。
風を受けた二頭の犬は、楽しくはしゃいで小僧とジャレている。





北風小僧 『コイツら頭は悪そうだけど、可愛いヤツらだな!』

オイラ 『ありがとう。一言余計だけどな』



ニコニコと楽しそうな横顔が、
まだ無邪気な少年の片鱗をうかがわせている。

そしてこれも以前、北風小僧に、両親のことを訊ねたことがあった。

父親は・・・・「東風」
母親は・・・・「南風」なのだと謂う。

その、東風と南風の間に生まれるのが「北風」になるのだ。

北風は、幼い間はとんがっている。
人々を震え上がらせるほど冷たく・・・
「ピーピュー」と吹きすさび、ツッパリ続ける。

そして、徐々に「角が取れ」精神的に「丸く」なり、
「西風」という、短い青年期を経て、

成熟した大人・・・つまり、「東風」となる。

「東風吹かば・・・」の情緒に達するのだ。

そしてまた、どこかの「南風」と結ばれ、
新たな「北風」が生まれる・・・・・・

強い風をまともに受けたタドコロが、転びそうになったのを見て
即座に風を止め、犬に駆け寄っている彼をボンヤリと眺めた。




北風小僧 『おお、そうだ!久しぶりに会った祝いによ!
      おっさんにプレゼントがあるんだよっ!』

オイラ 『え?マジ?そんな・・・気を遣うなよぉ』

北風小僧 『気にすんなよ。ちゃんとおっさんの好みは
      リサーチ済みなんだからさ!』

オイラ 『オイラの好みを?用意周到だな。じゃ、お言葉に甘えて・・・』

北風小僧 『よしっ! んじゃ、よ〜く見てろよぉ。
      オレが今から“ひと風”吹かせて
      あそこに歩いてる女の子のスカートをペロ〜ンと・・・』

オイラ 『コラ、コラ、コラッ!』

北風小僧 『ん?・・・おっさんの好みじゃ・・・』

オイラ 『全面的否定はしねぇけど、それは犯罪だ』

北風小僧 『冗談だよっ!ホレ、これ・・・』


北風小僧が差し出したのは「NIKEの短パン」である。


オイラ 『・・・・・・・・・・・・』

北風小僧 『おっさんの好みはリサーチ済みだって言ったろ?
      まぁ、今はオレが暴れる季節だから履けねぇけど
      来年、早めに来っから。そん時それ履いて見せてくれよ』



