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温暖化 自然

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地球温暖化の問題は、大気の均衡が破壊されつつあることを意味しているが、全ての人々が疑いもなく、その事実を認めるようになるまで放置しておくと、取り返しのつかない面をもっている。 温室効果ガスの大気中での蓄積は、いわば非可逆的であり、地球を使って実験ができるという性質のものではない。
  〜 宇沢弘文 「地球温暖化の経済学」より 〜

「もうカナリアは死んでしまった。炭坑から逃げ出すときだ。」
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http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/011800019/
豪政府がグレート・バリア・リーフの保全策を急募
2億円弱の予算を用意、世界の科学者や起業家らに呼びかけ
 National Geographic 2018.01.19

オーストラリアのグレート・バリア・リーフでは、サンゴの大規模な死滅が問題となっている。(PHOTOGRAPH BY DAVID DOUBILET, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) [画像]

 グレート・バリア・リーフが死に瀕しているのは周知の事実だ。気候変動による海水温の上昇で、サンゴは息絶えつつある。この危機に終止符を打つべく、オーストラリアが対策に乗り出した。(参考記事:「【動画】白化するサンゴの断末魔、原因は温暖化」)

 1月16日、オーストラリア政府は160万米ドル(200万豪ドル)規模の構想を発表。全長2200キロの豊かなサンゴ礁を取り戻すため、プロジェクトの立案を科学者たちに呼びかけた。2018年2月上旬に国際コンペの説明会を開き、3月6日に受け付けを終了する予定だ。

「解決策はどこからでも」

 技術革新を促進するクイーンズランド州政府の事業「アドバンス・クイーンズランド」が発表した概要によると、科学者、産業界のリーダー、イノベーター、起業家らから、人間の活動で被害を受けたサンゴ礁をよみがえらせる計画を募集している。これは観光事業者、沿岸の自治体、地元の水産業者と連携した事業になる。(応募要項はこちら(※英語の外部サイトです)

 コンペで選ばれた案については、まず20万ドル近い資金を使って、最長で6カ月かけてその実現可能性が試される。その中で有効とされたものについては、約80万ドルの支援を追加で受け、最長12カ月にわたって計画を練り上げることになる。

「スケールの大きな問題であり、大局的な考え方が必要です。しかし、解決策はどこからでも生まれうることを忘れてはなりません」と、オーストラリアのジョシュ・フライデンバーグ環境相はAFP通信に語っている。

 海水温の上昇によって起きている深刻な問題の1つは、急速なサンゴの白化だ。ストレスにさらされたサンゴが、生きるのに欠かせない色鮮やかな共生藻を排出する現象である。こうして脆弱で栄養不足になったサンゴ礁はほかの種を支えられず、サンゴを土台にした海の生態系が死に絶えてしまう。(参考記事:「温暖化でウミガメの99%がメスに、オーストラリア」)

 2016年と17年の夏には、グレート・バリア・リーフのあちこちで大規模な白化が発生した。世界中の海洋底のうち、サンゴ礁が占める割合はわずか0.1%しかないが、全ての海洋生物の25%以上にすみかを提供しており、さまざまな種がひしめき合っている。

 だが、海洋生物のすみかであるサンゴ礁が失われる要因は気候変動だけではない。農地からの栄養豊富な排水や、開発に伴う工業用化学物質も海水中に漏れ出て、サンゴに被害を与えている。加えて、温室効果ガスが大気中に増えると、二酸化炭素が海に溶け込み、海水のpH値を下げる(つまり、酸性度が増す)。そうなると、魚をはじめ、カメ、カニ、その他の無脊椎動物などサンゴ礁の生きものにとって、生息に適した環境ではなくなってしまう。また、南の一帯では、サンゴを食べるオニヒトデの増加も脅威となっている。

 ハワイ大学教授でサンゴの専門家であるロバート・リッチモンド氏は、2017年4月、ナショナル ジオグラフィックの取材に対し「サンゴは復活力のある生物です」と語った。「ただし、よみがえるチャンスを与えられればの話です。サンゴへの打撃は全く止んでおらず、問題の深刻さは時と共に増すばかりです」

