臆崖道の山日記

何かこのブログも閉鎖されるみたいですねw

北アルプス

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北アルプスの山行記録です
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突き抜けて笠!(6)

以前からには登りたいと思っていた。何故惹かれたのか、明確な理由はないけれども、一言で表現できないぐらいに素晴らしい内容のある山というのがホンネか。
深田百名山のひとつだそうだが、そんなことは私にとってはどうでもいいことだ。そんな薄っぺらな称号よりも、
●どこから見てもそれとわかる美しく、そして大きな山容
●豊富な積雪・残雪量
●それに伴った厳しい気候、特に厳冬期登攀の難しさ
●山スキー(できないけど)としても魅力的な対象であること
●高山植物が豊富であること
●沢登りの対象となる秀渓が多い(打込谷・小倉谷・笠谷)こと
などが挙げられる。そして最後のポイントが最も大きかったというのは言うまでもない。
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(抜戸岩付近からの笠ヶ岳 2013/8/14撮影)
 
 
何度も言うが、私は非常に贅沢な性格のようで、好きになった山に対してフツーの登り方(つまり笠新道往復とか)は、食指が動かない。独立峰でなくともひとつの山をじっくりと愉しむような登り方をするのが、私は好きだ。
 
今回、600mちょいの金木戸林道第一ゲートから、まる4日をかけて小倉谷を詰め、この2898mの頂に立つことができた。下山日にも1日費やしたので、たった一つの山を5日かけて登ったことになる。
web上での遡行記録を見ても、入下山合わせて4日というのはあるけれども、5日かけたヘタレいや未熟者は我々だけだろう。そして当初は我々も4日で計画しており、食料もその日数分しか持っていなかった。結果的には予備日があって本当によかったわけである。そしてその予備日も含めて晴天に恵まれるという幸運(まあ事前にわかっていたから、技量不足でも決行したのだが)には感謝したい。
そしてもうひとつ、いや絶対的に感謝しなければならないのが、山ノ神(ザイルパートナー)の存在である。まったくもって、彼女の存在なしにはこのグラフィック・アーカイヴは完成しなかったのだから。
 


8/13(火)、12:40、ようやく笠ヶ岳山頂に到着。奥の二俣からは通常3時間とのことらしいが、5時間もかかってしまった

ガスで視界ゼロの山頂ではガチャを解除せずに、そのまま山荘まで下る。シャッター押しを依頼する単独者1名と、物珍しげに(どこから来たの?等)質問されるパーティ1組
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13:00、笠ヶ岳山荘に到着。まずは二人とも播隆ラーメン@600円を貪るように胃袋に入れる。もちろん食糧はすべて食いつくしたため、氏ぬほど美味しかった。
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その後で、テント(@500)の受付と外来夕食(@2000)&朝食(@1000)を申し込む。この山荘はテント泊者にも優しく、外来夕朝食もきちんと宿泊メニュー表に掲示している。テン場にはトイレがなく、5〜10分ほど登り返して小屋のトイレまで行かなければならないが、そのぐらいの不自由さは甘受しようではないか。イヤなら携帯トイレを持つとよろしい。
若いスタッフも明るく、きびきびと丁寧に応待していたので、非常に好感の持てる山小屋だ笠ヶ山荘ブログからブックマークしてもらっているという点もポイント高い
 
さらには缶ビールロング(@800)とチューハイ(@400)、つまみのポテチ、明日の行動食のLOOKチョコや菓子パン、挙句の果てには笠ヶ岳山荘のロゴ入りのモンベル製Tシャツ白(@2500)と長袖シャツ(@3000)なんかも豪勢に購入した。もうすっかりというか、まさに“おのぼりさん”状態である。
もちろんテント設営後は、夕食タイムまで待てない乾杯タイム
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3日ぶりのアルコールは五臓六腑に染みわたる(大げさ)。そしてそのまま爆睡状態で昼寝していたら、起きたのが17:09。ちなみに夕食時刻は17時からなんだけど
慌てて飛び起き、小屋までダッシュ・・・はできずにせいぜい小走り
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小屋の夕食は豪華ではないものの、食べやすく、そして美味しい。これまた4日ぶりの白米を私は4杯もお変わりした。そして中京圏らしく赤だしの味噌汁が特に美味しかった。
ちなみに外来夕朝食の件は事前に仕入れていたが、それがダメ(テント泊者への食事を供給しない小屋も多い)だったとしても小屋に泊まるつもりだった。山ノ神の休暇は5日間しかないが、ギリギリまで山を愉しみたいから。
もっとも登頂当日に下山しようもんなら、脚が壊れるから無理、というのが本音か。
 
