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が猛威をふるっていた当日(3/2)、我々はとあるスキー場で悶々としていた。
何故悶々としていたかって? それはゴンドラが動かないためだ。
フツーのリフトなら何とか動いていたが、それは板を履いていない我々を乗せてはくれない。こういう状態の山ヤは、スキー場ではホンマのお荷物でしかない。
というわけでゴンドラが動く(かもしれない)のを期待して、しばし講習タイム。
ビーコンとゾンデを使って、埋没者の捜索訓練というわけだ。
(両方とも初めて扱う山ノ神↑) (熟達者のA嬢にイジワルをする黒部の先生) しかし11時になっても動く気配なし。シビレを切らせた我々は、やむなくゲレンデを重荷を担ぎながらハイクアップするという恥ずかしい行動を取らざるを得なかった。
ところが山頂駅が見える頃になって、ゴンドラが運転開始
当然のことながら、上部から滑走してくるスキーヤーを目の当たりにする2重苦を味あうこととなった
山頂駅より上部のリフトはまるで動く気配もなく、そこはCLOSEDとなっていた。
それもそのはず、爆低がもたらす暴風雪が吹き荒れる地獄絵図と化していた。
すると先生が私の頬を見て、「凍傷になっている
どうやら持参し目出帽を被ることを怠っていたため、頬が凍りかけていたようだ。今まで私の経験上、氷点下の強風が吹き荒れる(八ヶ岳などの)稜線部において、目出帽無しでも凍傷にはならなかった。そのためこの条件かでも甘く見ていたのだが、風雪が混じった状態では顔面に打ち付ける雪が融け、それが皮下組織を凍傷へと導くということを初めて知った。
よって私は雪山では、まだまだ甘ちゃんなのである。
某所で雪洞泊に適したロケーションを見つけ、一目散にここ掘れワンワン
こういった特殊な作業は、本や講演ではなかなか身につかない。実体験ほど有効なものはないだろう。
雪洞掘りもいろいろと流儀があるようだが、先生のノウハウの何割かを吸収することができたかな?
2時間ぐらいかけて、立派な雪洞ができ上がった。最後はシート(テント本体)とピッケルで蓋をして完成だ。
後は楽しい宴会モード。先生がブロック肉から切り分けた特製黒部ポークを使った料理で、もうお腹いっぱい。
こうして標高1700mの地点での雪洞泊は、当初の予定とはだいぶ違った場所となってしまったが、この天候では確実に予定地(白馬大池)までも上がれないだろう。天狗原やハクノリでは雪洞を掘るのに適した場所がないらしく、相当キケンな状態となっていたに違いない。
暴風雪が日付が替わる頃まで吹き荒れたようだが、翌日は青空が広がっていた。もっとも前夜飲み過ぎたためか、予定の起床時間(4:30)を1時間も寝過ごしてしまい、リスタートも6:40となってしまった。
軽身(と言ってもアイゼン・ピッケル・スコップ・ビーコン・ゾンデは持参)で新雪を踏みしめてGO
ちょうど後立山連峰の白い山稜が、霧のベールを脱ぎ捨てて、モルゲンロートの色に染まる時間帯だった。
先生,A嬢,山ノ神,そして私と交代でラッセルラッセル
(今回はとある理由からスノーシューではなくワカンでの登下降) 成城大ヒュッテを過ぎ、山ノ神尾根を右手に見ながら、天狗原に向かってひたすらラッセル。標高差200mを上がるのに1時間半が経過している。こんなシンドい激深雪との格闘が続いたら、到底目的地には辿り着かない気がしてきた。
この日(3/3)の天気はアルプスでは珍しいことではないが、“上部ほど晴れる”という典型的な例。つまり下層(850hPa帯)に寒気が残っており、それが我々が泊した標高1700mより下部に当たる。もっと噛みくだいて言うと、スキー場は一日雪雲が掛かり続けていたが、標高2000mより上では快晴であったということだ。
(自分たちより下の世界が雪雲の中という証拠の写真↑ かなり得をした気分だ) しかし天狗原まではまだまだ掛かりそう。ラッセルは続く。白無垢姿のハクノリが我々を呼んでいる?