来年・・・・・・・来年この「北風小僧」は・・・

「北風」では、なくなっているかもしれない・・・



そんな風に感じたオイラだった。






小僧 『はい、じゃあコレ』

オイラ 『えっ?何?領収書?¥5800?・・・短パンの?』

北風小僧 『あ、金は急がなくていいよ。来年で』

オイラ 『・・・オマエのその“ちゃっかり具合”は
     “サザエさんのカツオ的”だな・・・』

北風小僧 『はぁ? バッカじゃねえの? オレを空想マンガと一緒にすんなよ』



オイラ 『・・・っていうか、誰なんだよ、オマエは・・・』








猛烈に冷たい一陣の風が吹き、

オイラの目の前から、北風小僧がいなくなった。


明日あたり・・・雪になるかもしれない。

今年最後の来訪者

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『ピンポ〜ン』

年も押し迫った、寒い日の午前中。
そのドアチャイムは、オイラの部屋に鳴り響いた。

眠い目をこすりながら、目覚まし時計を一瞥すると
長針と短針がほぼならんで「11」あたりを指している。

『もう今年の仕事も納めたんだから、もう少し寝坊させてくれよぉ』

愚痴を言いながら、毛布を頭から被り、
チャイムのやりすごそうと、もう一度目を瞑った。

『ピンポ〜ン、ピンポ〜ン』

執拗なチャイム攻撃。

『・・・ああっ!!・・・もう!なんなんだよっ!』

眼ボケ眼で、上半身だけ蒲団から起こし
まだ半分寝ている脳ミソを稼動させ、しばし考えた。


・・・こういう寒い朝の、突然の来訪者には悪い予感がする・・・・


『・・・ホントに・・・なんなんだよ、もう・・・・』

重たい体を引きずり、ドアホンモニターまで辿り着く。



オイラ 『・・・はい・・・』

来訪者 『ああ、ワシじゃ。ワシ、ワシ。』

オイラ 『・・・?・・・』


完全に見知らぬ人である。

これまでの、こういった突然の来訪者場合
何度も会ったことのある人であったが、今回は全く見覚えのない人間が
モニターに映っている。



来訪者 『ワシだって!ワシ、ワシ』

しかも、「オレオレ詐欺」ならぬ、「ワシワシ」の一点張りだ。


オイラ 『あのぉ・・・誰ですか?
     新聞の勧誘だったら結構ですし、NHKだったら払ってますし』

来訪者 『違うって!ワシだって!』

オイラ 『でも、“ワシワシ”の一点張りじゃ、振り込め詐欺みたいじゃないですか』

来訪者 『ワシは“鍋奉行様”の使いで参った者じゃ』

オイラ 『・・・え・・・鍋奉行様の・・・?』


とりあえずオイラは、その「鍋奉行の使い」と名乗る来訪者を
部屋に入れた。



来訪者 『っていうか、お奉行様から聞いておらんのか?ワシが来ることを?』

オイラ 『・・・ええ・・・何にも・・・』

来訪者 『まぁ良い。ワシは決して怪しい者ではないから安心せよ』


その来訪者の足元を二頭の犬が「クンクン」と嗅ぎまわる。

その後、よくよく話を聞いてみると
なぜこの「鍋奉行の使いの者」がオイラの所に来たのか?が判明した。


要は、鍋を仕切りながら全国各地の家庭を行脚して歩いている鍋奉行も、
自分が訪れたあとの家庭が、その後・・・
「ちゃんと定期的に鍋をやっているか?」
「自分の指導したとおりの鍋の食べ方を遂行しているか?」
心配になり、この使いの人を送り込んでチェックしているのだという。

いわゆる「食品行政」が秘密裏に行っている「食品Gメン」みたいなものだという。

よくTV番組でやっている「スーパー」などに覆面(身元を隠して)で潜入し
ちゃんと食品管理がなされているか「抜き打ち検査」をする・・・アレだ。


来訪者 『お奉行は特に、そちが怪しいとおっしゃられていてのぉ』

オイラ 『はぁ・・・信用ないんですね、オイラ・・・』

来訪者 『仕方がなかろう。そちはあまり鍋を好まんのだろう?』

オイラ 『はい、確かに以前はそれほど好きではなかったのですが・・・
     それこそ、前回お奉行に鍋の醍醐味をご教授いただき、好きになったのです』

来訪者 『そう言うてもなぁ、おいそれと信用は出来ぬなぁ
     では、定期的に鍋をやっておるのか?ちなみに今日は何を食すつもりだったのじゃ?』

オイラ 『あ・・・いや・・・それは・・・』

来訪者 『そらみろ。食うておらんのじゃろぅ?
     これでは、お奉行に正直に報告するしかないのぉ』

オイラ 『あ、いや、それは待ってください。
     お奉行様にだけは黙っておいていただけませんか』

しばし思案顔の来訪者。


来訪者 『・・・考えてやってもなくはないがのぉ・・・』

オイラ 『は?・・・・』

来訪者 『あ、いやいや、なんでもござらぬ』

オイラ 『で、ではさっそく鍋をやりましょう!うん。鍋をやってお奉行を安心させましょう
     さぁ、何鍋ししますか?仰せのとおりの鍋にいたしますから!』

来訪者 『そんなのそちが考えろ。何鍋にするかを考えるのはワシの仕事ではない』

オイラ 『・・・・?・・・・あ、そうなんですか。じゃあ、オイラが決めていいんですね?』


そんな感じでオイラはスーパーへ飛んで行き、店員さんに相談しつつ
「ちゃんこ鍋」の具材と「スープの素」を買ってきて、準備を始めた。

準備をしつつも、若干の違和感を感じ始めていた。
もし鍋奉行がここにいたなら、「何鍋にするか?」も自分で決め、全てを仕切るだろうし、
だいたい「スープの素」なんて買ってこようもんなら、
『バカ者!出来合いのスープなど!鍋を馬鹿にするのもいい加減にしろ!
ダシは具材から自然に抽出されるものが一番なんじゃ』と、雷が落ちるはずだ。

しかも、この来訪者は・・・・
具材を切ったり、煮込む順番などにはまったく興味を示さない。

オイラの勝手にやっている作業をただただ黙認して
ヘラヘラと酒を飲んでいる。


オイラ 『あの〜具材を入れる順番はこんな感じでよろしいんでしょうかね・・・?』

来訪者 『そんなんも含めて、そちが頻繁に鍋をやっているかどうかを
     チェックしているのではないか』

オイラ 『ああ、そうなんですか・・・こ、ここまでは間違ってないですかね?』

来訪者 『間違えまくりじゃな。その調子ではやはり鍋をやってはおらんことを
     お奉行に報告せねばならん・・・・』

オイラ 『すみません!すみません!やり直しますから、どうかそれだけは!』

来訪者 『・・・まぁ・・・考えてやっても、なくはないんじゃがのぉ・・・』


オイラはまた・・・えも云えぬ違和感を感じた。

(なんなんだろう・・・この人は・・・?)