夕焼けはちょっぴり期待したが、ガスは完全には晴れずにショーはこの程度だった。まあ盛夏においては、なかなか夕陽に恵まれるのは難しい(ガスが下がるのが遅いから)。
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陽の落ちた後、弓張月が南南西の方向、つまり笠の上から淡く我々を照らしていた。
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19時頃には就寝したが、それから3時間半後にはもそもそと起き出し、夜のシゴト。
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山荘までもう一度登ってみると予想以上に笠方向の空が暗いので、思い切ってISO6400まで上げて露出も長めで撮る。かなりカラーバランスが崩れてしまっているが、迫力はこちらの方があるかな。
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横構図でも、もう一枚。やっぱ天の川の中心は色が濃い。
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こっちは槍穂方面。槍ヶ岳山荘の光点が目立つ。
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縦走路すなわち双六方面は、まだガスの中、というより滝雲なのかな。
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最後に山荘裏手にある小笠とその上空。やっぱり星景撮るなら渓中よりずいぶんと有利だね(当たり前か)。
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山行日:2013/8/13(火)
形態:ペア
天候:晴れ後霧
撮影機材:PENTAX k-5,16-50mmF2.8,samyang14mmF2.8,O-GPS1

 
8/14(水)、4:30気象。朝食は5時からとのことなので、山荘までとりあえず登る。でもその前に・・・
御来光はウエザーニュースの山岳サイトを見たら4:57になっていたので、朝食は保留して小屋の前で三脚を立てていたのだが、なかなか出てくれない。
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さんざん焦らされたが、5:18に大槍の右側から出現した。2日前はダイヤモンド槍(大槍のてっぺんから)だったそうだが、 まあそのタイミングまで上手くいってたら盆正月GWクリスマスが全部いっぺんに来るようなもんで、後が怖すぎる。
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笠のモルゲンを撮った後、三脚をたたんで、そそくさと(かなり遅れて)小屋の食堂まで駈け込む。大勢の登山者が山頂へ向かっていた。
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2度続けての遅刻となったが、小屋スタッフはイヤな顔ひとつせずに、席まで案内してくれた。生卵の嫌いな山ノ神と、隣の席のオジサンからもらった分まで合わせて都合3杯のたまご掛けご飯をブっ込む
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そして6時前になったが、我々ももう一度このピークまで行こうではないか。やはりクリアな視界で山頂からの景色を堪能したいからね。
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空身だと、山荘からピークまで10分もかからない。ちなみにこちらは、祠のあるピーク。ここで山ノ神が一礼。
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そして大笠つまり山頂標があるピークがこちら。
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もちろん山頂からは360°の眺望が欲しいまま。南方向には乗鞍と御嶽が。
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槍穂方面は逆光のシルエットとなるが、手前にある緑の笠が美しい“緑”の丘となって輝く。播隆平にある池塘もいいコンビネーションだ。
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朝の縦走路の風景。テン場の向こう側に抜戸岳。双六〜三俣蓮華は左奥になる。
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そして北北西方向、黒五・北ノ俣・薬師のそろい踏みを引き寄せる。
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北北東の双六の背後には、鷲羽・水晶・赤牛、そして立山・剱までが見渡せる。
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まさにアルプスの朝〜てな感じの絵だが、今回私がめちゃくちゃ感動した景色は、コレ
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西方向に大笠の影が映っているいわば『影笠』であるが、その影の中に感動したモノがあるのだ。でもカメラが吐き出した絵では、ちょっとコントラストが強過ぎて、そのモノがよく見えない。
なので、ちょっと処理を施して・・・
 
(つづく・6回で終了ってウソつきました_)

突き抜けて笠!(5)

8/13(火)、4日目の朝も晴れてはいたが、薄い雲の方が少し優勢となっていた。
未明に流れ星を観賞したため、二度寝となり、かなり遅めの6時起床。
朝食はカルビーのマッシュポテト50gに乾燥キャベツを加えたもの。味付けは塩コショウとマヨネーズ小袋3個。それとオニオンスープ×2に乾燥ヒラタケを加えたもの。これで食糧はほぼ食い尽くした(残りは、パン1個とクリーム玄米ブランカカオ味1袋のみ)。

7:30出発、インゼルはθ状になっていて、すぐに合流。奥の二俣には平坦地があったが、そこでHさんパーティのみが幕営したようだ(やはり奥の二俣まで行っておればと未だに後悔)。
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7:50、奥の二俣のすぐ先には15m滝がある。
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高度からして水量は多くないものの、なかなかの美瀑だ。左側の流木はご愛敬ということで。
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これは直できるとのこと。標高2000m超での朝イチからのシャワーは、まあやっぱり冷たいわな
山ノ神がザック付きで先行して右から登り、上部で左に転じる。私も重たいザックを背負って同じルートをトレース。左転する際のみ、安全のためお助け紐を出してもらう。
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8:05、15m滝上にも連瀑帯がある。4m斜、6m斜、6mと続くが、いずれも左右の岩壁又は水際を登れる。
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今日はゴルジュも大滝もないので、まあ気が楽だ。それに安定した天気が緊張感を弛緩させてくれる。ただ、モロ逆光(東に向いているため)のため、ゴーストだらけの絵が多いが
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8:15、ca2160m付近。5〜10mの階段状の滝が続く。高山の水際の花、ミヤマダイモンジソウはいつ見ても可憐だ。
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8:25、ca2200mを超える。右岸から枝谷が細い滝となって注ぎ込む岩盤が張り出した10m滝。右手岩壁を登攀する。
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               (なかなかの高度感だ)      (振り返るとずっと奥に桑崎山?が見える)
 