持続可能な解決策は

 グレート・バリア・リーフのようなユネスコ世界遺産の保全は記念碑的な大きな取り組みだ。ここ数年で出された案には、海に浮かぶ日よけを設置し、白化の促進要因である強い日光からサンゴを守るというものや、深海から冷たい水をくみ上げ、弱っているサンゴを冷やすというものがある。最近では、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授で海洋生態学者のジョン・ブルーノ氏が米ワシントンポスト紙に意見記事を寄せ、サンゴ保全策をいくつか提示している。(参考記事:特集「壊れゆくサンゴの王国グレート・バリア・リーフ」)

 ブルーノ氏は、サンゴの死滅を食い止める策の1つとして、汚水や土砂といった局所的な脅威への対応を挙げている。サンゴは海水温の上昇で大きな打撃を受けるものの、サンゴの生態系の近辺で船の錨を降ろしたり、人がサンゴ礁の上に立ったりするなど、人間からじかに傷つけられることもある。

 生まれたばかりのサンゴを実験室で育て、既存のサンゴ礁への移植を目指す研究も進んでいる。だがブルーノ氏は、この方法は費用がかさみ、資金が足りない上、小さな範囲でしか効果がないと指摘する。この案では、育てられたサンゴは結局のところ酸性度も温度も高い、全体的に有害な環境に育てたサンゴが移されることになり、海水の毒性が高まり続けているという問題の対策になりはしない。(参考記事:「温暖化で「窒息」する海が世界的に拡大、深海でも」)

 このほか、クリスパー(CRISPR)などの遺伝子編集技術を活用してサンゴのDNAを変化させ、高温への耐性を高めるという方法に期待をかける研究者もいる。しかし、ブルーノ氏はこのアプローチに懐疑的だ。海水温の上昇は、サンゴの生息地に間接的にもさまざまな影響を与えるため、サンゴだけを復活させても、生息地全体を守ることには必ずしもならないと考えられる。(参考記事:特集「生命を自在に変えるDNA革命」)

「1つの特徴だけを最適化すると、全体としては負担になってしまうのが常です」とブルーノ氏は記している。「温暖化に耐えられるサンゴを作り出すと、別の条件に対してはもろくなったり、自然環境で生き延びにくくなったりする可能性があります」

 サンゴを回復させる昔ながらの案の1つは漁業制限だ。サンゴ礁での乱獲は生態系を弱め、損傷の影響がよりひどくなる場合がある。食物網が自然の状態に近いほど、人間からの影響を受けても元に戻りやすい。しかしブルーノ氏によると、禁漁の効果が明らかなサンゴ礁はまだないという。(参考記事:「46カ国でサンゴ礁の大調査、意外な傾向が判明」)

 ブルーノ氏は、意見記事をこう締めくくっている。「この危機を終わらせられるかは、唯一、炭素の排出を大幅に減らせるかどうかにかかっている」

 文=Elaina Zachos/訳=高野夏美



https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25145160X21C17A2000000
公海に大規模な海洋保護区を 国連が初の国際条約作り
 National Geographic|NIKKEI STYLE 2018/1/13

画像: 自然保護論者が望む形で、新しい国際条約が締結されれば、海洋生物は救われるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 世界の国々が2年にわたる歴史的な活動に取り組み始めた。公海の生きものを保護する世界で初めての国際条約を締結しようとしている。

 2017年12月24日、10年以上におよぶ議論の末に、ついに本格的な条約交渉を行うための政府間会議を招集する採決が国連でとられた。その結果、これから2年間にわたり、「海の憲法」とも呼ばれる「海洋法に関する国際連合条約」に基づいて、法的拘束力を持つ条約の詳細が協議される予定だ。

 この「海洋版パリ協定」により、公海の広範囲にわたる海洋保護区を設けることが可能になる。これはまさに海洋学者が長い間待ち望んでいたものだ。課題の一つは、たとえば、国際捕鯨委員会や国際海底機構といった既存の組織を阻害せずに公海を保護するにはどうすればよいか、ということである。

