真弓 Tighers ’11

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   阪神・真弓明信監督(58)はクライマックスシリーズ(CS)出場を逃せば解任されることが決まった。他球団もうらやむ戦力補強をしながら3年間、一度も優勝できなかった真弓虎。サンケイスポーツでは、5回に渡って検証する。
    甲子園にほぼ毎試合、足を運ぶ坂井オーナーがため息まじりに引き揚げ、短いコメントを報道陣に残す。今季はこれが虎番のルーチン取材になった。本社業務で多忙な身だが、なんとか都合をつけて戦況を見守ってきた。チームの浮上を祈り、ネット裏から目を凝らしたが、今季は勝負どころで全くといっていいほど勝てなかった。
 関係者によると坂井オーナーが「今年はこんな試合ばっかりやなあ。試合を見るのがしんどい」と漏らした試合がある。8月4日の巨人戦(東京D)。3連戦の初戦は能見の好投で快勝し、5割に復帰した。首位ヤクルトとは7・5差あったが、チーム状況は上向き。次のカードで直接対決を控え、追撃ムードが高まる中、2戦目は好投のスタンリッジに代え、不調の小林宏を投入し、同点弾。そして球児でサヨナラ負けを喫した。
 1勝1敗で迎えた3戦目は岩田が好投しながら、見せ場なく、完封負け。弾みのつきそうな勝ち方で初戦を取りながら、連敗で借金「2」に逆戻り。出先から帰りの車中、ラジオで敗戦を知り、オーナーは肩を落としたという。
 この試合に限らず、ファンの期待を裏切る淡泊な試合ぶりを見せ、そして不可解なさい配連発。球団と真弓監督、そして選手との溝が決定的になったのは首位・ヤクルトと4ゲーム差で乗り込んだ9月9日からの3連戦だった。
 先発・久保の周りに内野手が集まり、久保投手コーチが、その輪に近づいた。カクテル光線に照らされた、神宮のマウンド。そこに今年の阪神を象徴する、不穏なムードが漂っていた。
 初戦を落とし、迎えた2戦目だった。1−3の四回二死二、三塁。打席は1番・青木。敬遠で2番・田中浩との勝負も想定される中、久保投手コーチが伝えたのは、小嶋への交代だった。しかも打順の絡みがあったといえ、捕手も藤井彰から、この時点でまだ経験が浅い小宮山へスイッチされた。
 「捨てたんですか? この試合?」
 ある主力野手の声に、セキを切ったように他の野手も続いた。マウンド上での異例の“詰問”。しかしコーチは説明もせず、黙ったままだ。そして久保は白球を高く放り上げ、ベンチへ帰っていった。昨年は14勝(5敗)でチーム勝ち頭。選手の言い分をすべて聞くべきとは言わないが、ひと言ぐらいあってもよかった。
 直後に三塁・新井が適時失策。二塁・平野も、捕れそうな打球をそらし(中前打)2失点。五回も鳥谷が遊飛を落とすと、平野がファンブルで併殺を奪えず、1点。勝負どころで醜態をさらし、神宮のファンから罵声が飛んだ。
 かねてから球団首脳は「続投できない場合はかばい切れない状況になったときだけ」と明言していた。神宮で見せたあまりにも情けない3連敗の後、ファンの反発が強まった。来季続投を規定路線としながらも、決定事項にできない。試合が進むごと、坂井オーナーも南社長も真弓監督をまさにかばい切れない状況になっていった。
(続く)

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