 
この後も階段状の滝やナメが続き、小倉谷は傾斜を上げていき源流の様相となる。
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9:05、両岸はお花畑となる。
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ハクサンイチゲやチングルマ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンフウロ、コオニユリ、コバイケイソウなどおなじみの高山植物に出迎えられ、天国のような光景を目の当たりにして思わず口元も緩む。
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そして希少種、ムシトリスミレは初見。こんにちは、喧騒とは無縁のこの谷で出会えて本当によかった
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おや、もうすでに虫さんをお召し上がり中ですか?
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(葉っぱで捕食すると思うので違うと思うけど)
 
 
この後は左右に枝谷が出てくるが、いずも水量が最も多い本谷を忠実に遡行する。両岸は立っており、また尖った岩峰も目立つのだが、ゴルジュ地形とはちょっと違う。これだけ空が広いと、圧迫感がないのだ。
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9:15、ca2300m付近。12m滝? 左岸から巻いたような記憶が。
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9:55、水量2:3の二俣で本谷には4mCSがある。滝左手のリッジを容易に高巻く。
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10:05、続いて8mの岩溝滝。同様に右岸巻き。アルプスの沢を源頭に向かって詰めているという実感が湧くような滝と渓相だ。
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10:35、標高2500mを超える。最後のナメ? 背後を振り返る度に、ずいぶんと高くまで登ってきたという実感に変わる。まだ稜線まで300mもあるので、登りの苦手な山ノ神はぜいぜい言っているが、私はもう既にイキかけている(変態か?)。
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おや? 見慣れない高山植物が。お花に詳しい方、おせーて
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10:55、標高2600m付近で水切れ。500mLボトルに水を汲んで、最後の難関と言われる不安定極まりない(ちょっとヤバいと噂される)ガレの詰めに挑む。
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11:15、ca2650m付近。まだ浮石は少なく、ガレは安定している。もっとも、ガレ場登りにはちょっとしたコツも要るのだが。両岸のお花もキレイだが、振り返ると谷の左岸尾根にガスが掛り出していた
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12:10、ca2820m付近。源頭近くになり、さすがに浮石が酷くなってきた。このまま大笠のピークに詰めようもんなら、落石と共にか・つ・ら・く
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両手でガレを押さえつけるようにして登って来たが、そろそろ逃げどきか。右手に“ハイマツまばら”なリッジが見えたので、
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本谷から右手に別れたルンゼを20mほど登ってそのリッジに取り付いた。
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12:30、そのままハイマツまばら尾根を少し登ると、すぐにクリヤ谷からの登山道と合流した。
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そして12:40、ようやく笠ヶ岳に到着。単純標高差2300m、林道込みで20km、そして4日という長大な時間をかけて登った頂は・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ガスまみれだった(まー盛夏のアルプスなら、昼には9割がたガスが昇ってくるけどねw)。
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(つづく)

突き抜けて笠!(4)

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(ナメ帯のターミナルに聳立する40m大滝。しかしここから大滝が連続する始発駅でもあった)
 


 
8:55、ナメ帯の末尾に忽然と現れる威風堂々たる40m直瀑。ナメの終点に大きな穴が開いたような碧の釜に向かって、天空から降り注ぐような光景に圧倒される。
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ここではもちろん三脚を構えて撮影タイムをとったが、何とその光景を人の字6m滝で出会ったHさんに激写されていた。どこからって? それはこの滝の落ち口から
しかも面白いのは、我々を山岳雑誌のカメラマンとモデルと勘違いされたことである(でもかなり嬉しい)。まあこんな長い谷に三脚と一眼レフ抱えて入るヤツは、滅多にいないでしょうね。
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ここから小倉谷は第3ステージ、すなわち巨瀑とその高巻きシリーズとなる。ここで後続の3名パーティ(♂×1+♀×2)に追い抜かれる。この巻きは右岸の笹藪の中を大きく巻き上がるルートだった。30分以上かかったが、懸垂無しで落ち口へ復帰できた。
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(滝上は少しゴーロっぽくなる)  (落ち口から下流側を振り返る)
 
 
右上画像の落ち口から滝下を覗こうと少しは思ったが、怖くてとてもできなかった。それをHさんはやられたのだから、サスガというか、素早いというか恐れ入る。
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(ビレイなしてスリップすれば40mを空中遊泳)
 