 地球の表面の約半分を占める公海は、どの国も管轄権を持たないみんなの水域だ。最も深いところでは、およそ水深11キロメートルにもおよぶ。広くて深い海域は、貴重な魚類からプランクトンに至るまでさまざまな生命で満たされている。公海はまた、私たちに欠かせない酸素の発生源であり、世界の気象も大きく左右している。

 「これは、持続可能な利用および海洋の保全を最優先した海洋統治を手にする数十年に一度の機会です」と、非営利団体ピュー・チャリタブル・トラスト(Pew Charitable Trust)の副理事リズ・カラン氏は語る。「私たちが吸う酸素があるのはみな、海のおかげだとも言われています」

 メキシコ政府とニュージーランド政府、そして140以上の政府支援団体が採決の内容を調整した。この条約は「公海を保護するための強いメッセージ」を送るものになるだろうと公海連盟(HSA) は述べている。

 願わくは、2020年半ばに世界各国が条約に調印できるようになっていること。この条約の実現に、世界各国が注目している、とカラン氏は言う。

画像:フタオビミナミヒメジ(Parupeneus insularis)のような魚が稚魚を育てるには保護区が必要だ、と保全学者はいう。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

■大規模漁業の大きな影響

 公海とは、国の海岸線から200海里までの排他的経済水域(EEZ)の外側を指す。つまり、公海で漁をする船は通常大型船に限られ、その多くが海底を損なう底引き網漁船だ。

 日本や韓国、スペインのような豊かな10カ国の船が、公海における漁獲量の71%を水揚げしている。彼らが自国の港からはるばる遠くまで漁をしにやってくる理由は、推定1億5000万ドル(約170億円)にのぼる助成金で経費が穴埋めされているからにすぎない、とカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学水産経済学研究ユニット所長ラシッド・スマイラ氏は話す。

 世界の年間総漁獲量は、不正な漁業によるものも含めると、2010年には約1億900万トンと推定される。これは、肉用牛約2億2000万頭分に匹敵する。米国の牛肉産業で消費される牛が年間3000万頭であることと比較すれば、その多さがわかるだろう。

 さらに、世界の総漁獲量は1990年代半ばから減少し続けている。1970年代、乱獲された漁場は世界の漁場の10分の1とされていたが、今では全体の3分の1まで広がっていると考えられている。しかし公海の保護が進めば、この傾向を覆せるかもしれない、とスマイラ氏は語る。

 公海における漁獲量は、世界の総漁獲量の1割以下だが、もし助成金がなくなれば、その漁獲量もぐっと減り、大型船に用いられる汚染度の高い燃料による害も大きく減るかもしれない。スマイラ氏が率いる研究によると、商業的漁業を公海から完全に閉め出すことができれば、公海は「魚の銀行」のような役割を果たし、沿岸の漁獲量を18%引き上げられるかもしれないという。排他的経済水域の内部で捕獲された魚の約70%が、一時的に公海へ回遊しているからだ。(参考記事:「10年で世界の魚の数を回復できる、研究報告」)

 「漁業活動を沿岸に制限することは、経済的にも環境的にも賢明な方策といえます」と、スマイラ氏は話す。

画像:ハナギンチャクは地中海にある浅い海中の洞窟に生息している。産業開発にもかかわらず、絶滅を免れた地中海産赤サンゴが棲む洞窟は、ハナギンチャクにとって最後の生息地だった。ダイビングがはやり始めたために、その洞窟でさえ減りつつある。(PHOTOGRAPH BY ENRIC SALA, NATIONAL GEOGRAHIC CREATIVE)

■温室効果ガスとの関連

 公海には当然、魚のほかにも多くの生きものが生息している。無数のプランクトンは魚などの餌になるだけではなく、温室効果ガスである二酸化炭素を取り込んでいる。化石燃料が排出する二酸化炭素の約半分が、海洋に吸収されている。もう半分は大気として残り、地球を温暖化させているわけだ。

