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その31
若者は、竜馬がゆく を 社会人は 坂の上の雲 を読むべきだ と思いますが、同じように考える
人は少なくないでしょう。 歴史を学びつつ考えながら読み、かつ感動する名作です。
とくに坂の上の雲は、明治の日本が世界の強国へと駆け上がってよく様子(世界情勢も含めて)を
作者 司馬遼太郎の素晴らしい筆力で描き、日本人必読の一冊と言っても良いでしょう。
最近、ネットでNHKのドラマ坂の上の雲 を見ていますが、予算のかけ方も含めて感動しています。
しかし、当然ですが、これは歴史の事実を基にした小説です。
あまりの感動に登場人物の設定や会話までが、現実と錯覚するほどです。司馬遼太郎のすごさです。
一番知られている疑問は、乃木希典は愚将、無能であったか、旅順の攻略の過ちなどでしょう。
小説ながらあまりにも影響力が多いので、司馬遼太郎の歴史観(司馬史観)に対する批判もあります。
司馬が、第二次世界大戦前の政府や軍に対して批判的であったことは周知らしく、また乃木の参謀の
伊地知幸介に好意を抱いていない(ついでに関ヶ原の藤堂高虎にも・・)ことにも気がつきます。
ですが、あくまでも小説ですからそれを忘れずに読み、疑問を抱いた人は、司馬史観に対する
批判本も読み、自分で考えれば一層、知識や歴史に対する認識が高まるので、結果オーライです。
小説ですから、児玉と乃木の能力の差、二人の友情なども想像も交えて描くことは必然です。
重要な登場人物で、好意的な存在の東郷平八郎も、晩年は祭り上げられて、軍縮に大反対したために
軍の暴走、戦争の助長につながったことは否定できないでしょう。司馬はどう考えていたのか・・・?
ついでながら、秋山真之と子規の妹 律 との関係も小説の重要な点(ドラマの菅野美穂の演技は
素晴らしく涙が出ます・・)ですが、これも作者の完全な創作でしょう。
昨年、松山市の正岡子規記念館を訪れて気がつきました。小説 坂の上の雲の影響がまったくなく、
史実に基づいて子規の生涯、業績をたどった素晴らしい内容だったのです。
「夏目漱石は子規にとって親友だったが、秋山真之は、交流が続いた幼馴染なのか」と感じました。
松山市は、坂の上の雲 の街(そのミュージアムもあります)で、それを望む人も多いでしょうが、
正岡子規記念館は、それに媚びない内容だと、変な感動をしました。事実は事実。小説は小説です。
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おっしゃるとおり フィクションの部分が多いでしょうね。
でも、明治と言う時代の エネルギーと、日露戦争によって、軍国主義へとなびいていく発端を理解するには、よい小説ですね。
NHKは、いい俳優を得て、いい舞台で、いい芝居を見せてくれましたね。
2016/2/27(土) 午後 1:25