 
10:10、ca1710mの二俣。本谷は右折れし、3条6mの滝を架けている。右壁を登れそうだったが、無難に直進する支流の右手から高巻いた。
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10:35、両門の大滝が2つの光彩を放っていた。小倉谷を代表する滝景ではり、他の方の記事でも大きく紹介されることが多い滝だ。
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さきほどの40m直瀑は太陽光が滝に当たっておらず、ISO感度を下げればスローシャッターが切れたが、この両門の大滝は滝全体がフラッシュしており、ND16を持参していなかったためF10・ISO80まで下げても中途半端なシャッタースピードでしか撮れない。
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本谷は右俣であり、30mの幅広が架かっているが、こちらからは高巻きは不可。
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左俣も同様に30mだが2段滝となっており、直登するパーティも居るらしい・・・とまさに先ほど抜かれた男女3人組のパーティが登っている最中だった(Hさんパーティも直登されたとのこと)。
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我々はそんなことはできないので、左俣の滝を右岸から巻きにかかる。左俣滝に寄ってみるが、滝近くには踏み跡らしきものはなかった。そこで本谷とクロスする地点から左に伸びるガレルンゼを登っていくが、登るにつれてどんどん左俣から離れていきそうなので、適当なところで右手のリッジに取り付く。これが激烈なヤブで泣きそうになる。それでも何とか左俣へ下降できそうな地形に乗れたので、今度は90°右へ転進。やはりチシマザサのヤブの中を下降し、最後は懸垂を2回行って、ようやく左俣へ降りることができた。この巻きに要した時間は1時間20分だった。
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(左俣のナメも美しかった)
 
 
12:00、左俣のナメ滝7mの上部に出た。ここから踏跡らしきものが対岸のガレっぽい場所にあったので、そこを強引に攀じ登って、左俣と本谷の間のリッジを乗越す。やはりチシマザサのヤブが酷い巻きだった。本谷への着陸はやはり大事を取って懸垂1回。この巻きの所要時間は35分だった。ガイドブックにはナメの上にある2条7m滝を越えてから巻き道に入るとあったので、そちらの方が明瞭な踏跡があるのかもしれない。
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              (左俣の大滝の落ち口が見える)  (もう少し上部には明瞭な踏跡があったのかも)
 
 
12:45、両門ノ滝上の本谷に復帰。懸垂は不要だったろうが、山ノ神が笹藪が濃密なため、谷の両岸の立ち具合が視認しづらい。そのため、山ノ神から念には念を入れろと言われてロープを出す。
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(この左手にあるような笹藪からいきなり本谷へ飛び出す)
 
 
13:10、本日3つ目の大滝。2段、いや3段40m滝下へ到着。
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下段は右壁を楽に登れたが、ここで失敗。いや行程上の失敗ではなく、撮影上の想い残しだが。
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中段下のテラスに出ると、左岸からの明瞭な踏跡があったのでそれを辿る。3回目にして初めて明瞭な踏跡が出てきたので、喜び勇んで滝の中〜上段の撮影を忘れてしまった
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当店、カメラはメインのk-5台のみ。ガラケー(臆)やスマホ(山ノ神)は共に防水仕様だが、ザックの奥深くから出す気もしない。サブに防水コンデジを持てばいいのかもしれないが、さらなる重量増は億劫になる。それよりも焚火用のノコギリを選んだ。
さて高巻きルートだが、リッジの途中から踏跡が不明瞭になったので、左折れして滝側に寄って行くと、またしてもヤブに入るが今度は懸垂無しで滝上に出ることができた。この滝の通過は約30分ぐらい。
 
14:15、最後の大滝である30m直瀑とその前衛5m滝前に到着。
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5m滝を越えて大滝に対して正面から近づいていくと、飛沫をモロに浴びることになる。この位置ではとても撮影どころではない。
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少し滝に対して左側にシフトしながら移動していくとスプラッシュはマシになり、何とか絵になる画像を撮る事ができた。釜はほとんどないが少し末広がりで、この構図からはなかなかの美瀑だ。
この滝の巻きは右岸のガレルンゼから。上部は落石のリスク有り。ガレの上に出たら針葉樹林混じりの笹藪のリッジへ移行し、今回も懸垂無しで小倉谷に復帰。
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戻った場所はまさに30m滝の落ち口で1枚岩になっている。流れは穏やかだが、スリップすると落ち口から飛び出てしまう。ただ、ロープで確保するほどのことではなかった。下の画像の一枚岩の上で甲羅干しをし、奥の草付き台地でまったりと時間をかけて幕営したという記事も見受けられるが、あまりにも高度感がありすぎて我々はそういう気になれなかった。
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(対岸の尾根の崖上に面白い形で大岩が乗っかかっている)
 
