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何年にも及ぶ長き戦いがようやく終結した。 夜明けが来ない夜など無いように、すべての戦いには終焉がある。 思えばあちこちの人に迷惑を掛けたな、と後ろめたい思いを抱きつつも今日は記念すべき日なのだ。 きっかけはNHK大河ドラマの「天地人」を観たことで、直江兼続が本多正信のところに交渉に行くシーンに影響され、『ああ、戦後処理というのはこんな風にやるものか……結構大事なんだな』と思ったことである。 やはり直接会って話をしなければならない。ネットや電話では駄目なのである。 私はやねうらお氏の実家を訪ねた。実際会ってみたやねうらお氏はブログや2ちゃんねる掲示板での印象とはかなり違っていた。 コミカルな子供っぽい印象から年相応の物の考え方をする大人へと、印象は大きく変わった。 二人でファミレスに入って談話しているうちに、最初あったわだかまりは春の陽光のもとで雪が解けるように消えていった。 丁度話題が本のPDF化になったところで、私がやねうらお氏に「神秘体験」の本を手渡すと、妙に嬉しかったようで、それ以降は付き合いの長い友人のようであった。 そこで、PDF化した「神秘体験」の無料配布をお願いしたところ、何と、やねうらお氏は引き受けてくれた。 「やねうらおと仲直りできて良かったよ!」 二人は固い握手を交わした。和睦したのでこれからは盟友である。 それからやねうらお氏が、私と将棋が指したいと言うので、ファミレスを出て、将棋セットを買うために二人で100均に行った。 盤駒100円のおもちゃみたいなセットをぶつぶつ文句を言いながら購入し、ショッピングセンターのラウンジで将棋を指した。 私はなぜかファイトが湧かず気が付いたら負けていた。まあいいか。やねうらお氏は思ったより強かった。 それから話す、話す。時が経つのも忘れ、いろいろなことを話しあった。コンピュータ将棋のこと、本のこと、ブログのこと……。コンピュータ将棋の未来について語るとき、やねうらお氏は子供のように嬉々として朗らかだった。 総じてやねうらお氏は経験を語り、私はアドバイスを受けることが多かった。成功者であるやねうらお氏とそうでない私。 自分の過去を振り返ってみると、自分が遊び呆けていた分、やねうらお氏が先に行ってしまったのだろう、という負い目が私にはあった。二人の道を分けたのは勤勉さなのだろう。 帰る際、やねうらお氏が駅まで送ってくれた。それからまた話し込んだのだが、最後に「何かお礼がしたいな」と私が言うと、「Xbox360のゲームソフトを貸して欲しい」と言われた。 『何だ、そんなものでいいのか。本当にそんなものでいいのか?』と内心理不尽な思いを抱きつつ、大きな借りが出来てしまったような気がした。 やねうらお氏が育ち、今も住んでいる八尾の街並みは夕陽に朱に染まり、飲食店や雑貨屋など雑然とした商店街の印象が琥珀色の思い出の瓶の中にしまい込まれていった。 |

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