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コメ燃料入り「グリーンガソリン」新潟で販売
 YOMIURI ONLINE 2009年7月17日

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は17日、コメから作ったバイオエタノールをガソリンに混ぜた「グリーンガソリン」の販売を新潟県内で始めた。
 コメ燃料の実用化は「世界でも例がない」(農林水産省)といい、休耕田の活性化を図る狙いもある。
 新潟県内のJA直営ガソリンスタンド19か所で販売されている。新潟市江南区のジャスポート亀田SSで行われた記念給油式には、近藤基彦農水副大臣、泉田裕彦知事らが出席。近藤副大臣は「今後もあらゆるバイオマスのエネルギー利用に取り組んでいきたい」と語った。
 原料の飼料米「北陸193」は県内JAに栽培を委託し、約300ヘクタールの休耕田などで年間約2250トンが生産される。新潟市北区の工場でエタノールに加工し、年間3万3000キロ・リットルの「グリーンガソリン」を販売する計画。

  イネ原料バイオエタノール地域協議会  全農



> コメ燃料の実用化は「世界でも例がない」
 ...そりゃ、世界でも例などないでしょう。
 トウモロコシ・エタノールでさえも採算割れしているんですからね。 コメだとさらにコスト・エネルギーがかかる。
 そんなモノから燃料を製造する などという愚かしいコトをする者は他にいなかった。 ...ってだけしょう。

> 畑作物への転換が困難な地域の水田の有効活用をはかる。
 水田を畑作物に利用する というノウハウは、
 実は古くから確立していて、さらには新技術によってリファインもされています。

> 原料となるイネは新潟で生産された非主食用品種で食料と競合しません。
 ...『エコロジカルフットプリント』という概念が判っていないのか、それとも詭弁なのか、
 食糧を栽培しうる農地で、燃料作物を栽培しているわけですよね。 完全に『食料と競合』していますが?



現在、様々な『温暖化対策』が進められていますが、
残念ながら、それら中には温暖化抑制効果の期待できないモノもあるのです。
アグロ燃料などは、
さしずめ、『エネルギー安全保障』『燃料屋・農業者の収益増』という利権絡みのビジネスに、
『エコ』『グリーン』というコロモを被せたものと云うべきでしょう。
〜註釈〜
『バイオ燃料』と一口に云っても、原料・生成法・用途は様々です。 不可食部や廃棄バイオマスなどを原料とする、食糧とは競合しない燃料も検討・研究されています。 それらに対して、農作物を原料とする(つまり燃料作物の栽培が食糧と競合する)燃料を、特に『アグロ燃料』と称する場合があります。 残念ながら、現状においては、商業生産されているバイオ燃料の殆んどはアグロ燃料に該当するモノなんですけどね。
 

温暖化の進行に加えて、水資源の枯渇などにもよって、穀物は世界的な減産傾向にあり、
現状維持ならまだしも、これを増産させるという事は、究極的には自然破壊の増大 という結果をもたらします。

燃料作物栽培による『CO2吸収』と、
農業生産拡大による『CO2吸収源の収奪』と、『土壌蓄積CO2の放出』と、
両要素を吟味すれば、
アグロ燃料は CO2の削減にすらなっていない。 とする研究者も多いのです。


 〜余談〜
 エタノールは温暖化防止には貢献しない technobahn
 ( ↑ CO2を減らしても N2Oを増やしちゃったら意味無い。 ...という話 )
 草原植物は最適なバイオ燃料原料 NEDO
 ( ↑ 農作物よりも雑草の方がエネルギーとして有望。 ...という話 )

アグロ燃料の推進は、
各分野で地道に積み重ねられている、温室効果ガス削減の努力とその成果を、
いともたやすく吹飛ばしうるだけの破壊力を具えているのです。

さらに、
水資源の問題、生態系全体のダメージ、などまでを考慮に入れれば、
とてもとても『エコ』だなどとはいえないでしょう。


日本において、
米の需要が減っている、耕作地が余っている、...と言っても、
麦でも大豆でも 需要を輸入に頼っている作物はいくらでもあります。

日本の農業が、食糧を栽培しうる農地で燃料を栽培する。
 ↓
その代償として、減らすことができたハズの食糧輸入を増やさなければならない。
 ↓
日本人の目の届かない地域での自然へのダメージを増すことに繋がる。

...という道理にはならないでしょうか。

日本の農業が温暖化抑制のためにできる最善の貢献は、
自給率を上げることによって、海外における日本向け食糧需要を減らすことです。

目先のCO2削減だけではなく、地球全体の環境を考慮することが求められます。

 バイオ燃料生産の LCA と費用対効果 久保田 宏 ( 東京工業大学 )



そもそも、
穀物というものは、作物全体の僅か10%に過ぎない貴重な部位です。
クルマに飲ませる燃料を、バイオマスから得なければならない。というなら、
残りの90%の部位をその原料にすべきです。
( 一例 : セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術


百歩譲って、
アグロ燃料を認めるとしても、
より燃料に適した作物は他にいくらでもあるにも関わらず、
何故に、カーボンコストが特に高い部類の作物に属するコメなのか?
という疑問は依然として残ります。



日本の農水省は、
『減反』という、世界に類を見ない食糧自給率削減政策を進めてきました。
そして、現在、
アグロ燃料に手を初める一方で、海外での耕作権を確保しようとする動きに出ています。
他国の農地を買漁る前に、自国での自給率を向上すべきでしょう。



> このガソリンは地域と環境をはぐくむエネルギーです。
...この事業、「 環境をはぐくむ 」などとはとても云えないモノだと考えます。
ただ、
採算がとれて利益が出るなら、「 地域をはぐくむ 」ことにはなるのかも知れません。
とはいえ、
現実にはトウモロコシ・エタノールですら採算割れしているんです。
いかな多収穫イネといっても、コメから燃料を作って利益が出るとは信じ難いモノです。
税金を費やして、金にもならず環境保護にも自給率改善にもならない事業をやっているとすると、
それは一体何の為なんでしょうか?