 
上部はまたナメ状になっている。そして標高はやっとこさ2000mを超える。
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谷は急に開けた感が出てきて、目的ピークでもある笠ヶ岳の鋭峰が往く手に見えた。
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15:40、小倉谷は2段15m滝(4m+上部11mナメ)を架ける。本谷滝を直接越えずに、左岸の10m支流滝の手前を登り、支流滝をトラバースしてナメへと渡って通過。
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そのナメに出ると、小倉谷の流れは、かなり穏やかになってきていることを感じさせられる。
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16:00、8mナメ滝。もう怖いところはないが、そろそろ幕営地点を探さなければならない。本日この小倉谷の中流部に入っているパーティは、我々を含めて最大で4パーティ(合計10名)。標高2070mの奥の二俣の左手がスタンダードだが、そこは2張が限度だろう。よって、それ以前に適当な場所を探さなければならないと思っていた。
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16:30、インゼル右俣でBP可地点を見つける。奥の二俣はもう目と鼻の距離だが、不本意ながらここを幕営箇所とする。昨日のBPよりも確実に狭く、またすぐ傍を本谷が流れているため、増水時は逃げるしかないが、たぶん大丈夫だろう。テント入口からわずか30cmぐらいのところに水が伏流となって地面に染み込んでいたが、夜中にテントが浸水するということはなかった。
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着火剤を使い果たしたため、今宵は焚き火はなし。またこの天気(午後からも安定した晴天だった)のおかげで、濡れた衣服もほとんど乾いていた。ふと上流側を見ると、焚き火の煙が上がっていた。後日のメールのやり取りで知ったのだが、これはHさんパーティのもので、他パーティはさらに上流部又は稜線のテン場まで行ったらしい。そして何とHさんは我々が到着するのを待っていたそうで、まことに恐縮の限り+後悔の念だ。
夕食メニューは、三ノ峰でテストした無印良品のナン(200gで4枚)とアマノフーズの“服部幸應推薦 香る野菜カレー×1とチキンカレー×2”。満腹にはならない量だが、さすがに明朝の最後の食材まで手を付けることはできない。
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アーベントロートに染まる笠ヶ岳をアルコール代わりにして、本日の快晴と無事に感謝した。
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夜中2時に起きて、この時間帯に極大を迎えるペルセウス座流星群を観賞。ピーク方向には、もう冬の星座の中にある昴が昇ってきていた。
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秋の天の川は控えめだが、アンドロメダ星雲がアクセントになる。
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さてペルセ群だが、下流方面に夏の大三角があり、その方向に向かってよく流れていた(っていうか、視界が最も開けた方向のため)。1時間に40〜50個ぐらい流れていたが、まともに撮れたのはこの1枚のみ(しかも右上画面隅にちょこっとだけ)。
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まあ流星の写真は不作だったが、それよりも久々に山ノ神と二人でロマンチックな雰囲気になったことを悦ぶべきか。
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(つづく)

 
山行日:2013/8/12(月)
形態:ペア
天候:快晴
撮影機材:PENTAX k-5,16-50mmF2.8,samyang14mmF2.8,O-GPS1

突き抜けて笠!(3)

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(山ノ神はいきなりザックを背負ったまま、長淵をCS滝に向かって泳ぎ出して行った)
 


臆崖道「あ〜こら、待たんかい。ザック背負ったままやったら、滝に近づくにつれて急流になって押し戻されるから」
山ノ神「アカンかったら戻ってきたらええから」

ふと後ろに気配が。すると後続に屈強そうな3名パーティ(東京都連所属のY会)が。要は追いつかれたと言うわけだ。
さて山ノ神に話題を戻そう。さすがにザックを背負ったままでは、やはり水流に押し戻されつつあった。やっぱり無理やなぁ〜と見ていると、何と途中から泳ぎ方を変えた。
堂倉下流部でも使用したラッコ泳ぎならぬ『お尻泳ぎ※』に切り替えて、CS手前左側の水中スタンスまで到達。そこから颯爽と這い上がり、バランスよく左壁を登っていった。
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私が言うのも何だが、惚れ惚れするような突破だった。そして本人(私)はと言うと、山ノ神のザイルに引っ張られて、何の抵抗もなく長淵を通過し、ゴボウで攀じ上がるのであった(めっちゃ楽ちん)。
※ラッコ泳ぎの逆向き、つまりザックに体重を掛けながらも前向きに進む山ノ神独自の泳法。そんな泳ぎ方で急流をよく進めるものだ。
 
15:15、滝上テラスからは次いでの2m滝もトラバースして越える。
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(2m滝の落ち口より下流側を振り返る)
 
 
するとすぐ上には4mCS(写真で見る限りではCSではなく、2条滝に見えるが)が立ちはだかっているので、これも右岸のヤブに突入して高巻く。
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下降ポイントはハングした崖で、5m程の懸垂で4m滝の落ち口に復帰。もう懸垂は当たり前の行事みたいになっている。この巻きにも30分を要した。
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(これも落ち口から俯瞰した絵)
 

大ゴルジュ自体は両岸が相当高く立っているものの、陰鬱な感じではなく、どちらかと言うと明るい印象だった。っと、まだ大ゴルジュは抜けていないか。
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16:20、ひとつのクライマックスのポイントに差しかかる。といっても本谷のオリジナル作品ではない。
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この立派な30m滝は、右岸に合わさる支流滝だ。しかし支流滝と言えどこの滝は見事としか言いようがない。直瀑のようにも見えるが、落ち口がチムニー状になっていて、そこから分かれた2条滝とも言える。
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さらに中ほどで微妙に岩盤に跳ね返っているので段瀑のようにも見えると言った複雑さと豪快さと美しさを兼ね備えた秀瀑だ。
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本流と合わさる地点にはこの時間帯順光となる下流側から見ると虹が架かっていた。
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そして逆光となる上流側から振り返るとそこは光の宴と化していた。
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そのような素敵な場所であるが、この支流滝のすぐ先には、本日最後の難関である青色の長い残置スリングのある6m滝が待ち受けているのである。
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16:30、この滝の突破にかかる。まず私がスリングの届く場所まで泳ぎ、滝下のテラスで荷物を降ろし、ロープを準備する。
そしてもはや先陣を切って道を切り開くのは自分しかいないと心に決めたようにも見える山ノ神が、10mお助け紐を持参し、空身で登攀にかかる。滝身に少し寄って直上したところに残置ハーケンが2箇所あり、そこにカラビナを陽が掛けて中間支点とするが、フリーのカラビナがなくて装着していたギアを外してハーケンにセットするのが面倒くさかったとのこと。
 
