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統合失調症の誤診について、味酒(みさけ)心療内科(松山市)医師の笠陽一郎さんに聞きました。 ――誤診問題に取り組んだきっかけは何ですか。 「地元の患者さんを診るうちに、誤診の多さに気付きました。インターネット掲示板『精神科セカンドオピニオン』を始めて、都市部の大学病院などでも誤診が繰り返されていることを知り、腰を据えて取り組むようになりました」 ――誤診の原因は? 「統合失調症は診断が難しいものもありますが、私がかかわる掲示板をきっかけに分かった誤診の多くは、初歩的な診断ミスで生じたものです。 米国で1994年に作られた診断基準(DSM―4)などが、国内でも使われています。症状を重視する診断法ですが、患者さんの話に耳を傾けず、いくつかの症状を診断基準に当てはめるだけで病名を付けるようになってしまった」 ――誤診されやすい病気を教えてください。 「自分が誰なのか分からなくなったり、複数の人格が現れたりする解離性障害は、幻聴や幻視が起こるため誤診されやすい。解離性障害の幻聴は、耳鳴りのような音や音楽、特定の単語の繰り返しなどが聞こえるのが特徴です。これに対し統合失調症の幻聴は、宇宙人に狙われているなどの特異で被害的な妄想が先にあり、その物語に関連する言葉などが聞こえます。 強迫観念が強まる強迫性障害では、『何か不幸なことが起こるのでは』などのおびえが、統合失調症の被害妄想と間違われます。対人関係に問題が生じやすいアスペルガー症候群などの発達障害も、対人関係のストレスからくる心理的な混乱が誤診につながります」 ――薬の副作用が、統合失調症の症状と誤解されるケースもありますね。 「抗精神病薬は、本当の統合失調症の人が適量使うと幻覚や妄想を抑えられます。しかし、そうでない人が飲むと、逆に幻覚や妄想などが現れます」 ――診断に疑問がある場合、別の医師の意見を聞くことが大切ですね。 「そうです。でも何か所回っても、診断が変わらないことも多い。同じ大学医局出身といったしがらみによる医師同士のもたれ合いや、診断に疑問を持つこと自体が病気の証しだという思いこみが、診断の見直しを阻んでいます」 ――誤診と分かった場合、薬をどう減らしますか。 「服用期間が短ければすぐにやめられますが、長いと、急な減薬で発熱、意識障害、呼吸障害などの悪性症候群に陥り、死亡の恐れもあります。体の反応を見て少しずつ減らします」 ――どうすれば誤診を減らせるのでしょうか。 「患者さんや家族が、ネット掲示板や本で訴えても、精神科医や学会は無視しています。精神科医はまず、誤診で大変な思いをした患者さんの声を重く受け止め、診察で話にじっくり耳を傾ける努力を続けなければなりません」(佐藤光展) 10月末から9回連載した「シリーズこころ これ、統合失調症?」には、電子メールや手紙、電話など300件を超える反響が寄せられた。 連載で取り上げたような、本当は別の病気なのに統合失調症と誤診された体験談は、95件にのぼった。良好な対人関係を築きにくいアスペルガー症候群などの発達障害や、強迫観念が強まる強迫性障害を、統合失調症と誤診される例が、なかでも目立った。 軽度の発達障害で中学校になじめず、不登校に陥り暴力的になった息子を統合失調症と誤診された親は、「記事を読んで、息子のことを書かれたのかと錯覚した。息子がたまたまひどい精神科医にあたったのだと思っていたが、こんなに多い問題だったとは」と驚く。 「息子は大量の薬でふらふらになり、学校どころではなくなった。それでも医師は、薬を飲み続けないと大変なことになると言い続けた」という。 「4種類の抗精神病薬を含む、異常な量の薬を飲まされた」、「医師に薬を減らしてくれるよう訴えても相手にされず、従わないなら他に行けと言われた」など、薬の処方について疑問を投げかける声は強い。 セカンドオピニオン(別の医師の意見)を取ることの効用も多く聞かれた。 北海道の40歳代の男性は、薬を飲み始めてから幻覚や妄想がひどくなったために別の精神科医にかかったところ、症状は薬の副作用の可能性があることを指摘された。この男性は医師の指示に従って徐々に薬を飲むのをやめたところ、幻覚などの症状は治まり、仕事にも戻ることができた。 紙面で紹介した、愛媛県在住の精神科医がインターネットを通じて相談に応じている医療相談掲示板「精神科セカンドオピニオン」にも問い合わせが殺到。対応する医師の日常診療に支障が出るほどだったため、インターネット上で直接相談できる人数を現在、週10人程度に制限している。掲示板でのやりとりはこれまで通り読むことができる。 ある患者の家族からは「精神科の患者や家族の声に耳を傾けない社会的風潮があるのも、問題の背景にあるのではないか」との、意見も寄せられた。精神科医療のあり方は、社会全体で考えていく必要がある。 心の病気は現代人に広く共通の病だ。来年も引き続き、「シリーズこころ」の企画で、取材、報告したい。(佐藤光展)(2008年12月26日 読売新聞)