 スマイラ氏の共同研究者である英オックスフォード大学のアレックス・ロジャーズ氏は、公海に生息する海洋生物は毎年15億トンにのぼる二酸化炭素を大気から吸収し、最終的には海底に積み上げていると推定している。米国政府省庁間の作業部会の情報によると、これは年間1480億ドル(約16兆円)の炭素除去費用に相当するという。ちなみに、世界の総漁獲高は年間1000億ドル(約11兆円)相当だ。

 「公海に大規模な海洋保護区を設けることは、世界中の人々にとって良いことです」と海洋保全ネットワーク「Ocean Unite」のリーダー、カレン・サック氏は語る。それはつまり、豊かな国が公海で捕獲する魚の量が減り、世界中の沿岸漁業者がより多くの魚を捕れるようになるということだ。この保護が可能になれば、海洋は酸性化や温暖化のような気候変動による影響から立ち直り、ひいては公海に吸収される二酸化炭素も増え続けるかもしれない。(参考記事:「パラオで魚が増加 海洋保護区の効果が実証」)

 「このような保護区を設けるには法的な整備が必要であり、今回の新しい海洋条約は、その必要に応えたものなのです」と、サック氏は述べる。

画像:繁殖のペースが遅いサメは、乱獲の影響をとりわけ受けやすい。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

 海底に存在する鉱物資源を採掘したり、医学や商業的な利益を産む未発見の種を発見したり、あるいは地球工学の技術を開発したりするなど、将来の課題を解決するためにも、公海の適切な管理は必要だとサック氏は主張する。「これは人類にとって最も意義のある協議の一つになるでしょう」(参考記事:「油田探査の爆発音 動物プランクトンに大量死の恐れ」)

 このような協議は当然、簡単ではない。しかし、海が困難な状況にあり、違法な漁業や人身売買などの不法行為が公海で横行しているという意見には、大半の国が賛同している。一方、遠からず持ち上がりそうなのは、次のような最大の難問だ。操業停止などによって影響を受ける人々はどのように乗り切ればよいのだろうか?

 スマイラ氏は言う。「魚と漁師には投資をしなければなりません。それが良い経済というものです」

 (文 Stephen Leahy、訳 潮裕子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

 [ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年12月27日付]









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http://www.afpbb.com/articles/-/3159101
2015〜17年、史上最も暑い3年間に 国連発表
 AFPBB News 2018年1月19日 発信地:ジュネーブ/スイス

 国連(UN)の世界気象機関(WMO)は18日、2015〜17年は観測史上最も暑い3年間だったと発表した。

 WMOは、米海洋大気局(NOAA)、米航空宇宙局(NASA)、英気象庁(Met Office)、欧州中期気象予報センター(ECMWF)、日本の気象庁(JMA)の主要5機関からのデータを統合した結果として、2017年の地球表面の平均気温は産業革命前と比べ1.1度高かったと発表した。

 17年の平均気温は16年の史上最高記録を破ることはなかったものの、エルニーニョ(El Nino)現象が起きなかった年としては15年をわずかに上回り史上最高を更新。WHOは「2015年、2016年、2017年は観測史上最も暖かい3年間だったことが確認された」と述べている。

 WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は「個別の年のランキングよりも気温の長期的傾向の方がはるかに重要であり、長期的に気温は上昇傾向にある」と述べた。21世紀の気温は観測史上最高水準となっており、年平均気温の上位18位のうち17が今世紀の年となっている。

 WMOはまた、気象・気候関連の災害が激化していると指摘した。昨年には米国で自然災害の被害が史上最悪規模に上ったほか、各国がサイクロンや洪水、干ばつに見舞われた。(c)AFP


http://www.bbc.com/japanese/42742395
2017年は「エルニーニョのない」最も暑い1年 NASAなど - BBCニュース 2018,1,19