山ノ神「両手をブラブラさせても楽勝で立てたし、階段みたいやった」
 
そして(本人曰く)華麗なるステップでカンテを登攀し、滝上のテラスに至った。
そこから山ノ神はザックを2個ほど荷上げしなければならないが、どの地点から荷上げするかで迷ったとのこと。まず6m滝上の流芯からお助け紐を流そう思ったらしいが、そんなことをしたら、絶対にそのロープを掴むことはできないし、掴めたとしても第一、水圧で遡上させることはできないだろう。
私が後方を振り返ると、やまづとさんの3人組が30m支流滝の滝見台で我々を見物している。もう時刻も相当遅くなっているので、プレッシャーを感じたが、やはり慎重に課題をクリアせねばならない。
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さて滝上の山ノ神であるが、ようやく解を見出したのか、私の立ち位置の真上まで移動し、丁度灌木があったのでセルフビレイを取って、お助け紐を垂らしてきた。ちなみにこの岩壁はハングしていたが、むしろその方が荷上げはスムースなのかもしれない。但し、オーバーハングしている出っ張り部分にザックが引っかからないようにセットしなければならないが。山ノ神の怪力?で、水を吸って15㎏超となった私のザックと、それよりも5㎏程度は軽いザックを見事引き上ることに成功した。
しかしそれから私が情けないことに。と言うのも、私の両腕は既に度重なる登攀でパンパンに疲労していたため、空身であるにも関わらず、そして残置にセットしたカラビナを使ってA0で登ることができるにも関わらず、階段状のステップから足を滑らせてしまう始末。ということは私がトップで登攀していたら、確実に滑落&滝壺へドボンしていたというわけだ。
 
山「あんなショボイところで落ちるなんて、アンタは失格や
臆「・・・
 
何はともあれ核心部をクリアしたわけであるが、まだ大ゴルジュは抜けていない。青スリング6m滝のすぐ上には越えられない3m滝が続いているため、今回も右岸のヤブから小巻きし、やはり懸垂。ガイド本には5mの懸垂とあるが、実際は12mぐらいだった。
17:50、その3m滝上に降り立つ。振り返るとやまづとパーティのリーダーが声を出して後続をビレイしているところが見えた。
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18:15、大ゴルジュを抜けたことを示す10m美瀑が本日の行程の掉尾を飾る。
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これは左から簡単に越えられるが、本日最後の撮影タイムだろうから、アシを立ててこの美瀑をセンサーに記憶させる。もっともこの時間帯なので、三脚を出さないと撮れないというのが本音か。
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18:35、右岸から水量の少ない60m滝となって出合う河原で幕営とする。ガイドブックにBP可と書かれた地点だろう。この下流側にももう少し狭いBPがあったが、3人組は恐らくそこでBPしたものと思われる。
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今宵の夕食は、焼きものの残りである茄子×2本とサツマイモ×2本、そしてフランスパンを1個ずつ焚き火で焼いて食べる。
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しかしさすがに疲れた(私だけか?)。12時間行動となったので、食欲もさほどなかったが、焚き火だけは盛大に燃やした。食後にコーヒーも飲んだが、ガス節約(230g缶1個だけしか持ってきていない)のため、焚き火で湯を沸かした。
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山行日:2013/8/11(日)
形態:ペア
天候:晴れ時々曇り
撮影機材:PENTAX k-5,16-50mmF2.8,samyang14mmF2.8,O-GPS1
 

 
前日の疲れが残っていたのか、沢屋としても遅めの5:40の起床となった。朝食は日清焼そば+乾燥キャベツ入り。いつもはあまり食べない山ノ神も、前夜が貧弱なメニューだったため、1袋まるまる食べた。
出発前にやまづとの屈強3名が先行して行かれた。どうやら今日中に小倉谷を抜けられる予定のようだ。昨夕の遅延突破のことを詫びると、恐縮されていた。
7:30出発。しばらくは何もない沢歩き。
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8:00、“人”の字型6m。ここでめずらしくトップで私が突破にかかる。
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下部の水のないところから、水流を右に避けるようにして登れば難しくない。だが、空身で登ったため、ザックの荷上げで引っ掛かり、ザックが水没状態に。見かねて山ノ神が私の超激重(中に水が溜まって20㎏近くなっていた)ザックを引き上げ、そのまま自分のザックを背負ったまま、二人分の荷物とともに登って来た。
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この私の失態?のため、やはりここでも20分の時間を費やすことになったが、何と後続の男女2名組がこの滝の左側からサクっと笑顔で上がってきたではないか!(高巻きしたのではなく、直登したようだ)
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後でわかったことなのだが、この男性は栃木から来られたHさんで、私と同年代の方らしい。もっとも沢歴も実力もずっと上で、この小倉谷を遡行して、笠ヶ岳のピークを踏んで、また隣の打込谷を下降して第一ゲートまで戻るという激しい行程を遂行されたようだ。Hさんとお連れの女性はにこやかに挨拶をされ、颯爽と遡行していった。
(Hさんパーティは、前夜大ゴルジュ手前で泊され、本日早朝5時から遡行開始して、大ゴルジュを抜けて来られたとのこと。さすがです)
 
