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独居高齢者を取材するたび、悪質訪問販売が話題になる。 「屋根を直せ。シロアリを駆除しろ。りんごを買え、みそを買えと言って、次から次へと人が来ました」 高齢女性5人が暮らす滋賀県余呉町の「結いの家羽衣」では、住人のひとりが、ひとり暮らしをしていたときの気苦労を、こう話していた。 「インターホンでしか、しゃべらなかった。『若い人は、いるんか』『怪しいもんやない』といわれると怖くて」 言葉巧みに欺すのではなく、明らかに怪しい。東北の山村を訪ねたときも、「おばあさんしか家にいないと分かると、脅しにかかる」と聞いた。過疎地では、消費生活センターなどの公的な相談機関が近くにない。 被害は女性ばかりではない。高額のローン契約を結んだ男性は「5〜6人で押しかけてきて、半ば脅すように、強引に話を進められた」と経緯を話す。 悪徳商法の被害者は、認知症などで判断力の低下した高齢者と思われがちだが、判断力があっても、断れる雰囲気ではないようだ。昼間ひとりで家にいるとターゲットになる。 介護を必要としない高齢者宅には、訪問ヘルパーやケアマネジャーの出入りもないから、被害が発覚しづらい。 独居高齢者は、介護保険では解決できない生活上の不安を抱えている。ひとりで生きるのは勇気の要ることだ。(産経新聞・寺田理恵)
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高齢者福祉
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有料老人ホームでありながら、行政に必要な届け出をしていない可能性のある高齢者施設が、全国で少なくとも579施設あることが厚労省が31日にまとめた調査で分かった。10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設火災を受け、都道府県を通じて緊急調査した。集計途中段階の自治体もあり、さらに数が増える可能性がある。 今後、有料老人ホームに該当するかの調査が行われ、該当する場合には防火体制や入居者の処遇状況の緊急点検がされる。 無届け施設である可能性がある施設は、平成19年2月末時点では377件だった。その後、届けを済ませた施設があるにもかかわらず、全体では202件増加。高齢化を背景に老人施設が急速に増える一方、行政の把握が追いついていない実態が浮き彫りとなった。 無届けの可能性の施設が多かったのは、東京103▽神奈川60▽群馬46▽千葉44▽愛媛37▽栃木35−など。届け出は入居者保護を目的に義務づけているもので、該当する施設には防火体制整備などが求められる。渋川市の施設では、届け出の必要な施設の可能性があるとして、県が立ち入り調査をする直前に火災が起きた。(産経新聞)
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2008年10月にCDが発売された「手紙〜親愛なる子供たちへ〜」という曲がじわじわ人気になっている。認知症などで介護が必要となってしまった時、老いた親が子どもに伝えたいメッセージがストレートに語られている。歌詞を書籍化した詩集も発売され、重刷も決定。実際に介護をする人からは感動したという感想が寄せられている。第二の「千の風になって」として爆発的なブームになるのか。 シンガーソングライターの樋口了一さんが歌う「手紙〜親愛なる子供たちへ〜」は、テイチクエンタテインメントのレーベル「タクミノート」から発売された。樋口さんはアコースティックギターを奏でながら、深みのある声で歌う。たとえば、最初の一文は次のように書かれている。 「年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても どうかそのまままの 私のことを理解して欲しい」 この詩はもともと、樋口さんが知人の角智織さんを通じて知った、作者不明のポルトガル語のメールだった。日本語訳の詩を読んだところ、内容に感銘を受けたという樋口さんは一部に歌詞を加え、作曲。ラジオを中心に曲を流し、ライブで歌っていたものが評判を呼んだ。ブログにも書き込まれ、クチコミで広まったこの曲は現在、はじめに用意したCD2000枚を大きく超える、1万8000枚が売れている。また、日本テレビ「誰も知らない泣ける歌」(2009年3月3日放送)でも取り上げられたばかりだ。 動画投稿サイトYouTubeでも公開されており、4万件以上が再生された評価は、5点満点。コメント欄には、「母をいつか介護するようになった時に、また聴いてみたいと思います。親のありがたさを思い起こさせる歌ですね」などと感想が寄せられている。 また、個人のブログにも、「3年前に亡くなった父も痴呆でした。その父も、この歌詞のような気持ちだったのかと思うと、たいした介護もせず申し訳なく涙がこぼれました」。母親の介護をしているある人は、「(この曲を聴いて)母はもう 私に笑顔で答えてくれることはありませんが 心で笑顔を作ってくれているかも知れないと思わされます。いつまでも忘れないでいたい 歌 です」と書き込んでいた。 そして、この歌詞を書籍化した同名の詩集が2009年3月4日、角川グループパブリッシングから発売された。写真がふんだんに使われているビジュアルブックは初版2万部だったが、追加で1万部の重刷が決まった。 角川の担当者によると、同社の社員がタクシー内で聴いたことがきっかけで、出版が決まった。「その後の会議ではみなが感動した。その輪を広げたい。知らない人にも聴いてもらいたい。伝えたいという想いがあった」と話している。 紀伊國屋書店の調べによると、同書の購入者層は女性30〜49歳が31.1%ともっとも高く、女性50歳以上が22.7%、女性19〜29歳も19.3%とつづく。男性では30〜49歳が19.9%と、介護を担う世代を中心に強い関心が寄せられているようだ。 CDを販売する「タクミレーベル」宣伝担当の倉橋賢治さんは、これらの反響を受けて、「介護をされている方の中には、歌詞をコピーしたものを持ち歩いている方もおられるようです。気持ちを忘れないように、と。また、『介護しているとき、話をさえぎってごめんね』といった実体験に即した感想も寄せられています。さらに、最近では介護施設からもライブのオファーが来ることもあります」と話している。
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厚生労働省は24日、介護保険制度でケアの必要度を判断する「要介護認定」をめぐり、4月から大幅に変更される認定基準の一部修正を全国の地方自治体に通知した。 これまでに公表された新基準では、食事や整髪など16の調査項目で、家族らの介護が本来必要なのに不足しているケースでも「自立(介助なし)」に分類していた。修正後は、これを「介助されていない」と表現を改めた。 要介護認定は、7段階の要介護度を判断するため、市町村派遣の調査員が高齢者を面接し、心身の状態や生活能力を74項目にわたりチェックする仕組み。介護関係団体が、修正前の新基準について「実際の要介護度より軽く認定されかねない」と批判していた。厚労省は「誤解を生じないよう変更した」と説明している。 修正通知ではこのほか「買い物」「金銭の管理」「移乗」の3項目に関する考え方を修正。例えば、認知症の高齢者が買い物した後に代金を支払わず、後に家族が返品や代金清算するような場合でも、修正前は「できる(介助なし)」に分類するとされていたが、修正後は「一部介助」に当たるとした。
(北海道新聞) |