気候に対する影響は、自然な変化よりも、人間活動の方が気候変動にはるかに大きい影響を与えるようになっていると、英米の政府機関による調査から明らかになった。

地球各地の気温を計測している米航空宇宙局(NASA)、米海洋大気庁(NOAA)、英気象庁は18日、2017年のデータを発表した。

それによると2017年は、エルニーニョ現象が発生しなかったにもかかわらず、発生した2016年に次ぎ、同じく発生した2015年並みの暑さだった。

エルニーニョは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が約1年にわたり続く現象のこと。この自然現象を要因として除くと、2017年は記録上、最も暑い1年だったことになるという。

Temperature chart

1900年以前の気温と毎年の平均気温の温度差(摂氏)。赤い点は、2017年にエルニーニョが発生していた場合の想定(出典:英気象庁)

英気象庁の長官代行、ピーター・ストット教授はBBCニュースに対して、「エルニーニョがないのに、2017年の気温がこれほど高かったのは、驚くべきことだ。むしろ、気温が下がるラニーニャの状態に入っているのに。大規模なエルニーニョが発生した1998年よりも、昨年の方が相当に気温が高かった」と話した。

「気候に対する自然の最大変動要因よりも、人間活動による影響、主に二酸化炭素排出の影響の方がはるかに大きくなっているのが、はっきりと分かる」

El Niño visualisationImage copyrightNOAA

エルニーニョで東太平洋の海面気温が上昇すると、世界全体の気温が上がる

NASAとNOAAと英気象庁はそれぞれ、世界の全大陸と全海洋の数千カ所で気温を計測している。2017年と2015年の地球の気温はほぼ同レベルだった。

NASAは2017年が2番目に暑い年だったと判断している。一方で、NOAAと英気象庁は1850年に観測を開始して以来、3番目に暑い年だったとしている。

英気象庁の地球気温データによると、2017年は「工業化以前」(1850年〜1900年の平均気温)よりも摂氏0.99度(誤差±0.1度)高かった。また、1981年〜2010年の平均気温よりも、 0.38度(誤差±0.1度) 高かった。

英気象庁は、2015年〜2016年にかけて発生したエルニーニョによって、2016年の平均気温は0.2度上昇したものの、2017年にはその影響はなくなっていたと判断している。

NASAはこれに加えて、エルニーニョとラニーニャが気温の長期的傾向に与える「でこぼこ」な影響をならした上でのデータ分析を行っており、それによると2017年は記録上、最も暑い年だったことになるという。

NASAゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット部長は、データのばらつきをならしたこの「理想のシナリオ」から、問題の核心が浮き彫りになると話す。「私たちが経験している暑さと、目にしている傾向は、太平洋の変動要因とは別個のものだ。毎年ごとの細かい変動は太平洋の現象に影響を受けるが、本当の意味で気温を上げているのは長期的な傾向だ」と、シュミット氏は指摘する。

Smoothing out effects of El Niño/La NiñaImage copyrightNASA
https://ichef-1.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/11251/production/_99652207_2.pngエルニーニョの影響で突出して上がり、ラニーニャで突出して下がった毎年の気温をならすと赤線になる。灰色の帯は、気温上昇に抑制効果のある大規模な火山爆発(NASA提供)

国連の世界気象機関(WMO)のペッテリ・ターラス事務局長は、個々の年の順位よりも、長期的な気温の傾向のほうがはるかに重要だと話す。

「気温は上昇傾向にある。記録上最も暑かった18の年はいずれも、今世紀に入ってからだ。さらに、過去3年間の上昇の程度は、前例がない。極地の気温上昇は特に顕著で、これは海水面や世界各地の気象パターンに甚大で長期的な影響をもたらす」

英イーストアングリア大学のティム・オズボーン教授は、地球上のどこで気温上昇が最も速く進行するか、気象モデルで正確な予測が可能だと話す。

「地上と極地で気温上昇が進んでいる。亜寒帯の海では、それほど暖かくなっていない。気象物理学から予測できる変化で、実際に観測もされている」

世界各地の観測所では地球全体のデータを取りきれていないが、それによる不確定要素は計算に取り込まれていると教授は説明する。

Texas, Hurricane HarveyImage copyrightGETTY IMAGES

ハリケーン・ハービーで冠水したテキサス州南部。昨年は超大型ハリケーンが多発するなど、極端な気象現象が相次いだとNOAAは言う

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム気候変動・環境研究所のボブ・ワード広報部長は、NASAなどの発表について、「貧富を問わず世界中の人が気候変動という、大規模で喫緊の課題に直面しているのだと、今回の記録的な気温のデータを見て、トランプ米大統領を含めて各国首脳はあらためて、この問題に意識を向けるべきだ」と話した。