この登り斜面から見た白馬三山が実に絶景だった。これで十分“愛ず愛ずシロウマ”状態だが。
下層の雪雲の上から顔を出したゴタテ稜線の南部(五龍〜鹿島槍)もカッコイイ 9:30、天狗原に上がった。小休止の後、シュカブラ波打つ大雪原を進む先生。
ハクノリへの急斜面は、最も雪崩の危険性の高いところ(だから三種の神器が必要なのだ)。慎重に先生が登路を設定する。
この斜面は上に行けば行くほど急登になるが、氷結してはいなかったのでワカンのまま登り詰めた。ただしストックからピッケルに持ち替えていた。途中で脚の速いスノーシューの単独BCに抜かれたが、それでも11時には白馬乗鞍岳の台地には上がれた。
黒い変成岩のゴツゴツ感と、シュカブラが独特の景観を形成している。
ケルンは通過せず、別ルートで大池へと向かう。強風で雪は吹き飛び、ところどころクラストしているので、もはやラッセルとは無縁の状態だ。
そして雪倉岳(もしかしたら鉢ヶ岳)が顔を出し、白馬大池が姿を現した
11:50、白馬大池到着
池の上
白馬大池山荘は完全に埋没している。焼却炉?の煙突だけ、雪面から顔を出していた。
帰路はハクノリのケルン経由の正規?ルートをとるが、ハクノリからの下降は滑落防止のため自分たちが築いたステップを忠実に踏んで降りる。そして天狗原から下は、やはり小雪が舞う雪雲の中であった。
山行日:2013/3/2(土)〜3(日)
形態:4名
天候:1日目暴風雪,2日目晴れ後雪 撮影機材:PENTAX k-5,16-50mmF2.8
※写真の一部はA嬢からいただいたものを使いました。ありがとうございました。 |
北アルプス
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沢渡(さわんど)のペンションにて、暖かい洋食をいただく。この日はミニコンサートも開催され、心も耳もあったまる夜になった。
翌朝(1/4)は帰奈せねばならない。条件がよかったら位ヶ原ぐらいまで上ろうかと考えていたが、やはり北アはガスと強風の中。乗鞍高原温泉スキー場でも尋常でない風が吹いていたので、即中止。ゆる〜りと高原散策に切り替えた。
観光モードと化しているので、(私だけ何度も行っている)善五郎の滝へ。
善五郎の滝は完全凍結とは言えないものの、この時期としてはかなり氷結していた。ブルーアイスが美しい。
瀑布もそうだが、氷瀑も少し位置と角度を変えるだけで、表情がガラリと変わる。
飛沫と液滴を写し込み、ガイドツアーでずいぶんと賑やかになった滝前を離れた。
牛留池までちょっと足を伸ばし、白濁の硫黄泉に浸かり、最後はいつもの蕎麦で〆るという『正しい(?)乗鞍高原散策コース』で松本ICへと向かった。
14:30頃、松本郊外からようやく北ア主稜がガスから姿を現した。それは12/29以来6日ぶりの常念岳であっただろう。
今回の年末年始は(気圧の)谷が深すぎた。これは稜線行動を不能にする暴風雪をもたらし続けた。
そして予想だにしない12/30の雨。これは雪崩の原因となる弱層を形成した。
中部山岳では例年以上に遭難事故が相次いだことは周知の事実だ。その原因が“いつもの冬とは違う気象”であったと私は思っている。
撮影日:2013/1/3(水)〜4(木)
撮影機材:PENTAX k-5,18-135mmF3.5-5.6 |
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ジョニー敗退後は、白馬村の秘密基地へ移動。とりあえず濡れモノを全部乾かすのじゃー
冬山装備って、まあたくさんあること
(マグロも一匹、横たわっているけど気にしないでください) 4日ぶりで布団の上で寝れる快感
白馬村は例年になく大雪で、それはそれはメルヘンチックな雪景色だった。
翌日(1/3)は、美味しい蕎麦を食べたり、温泉に浸かったりと、まったり過ごした。
村内は吹雪いていた
しかしそれは、太平洋側に住まう我々にとっては普段見れない絵でもあり、思わずレンズを向けたくなる。
姫川の支流に当たる松川に雪が降り注ぐ・・・
雪を止めてみる。
大出公園の吊り橋もなかなかの風情だ。
迸るような雪・・・流れ揺らめくような雪・・・カメラはいろいろな絵を描いてくれる。
観光で訪れる我々にとっては、さすがにこの地域で居を構えるのは抵抗がある。雪との格闘は、普段の生活には持ち込みたくない・・・というワガママ。
最後にホワイトアウトした鉄路と白馬駅構内を撮像素子に写し込み、今度は松本へと向かった。
撮影日:2013/1/3(水)
撮影機材:PENTAX k-5,18-135mmF3.5-5.6 |
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12/31、先行者たる2名のワカモノが出発した30分後の8時、林道ゲートをくぐって歩きはじめる。今回は会の冬山合宿には(レベル的にムリなので)参加せず、臆家の2名で正月を迎える計画だ。