山ノ神はというと、この表情
山「アンタのせいで、朝イチからずぶ濡れにさせられたわ
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8:30、小倉谷の中流部に配置されているナメ帯が始まる。
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ゴルジュ帯の緊張はもうない。燦々と降り注ぐ夏の陽光を受けて、ナメが光り輝く。
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もうこうなると水と戯れるのが楽しくって仕様がない。弛緩した筋肉とハートが、飛沫を浴びてさらに洗われる。
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8:45、ナメ帯の途中にある5mナメ滝。しかし簡単に登れる。
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まだまだナメは続く。沢床の黄、樹林の黄緑、水の緑、空の青・・・パレットの絵具が気持ちのいい色相に混ざる。
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このナメがずっと続いて欲しかったが・・・
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8:55、ナメ帯は突然、いや唐突に終わる。つまり30分足らずのリラックスタイムだった。
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唐突と書いたのは理由がある。ナメ帯のどんつき、いやどんつきと言ったら大阪弁なので、標準語で言う突き当たりには・・・
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(つづく)
 

突き抜けて笠!(2)

明けて8/11(日)、5時起床。爽やかな朝だ。山ノ神も食べて寝たら元気になっていて、ホッとする。昨日の残りのスープににゅうめん100gを投入し、朝食とする。それと別におにぎり1個を半分個して食べる。
メシ→撤収といった一連の作業とは別に、今朝イチバンのシゴトは『金木戸川(双六谷)を渡って小倉谷に入る』ことだ。
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(中央に見えるガレの押し出したようなのが谷)
 
 
しかし谷の出合は深く、そしてやはり流れが速くなっていたので、下手をすれば下流へ流されてエラいことになる。というわけで6:50、ここのセオリー通り小倉谷の出合から50m下流側を泳いで渡渉して対岸壁へと移動。そこから金木戸川の左岸をへつって小倉谷の出合まで遡行という作業である。このシゴトは20分程で終えた。
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朝イチの泳ぎは心臓に悪いのかもしれないが、脂肪被覆系の我々はさほど苦にしない。もっともそれは抜けるような青空の下だからなのかもしれないが。
標高1190mの小倉出合はガレが堆積したようなショボイ谷だったが、遡行するとすぐにスケールの大きな谷としての本領を発揮する。
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7:35、最初の4m斜ナメ滝。まだ朝日は小倉谷に射し込んでいない。
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小倉谷の最初の1時間は、比較的単調なゴーロ帯だ。しかしそれは堂倉谷の巨岩帯よりも小規模なゴーロなので、いいウォーミングアップといった感じで苦にはならなかった。そして水の流れは極めて美しく、この水系の素姓の良さが窺えるものだった。釣屋目線を備えていない私でも、太くて大きなイワナの魚影を随所に見ることができた。
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8:10、3m幅広滝。その奥には丸いトイ状10m滝が見えている。
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トイ状10m滝前は深いプールのような釜を従えていて、なかなか神秘的な空間だ。もっとトイの正面からのアングルを撮るべきなのだろうが、水没しながらの撮影はちょっとできなかった。
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もちろんこの滝は登れない。よってアンチョコ通り右のガレから巻きにかかるが、ここでいきなり大失敗
どうやら巻きルートを間違え、どんどんと上部の崖へと追いやられる。いきなりロープを出しての作業となり、こんなハズではと冷や汗状態。
なんとか下降可能地点とおぼしきルンゼを見つけ、懸垂下降するが、持参の30mロープでは長さが足らなかった。ピッチを切った下降(中間)地点は、ヌメって不安定かつ足場の狭い岩盤上で、まだ谷までは7mぐらいはある。おまけに支点が取れるような灌木もない。下流側へ少しトラバースしながら斜上すれば灌木があるが、そこまでに至るまでに滑落は必至。自己ビレイもままならない中、30mロープに10mお助け紐を継ぎ足し、下流側に少し振りながら2mの岩盤上まで下降した。よく見るとその岩盤に出られる巻き道らしきものがあり、小巻きすれば何てことはなかったのかもしれない。
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(※この画像の右側の崖の手前に注ぐ急傾斜のルンゼを懸垂で降りた)
 
 
泣きながら下り立ったところは、トイ状10m滝の落ち口に他ならなかったが、この巻き失敗で1時間10分を費やしてしまった。
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(※の画像の拡大。右側に水流があるが、そこがルンゼ)  (下流側即ちトイ10m滝の落ち口になる)
 