今回の発表に先駆けて英科学誌ネイチャーに発表された論文は、気候変動の取り組みは緊急課題だが、2100年までに地球の気温が6度上昇するという終末論的な予測は実現しないだろうと結論している。

英レディング大学のリチャード・アラン教授は、「気温上昇はたいしたことがないとか、逆に壊滅的だとか、色々な意見がある。気温上昇による社会への影響は確かに危険だが、まだ対応するための時間はある」と指摘。「人為的な気候変動は深刻な問題だが、今から対策を取り、温室効果ガスを大々的かつ持続的に削減すれば、コンピューターシミュレーションが予測する特に危険な影響のほとんどは避けられる」。

NASA、NOAA、英気象庁の「ビッグスリー」以外の機関も地球の気温変化を観測しているが、いずれもほぼ同じ内容だ。欧州中期気象予報センター(ECMWF)も今月4日、2017年が記録上最も暑い年だったと発表している。

 (英語記事 2017 'warmest year without El Niño')



 〜関連エントリ〜




カテゴリ : 《気候変動解析》 ***

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http://biz-journal.jp/2018/01/post_22025.html
気温32度以上の日が増加すると新生児の生涯賃金が低下する?
 Business Journal 中西貴之「化学に恋するアピシウス」 2018.01.17 

文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー

 2017年12月23日、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が気候変動観測衛星「しきさい」の打ち上げに成功しました。しきさいは、JAXAが推進する地球環境変動観測ミッション(GCOM:Global Change Observation Mission)に必要な情報を収集する人工衛星です。

 GCOMでは、10〜15年の長期にわたって地球全体の降水量や気温、植物の生育など気候の変動と密接に関係する情報を人工衛星を利用して観測し、地球規模の気候変動や食料資源量の将来予測などを行います。

 しきさいは5年以上の安定した観測を行うために、電源系統や制御系統を2系統化することによって、1系統に故障が発生しても衛星の性能に影響を与えないような設計になっています。同様の役目を担う衛星は、すでに水循環変動観測衛星「しずく」が運用されており、さらに4基の打ち上げが計画されています。

 これらの衛星から得たデータは、国内研究機関による解析のほか全世界の研究者に提供され、国際的な地球観測計画である全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画でも活用されます。

 しきさいの全長は4.7m、質量は約2tです。少し背の高いタクシーほどの大きさの本体には太陽電池パネルが左右対称に1対搭載されており、太陽電池パネルを展開したときの全幅は16.5mになります。

 軌道は、北極と南極を通過して地球を縦割りにする極軌道を高度800kmで周回します。搭載している観測装置は「可視〜熱赤外多波長光学イメージャ(SGLI)」で、紫外線から可視光線を含め赤外線領域までの広い波長域で撮影が可能なデジカメのようなセンサーです。

 地上解像度は250m〜1kmで、地球上の同一地点を2〜3日ごとに観測します。太陽エネルギーを反射したり吸収したりする、ちりや雲、二酸化炭素を吸収する植物や海洋プランクトンなどの分布に関するデータの収集を行います。また、地球の熱の出入りを予測して、将来の気温の変動を予測したり気候変動による生態系の変化を観測したりすることによって、将来の気候が食糧供給や私たちの生活にどのような影響を与えるかを予測します。

地球温暖化が生涯賃金にまで影響?