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そんなこんなで、鍋が煮え・・・・
蓋を開け「さぁ、食べよう」と箸をとった、その刹那・・・

来訪者 『馬鹿者っ!まだじゃ!なにをやっておる、このたわけ者が!』

オイラ 『ひぃっ!』

それまで、鍋の準備に無頓着、無関係を決め込んできたその客が
いきなりオイラに一喝してきた。

来訪者 『鍋を食すには、コレが一番大事なのではないかっ!
     そんなこともわからんのか、この愚か者っ!』

オイラはもう泣きそうだ。
そして、オイラを一喝したその客の顔を見ると、
うすら笑いを浮かべ、半ば狂気じみた目で・・・・


「鍋の表面」をオタマですくっている。


来訪者 『この作業を疎かにするようでは、お奉行に報告しなくてはならんが・・・・』
     


ここでようやく、さっきから感じでいた
彼の言動、行動から受ける違和感が「確信」へと変わった。
彼はニヤニヤと薄笑みを浮かべ、

相変わらず「鍋の表面」をオタマで熱心にすくいながら、
オイラを見据えてこう言った。

来訪者 『だが・・・話によっては・・・聞いてやらん事もないぞ・・・
     
     ・・・越後屋・・・』



オイラ 『・・・・アク代官・・・・だったか・・・・』





















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だいたい何でクリスマスっていうと、みんなこぞってベタベタするんだよ。

キリストの生誕祭の日に、男女がベタベタするのって
意味が解らない。


『クリスマスくらいは二人で過ごそう。
 チキンでも焼いて、ケーキを食べて、シャンパンを飲んで。
 二人で仲良く楽しく過ごそう』なんて。

なんでクリスマスだからって、
男と女がベタベタと、仲良くしなければならないんだよ。

だいたい、街の「カップル」は、なんなんだっ!
街を歩けばそこら中でカップルがイチャイチャしてる。

いいか?

普段、そんなにベタベタしていないカップルが
このクリスマスという日に限って、ベタベタと体を寄せ合って、
手なんか繋いじゃって、

「チュッチュ」までしている・・・・・

このクリスマスという日に限ってだ。
普段、それほどまでにベタベタしない連中までもが、だ。

だけど、「今日はクリスマスだからみんな一斉にベタベタしよう」なんていう
意味のわからない風潮みたいなものに踊らされて
一体なんだっていうんだよ。

「今年のクリスマスをラブラブに♥」なんて
マスコミやメディアに踊らされるがままにベタベタして・・・

そしたらどんなことが起きると思う?
どんなことに影響が及ぶと思う?

「地球温暖化の促進」につながるんだよ。
絶対に地球全体の温度が上昇しているはずだ。

どういうことかって?



つまりな・・・・

ワケのわからない高揚感で、一人ひとりの体温が
いつもより上昇するんだよ。

まさに・・・・街中の「アツアツ・カップル」
放出する熱が街の温度を上げるんだ。

地球全体の人口が「分母」だとして、その分母に対し
いきなりベタベタし始める連中が「分子」だ。

その分子が増える分、
絶対に地球の温度が上がるんだ。

一組や二組じゃないんだぞ?

世界規模で考えれば、何万組、何千万組のカップルが
放出する熱なんだぞ!



そりゃあ、南極の氷も溶けるってもんさ・・・



この地球温暖化が問題視されている現在、こんな軽率な行動はない。

「クリスマスにベタベタ」なんて
完全なる「アンエコロジー」だ。
この時代の考え方や動向に逆行していると思わないか?

地球の未来を・・・
地球の寿命を縮めるようなことは、完全なる愚の骨頂だ。







はいはい、わかりました。
「街のカップル批判」から「環境問題」にまで発展しちゃったわね。
だいたいお父さん『今年もサンタをやらなきゃな!』なんて
張り切ってたじゃない。






うるさいっ!
今年はもう、サンタなんてやらんぞっ!

だいたい・・・なんで・・・せっかくのクリスマスの日に
カレシなんか家に連れて・・・






はい、はい、じゃあもう帰りましょうね?
あの子が帰ってきちゃうわよ。






目の前に座っていた一組の中年夫婦が腰を上げた。

父親はまだブツブツとボヤいている。

その背中を優しく押しながら、妻はコロコロと笑って
店の出口へと共に歩いていく。

父親が、クリスマス仕様にラッピングされた
たくさんのプレゼントを両手に抱えているのが見てとれた。






デパート街の喫茶店。
店内には♪ I Saw Mommy Kissing Santa Claus が流れている。







店の外で・・・
妻が少しだけ、夫に寄り添ったように見えた。














Merry Christmas!
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