偉大なるかめ(ふー先輩)の足跡を辿って、あわよくばピークを目指すのがこの山行の目的だった・・・が、まるで届かなかった。
つつじ園のある最初のヘアピンカーブを越えた先にある、大水沢の滝の遠望。水は流れているが、よくわからん絵になってしまった。その後も延命水などのプチ景勝地が烏川林道沿いにはあって、単調さがいくぶん緩和されるが、やはり重荷と降りしきる雪はこたえる。
11:45、まゆみ池のトイレを借りる。高台にある東屋には、比較的新しい足跡が。
この時期、偉大なるかめの足跡を辿る登山者は多いようで(ヤマケイ12月号で紹介された影響も?)、トレースには事欠かなかった。
しかし下山してくる登山者の顔色は一様に疲弊しきっている。その理由はベチョベチョに濡れたアウター。どうやら前日(12/30)は、標高2000mでも何と雨!!だったようで、それは辛いというか危険な行程となったようだ。
大平原のヘアピンの先に、取り付きがあった。敗色濃い下山者の中でも饒舌だった単独の男性は、12/29夜に東屋に泊まり、大雨の晦日に東屋の裏手から南東尾根をダイレクトに登り、P1596.8から夏道合流点(2170付近)で2泊目の夜を迎えたという。そして大晦日の本日、P1596.8からトレースに導かれるままこのヘアピンに降りたらしいが、「ひっどいヤブ
その単独が下りて来られた地点↓ のもう少しさきに、ワカモノ2名の取り付き↓があった。こちらの方が正解?
最初は傾斜が緩いものの、傾斜がキツくなる頃からヤブが煩わしくなる。前日の雨が雪を融かしたせいもあるだろう。ワカモノ2名パーティにはすぐに追いついてしまったが、あまりラッセル泥棒するのも気が引けるので、彼らがヤブを回避するために左手にトラバースした頃合いを見計らって、登路を変えた。
15:18、P1596.8に到着。何と取り付きから2時間40分も掛かってしまった。スタートが余りにも遅かったのと、やはり27㎏の装備は重かった。ゲートからの標高差850mで、今日はダウン。まだまだ体力不足を実感する。
我が家のテントは、いつものエアライズとスノーフライ、いわゆる外張りというヤツだ。かめふ先輩のゴア+内張りという方が軽量かつ暖かいのかもしれないが、まあこれでも十分だろう。ただ、煮炊きすると発生する水蒸気がテントの内側で結露し、そして氷結するので、雪山ではゴアの恩恵が得られるという声も聞いたことがある。臆家も山岳会もゴアを持っていないので、そのメリットを確かめたことはないが。
1/31は強烈な冬型の気圧配置だったので暴風雪を覚悟していたが、前山アルプスのさらに東側の樹林帯尾根では、雪は降り続けるものの風は実に穏やかだった。
元旦7:15、雪
しかし太陽が昇ると同時に上空の雲の中に没していき、出発時の7:45には再びモノトーンの情景の戻った。
20分ほど進むとこの古い指標。ええ、我々もこれを見ましたよ、先輩。そしてそのすぐ先にはワカモノパーティのソロテントが2張り。この流行(いまふう)の形態、雪山にも進出しているのか!と実感。
早々とワカモノ達は出発したようで、ワカンが枝に吊り下げてあった。前々日の雨でトレースは固められており、ワカンは不要との判断。軽量化&ペークハントという意味では至極正解かもしれない。我々は最初からスノーシューを着用。沈み込みは皆無だが、ファストではなく足取りはスローだ。信州にしては重たく感じられる雪が足元と樹林に絡みついている。ニホンザルによって噛み剥がされた?樹皮が目立つ。
10:00、BCから400m余りを登り、P2024付近のシラビソの森へ出た。この辺りまで担ぎあげなければ、本峰へのハントは無理だろう、我々の実力では。
ここからひと登りすると、標高2170m付近の夏道と合流する。指標は確認できたが、三股からのトレースは皆無だった。
ここから先はあまり踏み込んだ登山者はいないらしく、かなりの深雪となった。もっともワカモノ2名のトレースがあったのでルーファイには困ることはなかったが、ワカン無しではかなり潜っていた痕跡が。すなわち我々にとってはスノーシューの恩恵が得られた場所でもある。
11:15、合流点の先あるP2207付近、前常念や蝶槍が眺望できるはずだが、影もカタチも視認できなかった。
再び樹林帯の登路へ。午後から天候は回復するというヤマテンの予報だったが、そのそぶりさえも見受けられない。ただ雪がしんしんと降り続くのみ。
12:10、P2355と思われる地点へ。いやそのちょっと手前かもしれないが。
まだ余力はあるが、ここを撤退場所と決めた。このまま暴風雪吹き荒れる森林限界上に出て、必死こいて行動すれば前ジョニーまではピストンできるかもしれない。しかしそれも眺望あってのこと。それがない現在、リスクとハードワークを引き換えにする根性(と実力)はなかった。
この地点で、すれ違った記憶のない単独男性が休憩?されていた。訊けばワカモノ2名はジョニーへと向かったとのこと。流石!