 2016年は世界平均気温が過去最高値を更新し、特にアジアでは異常高温の影響でインドで580人の死者が出るなど、日本も含め各国で死者が続出しました。さらに、アラスカでは海水温の上昇により有毒藻が大量発生したり、永久凍土が溶けて地中の温暖化ガスが大量放出されたりするなど、これまで私たちが経験したことのない異変が地球に起き始めています。

 それらの原因が人為的なものであることがアメリカ気象学会で報告され、「人類が地球環境に配慮した活動をしなければ、異常気象はさらに増大する」と警告されています。

 また、スタンフォード大学が「米国科学アカデミー紀要」に発表した報告では、地球の平均気温が上昇し猛暑日が増えることは、アメリカ人新生児の生涯賃金にまで悪影響を及ぼすことが指摘されています。

 統計的には、受胎から1歳までの間に気温が32度以上となる日が1日あるごとに、30歳における平均所得が0.1%減少すると算出されました。気温と収入の科学的な因果関係については触れられていないものの、異常高温による学習・労働意欲や作業効率の低下、健康上の問題の発生などが間接的な原因となり、収入に影響を及ぼす可能性は容易に想像できます。
 前述の多数の死者が出たインドでは、気候変動によって大規模な干ばつが発生し、所得を失った農場主が暴動や自殺に至っているという事実もあります。

 農作物への影響については、日本の農研機構が農業のIT化や耐気候変動遺伝子組み換え作物の普及も盛り込んだ最新のデータに基づき、トウモロコシとダイズは今世紀末までの気温上昇が1.8度未満でも、また、コメとコムギは気温上昇が3.2度を超えると収量増加が停滞し始めることを発表しました。

 地球の人口は増大を続けており、この結果は、気候変動に対してなんらかの対策を講じなければ、多くの人が飢えに苦しむ時代がまもなく来るかもしれないことを示しています。

 すでに、私たちがなんとなく「最近、天気がおかしいな」と感じているように、気候変動は実際に進行中であり、さらにそれは人類の将来がどのようになるかを決定する最重要因子と考えられています。
 そんな時代において、気候変動観測衛星しきさいは、子孫に美しいままの地球を残すには私たちがどう振る舞えばいいか、そのヒントを教えてくれる重要なデータをもたらすものとして期待されています。

(文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー)

【参考資料】
「気候変動観測衛星『しきさい』(GCOM-C)」(JAXA)
「Explaining Extreme Events from a Climate Perspective」(アメリカ気象学会)
「温暖化の進行で世界の穀物収量の伸びは鈍化する」(農研機構)




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https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/12324
[保全] 武力衝突の犠牲になる野生生物
 Nature Research 2018年1月11日

Conservation: Wildlife as a casualty of war

野生生物に対する武力衝突の影響が定量化され、その結果を報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、保全の政策と実践の両面に重要な意味を持つことが明白であり、紛争地帯で保全活動を維持し、停戦後に素早く介入することが、危機に瀕した野生生物集団と野生生物種の保護に役立つ可能性のあることが示唆されている。

野生生物集団に対する武力衝突の影響については議論がある。今回、Joshua DaskinとRobert Pringleは、アフリカ全土の保護区に生息する大型草食動物(253集団)に対する武力衝突の影響を調べた。今回の研究では、1946〜2010年に収集されたデータが用いられ、ゾウ、カバ、レッサークーズーやその他の象徴的な絶滅危惧種に関するデータも含まれている。この期間中、アフリカの公園の70%以上が武力衝突の影響を受けており、野生生物の個体数動向を予測する上で、武力衝突の発生頻度が最も重要な因子であった。武力衝突の発生頻度が高まると、個体群成長率は鈍化した。

紛争地帯の生態学的データは非常に少なく、野生生物に対する武力衝突の影響に関する研究を確実に行うことは難しい。今回の研究は、この影響を大陸規模で数十年間にわたって定量的に分析した初めての研究となった。この期間中にも個体群崩壊は起こったが、発生頻度は低かった。このことは、武力衝突で荒廃した地域に生息する動物集団の回復が頻繁に起こりうることを示している。

 DOI:10.1038/nature25194 | 英語の原文 https://www.nature.com/articles/nature25194




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