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障がい者福祉
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障害児・者の差別や偏見などの諸問題を解消し、暮らしやすい環境を整えるための道条例の制定に向け、道南の障害者団体や当事者らでつくる「道障がいがあっても暮らしやすい街づくりをめざして条例を作ろう開催実行委員会」(能登正勝実行委員長)が25日午後1時半から、市民が意見や要望を出し合うタウンミーティングを函館市総合福祉センター(若松町)で開く。 条例は道議会の自民、民主両会派ごとにそれぞれプロジェクトチームを構成して原案を作成し、制定を目指している。2月の定例道議会への提案に向け、昨年は道内各地で道議有志による意見交換会が開かれた。能登実行委員長は「市民レベルでの開催は今回初めて。当事者ら市民の意見を反映させた条例にするため、皆さんの声を届けたい」と一般市民に参加を呼び掛けている。 午後1時50分から出席者全員がグループ討論で条例に関する意見や要望、疑問点などを出し合う。続いて午後2時40分から、道議や道保健福祉部職員、弁護士を交えたパネルディスカッションで、グループ討論で出た意見や質問などをまとめる。このほか、DPI(障害者インターナショナル)北海道ブロック会議の西村正樹議長の基調報告(午後1時35分から)、市内の男性ユニット「りぼん」による「条例を作ろう!」応援ミニコンサート(午後2時半から)も行われる。 会場には要約筆記、手話通訳を配備する。参加無料。 |
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町内で障害者施設を運営する社会福祉法人「静内ペテカリ」(細川好弘理事長)が、四月に開設する障害者と高齢者の交流施設の地鎮祭が七日、静内御幸町の建設予定地で行われた。
施設は木造二階建て、延べ床面積三百五十七平方メートル。総事業費は約四千五百万円で厚生労働省の補助を受ける。 一階は、障害者や地域の高齢者が一緒にクッキーを製造する場とし、大型のオーブンや冷凍庫などを完備。クッキーは同法人が近くで運営するパン工房「手づくり工房さくら」などで販売する。 二階は事務所のほか、フリースペースとして、イベントなどを通じて高齢者とふれあえる場とする。 これに伴い、同法人のクッキー工房「風」(静内緑町)は閉鎖する。同法人生活支援センターの村田修センター長は「スペースは『風』の五倍。規模拡大により、より多くの障害者に働く場を提供したい」と話している。(北海道新聞・長谷川紳二) |
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2004年10月、東京都内の病院。1990年代後半の音楽シーンを代表し、絶頂期の中2000年に解散した人気グループSPEEDのメンバー・今井絵理子さん(25)は3492グラムの礼夢(らいむ)君(4つ)を出産し、幸福感に満ちあふれていた。 妊娠中は胎教として自身の曲を聞かせた。生まれたら「ママの歌を聞かせたい。ギター、ピアノ、いろんな楽器に触れさせたい」と夢は膨らんだ。言葉に表せない喜び。「初めて誰かを守りたい」と思った。 3日後。病院で新生児聴覚テストを何の迷いもなく受けさせた。息子はなかなか戻らない。不安がよぎり始めた時、医師から「耳が聞こえていない」と告げられた。先天性高度感音性難聴。音がほとんど聞こえない重度の障害だった。 「神様は残酷だ」。そんな憎しみさえわいた。涙がこんなにも出るのかと思うほど泣いた。だが、泣くうちに「子どもだってお母さんの笑顔を見たいはずだ」と自身に言い聞かせた。「あすから泣かないから今日だけは泣かせてね。どんな時も笑っていようね」。息子を何度も抱きしめた。 出産時の「守りたい」との意志が一層強くなった。「前だけを見て、今いる息子を見詰め、すべてのことを受け止めよう」。そう誓った。 礼夢君の障害が分かって6カ月後。