下山は快適だった。パウダーとは言えないものの、そこそこ乾いた雪の斜面をスノーシューで軽快にダウンヒル
岳は終始ガスに覆われたまま、結局天候が回復することはなかった。15時前にはBCに戻り、再び水作りと早い夕食の準備。
当会の掟?により、基本的に雪山における燃料は
温度計で外気温を計測していないのでわからないが、マイナス10℃以下にはなっているだろう。煮炊きする際は換気のためにテントの入口を開けているのだが、そこから白い煙が外からテント内に移動している様がよくわかる。もちろん白い煙とは冷気に他ならない。
18時頃になって外をふと見ると、キレイに星
もっとも今回は、出発時に三脚と星景写真用のレンズは置いてきた。それはたぶん、天候が回復しない確率の方が高いと判断しての選択だったが、それが当たって嬉しいような悲しいような・・・
床に入ってゴロゴロしていると、テントの外から複数の若い男子の声が。明るく会話も弾んでいる。これはP2355で出合った前泊地不明の単独行ではなく、例のワカモノ2名だろう。翌日、ゲートには彼らの乗ってきたクルマは既に無かったので、この日のうちにヘッデン下山をした以外には考えられない。ジョニーを踏んだのかどうかはわからぬが、ここで再びう〜む
翌朝1/2はかなりの雪(笑)。というのも、ワカモノ達が去った後、稜線方向からうねりというか、唸りというか、尋常でない烈風が断続的に吹き荒れてきたのである。日本海に発生した寒冷渦(上空の気圧の谷)の影響だろうが、はっきり言ってちょっとビビった。もちろん南東尾根の樹林は、この暴風からも我々を守ってくれた。
また幸いなことにテント撤収の朝には、その風も収まってくれていた。
ひと晩での積雪量は20cmぐらいだろうか。ただこの適度な降雪が幸いした。トレースを完全に消すことなく、また煩わしいササヤブを埋めてくれたのだから。
出発が8:20と相変わらず遅いが、1時間ほどで林道へ降り立ち、11:30にはゲートに到着していた。う〜ん、3時間ちょっとなら、18時にP1596.8からの下山もアリかな・・・とちょっとだけ思った(ないない 元日のわずかな晴れに期待したが、今回は天候も行程(実力)も敗退した正月山行となった。まあ、また来ることだろう。
山行日:2012/12/31(月)〜2(火)
形態:ペア
天候:1日目雪,2日目雪,3日目雪 撮影機材:PENTAX k-5,18-135mmF3.5-5.6 |
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この宵はとにかく冷えた。それでも仕事シゴト
まずは月明りの北ア稜線。ISO1600設定で10秒前後の露出が基本。
20時頃から小屋の外に出ていったが、かなりの数の星屋さんが居て、立派な機材で撮影されていた。
下界はまだまだ宵の口という感じで、賑やかなイルミネーションが灯っていた。
私も2時間ぐらい撮影したのだが、−10℃を下回る冷え込みのため、2時間はもたなかった。下半身から冷気がぞくぞくと侵入してきて、小屋に戻り布団にもぐりこんだ後も下半身(フトモモあたり)の震えが止まらなかった(こんなのは初めてだ)。
翌朝4時過ぎに再びゴソゴソと起きだし、今度は星景(月が沈んだので)のシゴト。
(小さな流れ星が飛んだ)
池ノ平や大峰ほどの空の暗さはないものの、この白き高峰が星景を引き立てているのは間違いない。ISO感度を6400まで上げ、O-GPS1を作動させて淡い天の川をカリカリに強調させた。
撮影日:2012/11/24(土)〜25(日)
撮影機材:PENTAX k-5,18-135mmF3.5-5.6,samyang14mmF2.8,O-GPS1 |




