真弓 Tighers ’11

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     2011年4月15日の中日戦(ナゴヤD)。八回二死一塁で代打で登場した金本だが、一走・俊介が盗塁失敗し、打席を完了できず。その後も守備につくことはなく、連続出場記録は1766試合で止まった。
 「(意外な形で記録が途絶えたことに)全然、笑えたくらい。『無理して試合に出すのはやめてください』と、監督には言っていたから」
 試合後の金本は、そう笑い飛ばし、チームの勝利を喜んだ。ただ、前年のフルイニング出場世界記録は、本人の申し出で止まったもの。そして連続試合は、思わぬ若手の“暴走”によるもの。結局は首脳陣が、決断を下すことはなかった。
 09年の春季キャンプ。サンケイスポーツ評論家の板東英二氏と対談を行った新指揮官は、継続中の金本の偉大な記録について「そのとき(止まるとき)は僕が決断します」と話していた。自身の仕事は、過渡期を迎えているチームの若返りだと自認。そして実際、3年間で若手を多く登用した。ただ金本に関していえば、スムーズな記録の“幕引き”をさせたとはいえない。03年、05年の優勝の大立役者であり、球史に残るスラッガー。そんな功労者を昨年の右肩の故障以来、ファンや周囲から厳しいバッシングを受けさせる形にしてしまった。
 同時に、これまで星野、岡田政権下で、グラウンド内外での絶対的なナインの主柱だった金本に代わる“後継者”の不在が浮き彫りとなった。
    真弓監督就任1年目を終えた09年のオフ。ナインのまとめ役だった選手会長・赤星氏の引退などを引き金に、フロント、監督と選手との間に“溝”が出来たとき、選手側の中心は金本だった。10年の春季キャンプの前日には、全体ミーティング前に一部の主力選手だけの“決起集会”も行われたほどだ。とにかく選手の力だけでがんばる−。明らかに、この頃からチーム内で選手の“発言力”が高まり、外部から見れば少し不自然に映る状態となっていった。
 しかし、その数カ月後に金本が故障し、ぼろぼろの状態となって、連続フルイニング出場が止まった。さらに、首脳陣の配慮のような形で、連続試合出場が継続された。金本の強烈な求心力も当然、自然と失われることになる。首脳陣、選手との間に結束が生まれない一方で、選手同士の結束の中心も、不在という状況。双方にまとめ役を欠いたチームは、大きくバランスを失ったまま、強く一枚岩になることなく3年目が終わった。
 選手会長の鳥谷は、言葉でリーダーシップを発揮するタイプではない。就任以来、選手による臨時的な決起集会なども開催されていない。絶対的な存在だった金本。その間に入ってうまくナインをまとめ、球団とチームとの橋渡しもこなしていた赤星氏。チームをまとめられなかった首脳陣はもちろん、彼ら2人を埋める存在が最後まで出なかったことが、昨年の失速、今季の低迷と、乗れないチームを作ってしまったのではないか。
 球団は「金本は球界の宝」と話し、年俸の査定は厳しくとも現役は本人の意志に任せている。ただ、いつまでも金本頼みではいられない。チームリーダーとなる選手の出現、そしてもちろん新監督に求められるのも、強いリーダーシップ。ここ2年の不自然なバランスを解消させなければ、“何となく勝てない”体質を、抜本的には変えられない。
(続く)

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