『農業振興』というなら、
「 食物の栽培に携わることが正当な稼ぎになる。」
そのための農業・流通・商業の枠組みを構築する。
それこそ本当の意味での農業振興でしょう。



 〜関連記事〜
 コメ余りによる米価下落を防ぐ生産調整(減反)政策は、今後、どうするのが望ましいと考えますか?
  Yahoo!みんなの政治





 

閉じる コメント(9)

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深くうなずくことの多い良い記事の仕上がり♪

もっと大きな声で発言すれば、もっと多くの人に届くのかと・・。♪

2009/7/31(金) 午前 6:04 ecodeoyasai

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お褒めにあずかり、恐縮です。

2009/7/31(金) 午後 9:20 [ 平山 滋 ]

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わたしみたいなバカで新し物好きなだけのボウヤは、バイオ燃料でco2が減るんだと思ってましたけど、420倍も増えるなんて恐ろしいことです。
傑作ポチです。

2009/8/3(月) 午前 11:05 [ tue*ue_**ano ]

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人間の儲けに対する欲望を使った温暖化対策であるエコビジネスも、使い方を間違えると、逆な方向に走ってしまう代表例が「バイオ燃で料」ですね。
アメリカ中部の大穀倉地帯を支える「化石水」もそろそろ枯渇の時期です。アメリカも余力は無くなってくるでしょう・・。

2009/8/3(月) 午後 2:57 エコバカ

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田んぼを麦畑や大豆畑に転用するケースですが
減反という性格上(田んぼの一部を減反し、転用)
転用した畑の水が抜き切れなかったり、水が入ってしまうことから盛り土する必要のある土地もあるようです・・・・・。
土地改良してしまったら田んぼに戻すのはかなり無理があるし・・・。
(まずは食料備蓄を数ヶ月という単位ではなくて、最低でも2,3年分まで増やすべきかと(保管冷蔵倉庫の維持管理費については、適度な深さにある炭鉱跡地の穴を上手く利用or雪むろを利用するのも良)
相場がさらに下がるからそんなことできるわけないだろうてな考えが普通ですが
普通ではない今後の天候不順を想定して少し柔軟な発想になって欲しいと思う次第です。

2009/8/3(月) 午後 4:28 [ 通りすがり ]

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通りすがりさま

あえて辛辣なことを云わせていただくと、
クルマに飲ませて処分しよう というほどにコメが余っている状態で、
「コメしか作りたくない、田は残したい。」というのは、
市場原理からすれば有り得べからざることだと考えます。

ちなみに、
田でコメしか栽培しなくなったのは比較的最近で、
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/kaidai/sakutuke/9-1_h.html
昔は、稲の裏作として麦や野菜などを田に植えるのが一般的だった様です。

問題となっている新潟は、
上掲リンク中の「イネ単作」地帯に該当するものとは思いますが、
これは『二毛作』不適ということであって、『転作』不適の理由としては不十分かと思います。

また、
転作が容易な田に転作を割り振り、転作の困難な田では米を作る。
といった方策も考えられます。
( 地域全体を経営主体として統合する必要がありそうですが )

それらの経営変革に加えて、
価格政策・流通政策へも変革が求められます。

2009/8/3(月) 午後 10:06 [ 平山 滋 ]

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(続き)

エコで御野菜さま がTBされている記事で提唱されている様に、
ムギ需要の一部をコメに肩代わりさせる。といった事も検討されてしかるべきでしょう。

食糧自給率の向上は、
エコロジーのみならず、安全保障の面からみても重要な課題かと考えます。

エコがブームだから燃料にしよう。
というのは、あまりに安易に思えます。


通りすがりさま の言われる備蓄量の増加も重要なことと思います。
ゆくゆくは古々米になる備蓄米の有効利用も課題となるでしょう。

2009/8/3(月) 午後 10:15 [ 平山 滋 ]

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tue*ue_**anoさま
> 420倍
というのは国環研の記事ですね。 いずれにせよリスクは高いということですね。

以前は私も、バイオ燃料で地球が救われる と本気で信じてましたけど。


エコバカさま
USAの農業が枯渇するときのことを考えたら、空恐ろしいです。
そもそも、あの地域で農業をするのがムチャなのだったのですけど...

2009/8/3(月) 午後 11:01 [ 平山 滋 ]

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>税金を費やして、金にもならず環境保護にも自給率改善にもならない事業をやっているとすると、それは一体何の為なんでしょうか?

それは営農保障でしょうよ。JAの自己満足。

2009/9/16(水) 午後 5:25 [ keisuke@nm ]

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