ギターを弾き「おうちへ帰ろう」という曲を歌った時のことだ。おもちゃで遊んでいた息子は手を止め、長い間じっとギターを見つめた後、はじける笑顔を見せた。 「ママ、歌っていいんだね」。おもちゃをマイク代わりに遊ぶ姿を見て、今井さんは歌う意欲がわいた。「音楽は耳で聞くのではなく、心で聞くものではないか。障害のある子どもたちに歌、音楽の素晴らしさを心で感じてほしい」。再びマイクを持つことを決心した。それは息子の笑顔に「すべてが救われた」瞬間だった。 そのころ、唇の動きを読む口話法の学校で、多くの母親たちと出会った。母親たちは悩みを話しながら「芸能人の子は何の障害もなく、健康な子が生まれてくるだろうと思っていたが、同じ立場で話せてうれしい」と笑顔で語り掛けてきた。 触れ合う中で「障害は一つの個性だ。それをみんなで認め合い、一緒に生きていく社会になってほしい」と思うように。そして息子のすべてを受け入れることを決心した。 07年9月に夫と離婚したが、仕事と両立させながら息子を育て、昨年4月から手話を覚えた。 障害のある子の母親たちとの出会いが後押しとなり「伝えられる立場にいるわたしの使命」との思いから8月に「24時間テレビ 愛は地球を救う」にSPEEDのメンバーと出演し、息子の障害をテレビで告白した。メンバーから激励を受け、絆(きずな)を確かめ合った。 それを機にSPEEDは完全復活。大みそかのNHK紅白歌合戦にも出演し、今年はコンサートツアーで全国を駆け回る。(琉球新報) 彼女のホームページ(http://home.ellymusic.com/hpgen/diary/diary.cgi)の中で、 そして、みなさんに大切なお知らせがあります! 2009年2月14日に本を出版することになりました! タイトルは「ココロノウタ〜息子と歩んだ四年間、そしてこれから〜」 聴覚障がいを持つ息子と歩んだ四年間の道のり、8月31日に出演した24時間テレビでは伝えきれなかったことなどを綴っています。 私の憧れでもある、黒柳徹子さんとの対談もしています! そして、なんと!私が歌手になろうと思ったきっかけを下さった中山美穂さんに帯を書いていただきました! この本を通して、こういう家族の形があるということを知っていただきたい。 そして、読み終わったら家族やそばにいる人を愛しく思っていただけたらいいなと思っています。 息子に捧げる「ココロノウタ」。 どんな時も笑顔でいこう!
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地下鉄大通駅コンコース内にある、障害者の手作り品を販売する「元気ショップ」(札幌市中央区大通西2、TEL 011-210-1147)で12月1日から、2周年を記念したイベントが開催されている。 「市長とおしゃべりしませんか」(2005年7月)という市民対話(タウンミーティング)の場で、精神障害者の作業所で働いている作業員から「自分たちの作っているケーキに自信がある」「ケーキを札幌の中心部で売って、たくさんの人に食べてもらいたい」などの意見が挙がり、上田文雄市長と札幌市はその発言に応え、翌2006年12月に「元気ショップ」をオープンした。 同店には、札幌や近郊の作業所で作られた「天然酵母のパン」「道産小麦パン」「犬用の服」「動物をかたどった木工品」など500種類の商品が並ぶ。「パン工房ひかり」の人気商品「ミニくるみパン(2個入り、120円)」は、道産小麦と無農薬のくるみを使用し女性に人気がある。店内は明るくおしゃれな造りで、福祉ショップの概念を変えるような店構えが特徴。 2周年記念では、「1日にサンタから素敵なプレゼントを配布する」と事前に告知していた。当日サンタクロースに扮(ふん)して現れたのは上田市長。「市長のいきなりの登場で皆さん驚いていた」と店長の岩森さん。500個用意していたプレゼントは15分ほどでなくなった。 「オープン当初、障害者の方々は福祉ショップがこんなに売れると思っていないというのがあり、のんびりした感じで生産が間に合っていなかったが、2年目になると、売れることやおいしいという声に作業所の人たちも喜び、そういうことで頑張れる環境になっている」と岩森さん。「3年目に向けて、こんなにもいい商品がたくさんあるということを、もっといろんな人に知ってもらえるよう広げていきたい」(同)とも。 営業時間は、平日=8時〜20時、土曜・日曜・祝日=10時〜19時。イベント期間中は全商品を1割引で販売し、クリスマス限定のお菓子の詰め合わせも扱う。今月5日まで。(札幌経済新聞) |