 
9:55、2m溝状。谷にも陽光が降り注ぐようになり、エメラルドグリーンの淵が美しい。
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最近webサイトのあちこちで“○○ブルー”とか“どこそこグリーン”などという記述を目にするが、何かしっくりこない感がある。大峰の釜や淵でも場所によっていろいろな色があり、そんな安直な表現はかえってその水系を安っぽくしているように聞こえる。まあ、どう表現するかは個人の自由なのだが。
閑話休題。晴れた小倉谷の色は、k-5を通した私の眼ではこんな明るい色で翻訳される。
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10:15、美しい低いゴルジュ入口の2m滝。右岸をへつり気味に泳いで、楽々通過。ん?山ノ神が溜息をついているようにも見えるが、まだまだ核心はこれからでっせ
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10:35、前述ゴルジュの1m滝。まあ地形的にゴルジュと言っていいかどうかわからないほど、ここは明るかった。
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10:50、左岸から枝谷が30m滝を架けるミニゴルジュ入口。本谷は2段7m滝となっている。
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                      (本谷の2段7m滝)  (枝谷の30m滝だが水量は少ない)
 
 
この出合の滝をワンフレームに収めるとこのようになる。枝谷滝は15mぐらいにしか見えないが、上部に傾斜の緩い部分が繋がっているため30mとしたのだろう。
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この7m滝は左から容易に越せたが、続いてミニゴルジュの核心部である4m直瀑に阻まれる。
      イメージ 22             イメージ 21
     (本谷7m滝上から下流側を振り返る)  (ミニゴル核心とされる4m直を目の当たりにして突破を考える)
 
 
11:00、ミニゴルは右岸から巻けるらしいが、ここは巻かずに突破することを決意。
この核心の4m直瀑は、右手のクラックが弱点だという情報に従い、工作を開始。まずはザックを置き、水中ショルダーで山ノ神をクラック上部に上げるが、滑りが酷くて一苦労。
次にクライミングに難のある私の番だが、クラック右手にカムをブチ込み、持参したアブミをセット。そしてセルフビレイした山ノ神からのお助け紐の力も借りて登攀。この2重のゴボウは、当たり前だが意外と簡単に突破することができた。
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しかしその上部テラスから滝落ち口へのトラバースルート(岩棚)もヌメっていて、非常に不安を覚えた。スリップは4m滝壷への落下となり、ダメージは必至。ここも山ノ神が空身で体重移動させて通過し、ザックをピストン。最後はやはり落ち口上部の溝にカムで支点を取った山ノ神からのお助け紐で、私もも突破できた。所要30分の、最初の核心部であった。
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(クラック上部のテラスより滝下を俯瞰。対岸壁の上部をイッキに高巻きできるらしいが・・・)
 
 
11:40、その奥の5mCS。大岩左のクラックから突破できるらしい。先程の4mと同様、山ノ神が挑むこととする。まずショルダーで乗せ上げ、中間部にカムで支点をとるが、このクラックが脆く、体重を預けた途端、スッポ抜けて1.5mほどグランドフォール。幸いにも無傷で済んだが、諦めて右岸より小巻きすることにした。懸垂下降で次の横からの滝15m前に復帰。約30分ほどかかった。
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12:20、横からの15m滝。ミニゴルの掉尾を飾るように、神秘的であり、また曲線が美しい。これも深淵を奥まで進んで正面を拝見すべきなのだろうが、滝屋ではないのでそこまではできなかった。
これは「右からの巻き・容易」とガイドブックにあったが、確かに懸垂下降することなく谷に復帰できた。これでミニゴルジュを抜ける。
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12:55、ホッとひと息、広河原かな この辺りは幕営可能地点が多く散見された。
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右岸から幅広の支流と出合う地点。標高点は1434mと記された場所だ。
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13:55、大ゴルジュ手前。標高1470m地点。通常の1日目の行程は、この辺りで幕営とあるが、ほぼ1日近くも遅れを取っていることになる。日程と食料的に大丈夫か?と不安がよぎる。ちなみに今回、(非常によろしくないことだが)食料は2日分しか持ってきていない。
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14;30、大ゴルジュ入口の4m斜滝。滝身右のバンドより通過。いよいよ本日の核心部・後半というわけだ。
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14:45、いよいよ大ゴルジュの一つ目の難関、3mCSが長さ15mの深い淵の奥に立ちはだかっていた。
ちなみにこの大ゴルジュは巻けない。いや正確には巻けるのかもしれないが、恐ろしく現実的でない高さまで登らないとダメなようで、我々にとってはそちらの方が危険だ。
さてここの突破方法だが、淵は水流がキツく、重たいザックを背負ったままでは水勢に押し戻されるらしい。よって当初の作戦は、私が空身で長淵の右岸壁沿いに取り付き地点の水中スタンスまで泳ぎ、そこから左壁を登攀して滝上テラスに立つ。そこから私のザックを荷上げしてから、荷付きの山ノ神を引っ張り上げるというもの。こういうシミュレーションを描いて、関西の谷で練習をしてきたつもりだった。
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しかし私が渡したロープ末端をハーネスに装着するや否や、山ノ神が予想外の行動に出た。何とザックを背負ったまま長淵を泳ぎだしているではないか!!
 
(つづく)

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