臆崖道の山日記

何かこのブログも閉鎖されるみたいですねw

気象蘊蓄

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さて、気の早い山ヤ(山ヤじゃなくてもそうか)は、梅雨明けマダ―――と思っているかもしれない。そうでなくてもこの海の日3連休だけでも晴れてと思っているだろう。
 
全国的には曇りマークが多い3連休の週間予報だが、関東甲信地方はマークも付いているので、夏山アルプスへGO!と思っている方も多いだろう。
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しかしワタクシ的には、中部山岳の天気は良くないと思っている。
●まず南アルプスは山梨の予報じゃなく松本や飯田、北アルプスは長野ではなく富山か高山を参考にすべき(風向きを考えたら当たり前)。
●下界の天気と3000mのそれとは異なる場合が多い(今回はそれに該当するパターンだと私は考える)。
そこで高層天気図の登場だ。
まずは基本となる500hPaの高度図から。
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以前にも述べたが、梅雨明けの目安は5880mコンター(サブハイ)が北上していくことだ。リンク先の2年前の海の日に合わせたかのように、サブハイは日本列島を覆い尽くし、全国的に梅雨は明けた。
今年はどうか?
7/16にはサブハイは東北北部まで上昇し、一見梅雨明けするかのような動き(の予想)だが、その後はまたまた後退。
さらにはこの連休前後の張り出し方が、西日本で弱い(=右肩上がり)の等高度線となっている。これは西谷(西の方で谷になっている)という気圧配置で、するとオレンジ矢印のように、フィリピン近海にあるアジアモンスーンからの湿暖流が日本に流れ込みやすい状態である。
 
よって梅雨明けはまだ、1〜2週間先になると、私は予想。
北陸地方の梅雨明けの平年値は7/24ごろ。去年と一昨年は異常に早かっただけ。
 
さらに850hPa相当温位図には、何やら不穏な兆候が・・・
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梅雨どきでなくとも、夏場は寒気の動向よりもむしろ“相当温位”の動向が、雨の多寡の目安となる。相当温位について詳しい説明は省略するが、数字が大きいほど『暖かく湿った空気』ということになる。
今回は上図にある345K(ケルビン)以上の空気に注目されたし。
fuji_shimizuさんのように、“湿舌”という言葉をよく理解されている山ヤなら、上図を見たらちょっとのけぞると思う。湿舌は大雨をもたらす可能性がある空気の指標。それがまさに舌先のように、日本列島(特に西日本)を舐めまわす予想になっているではないか。
 
ただし、これはあくまで予想図。今後変わる可能性も高いが、果たして3連休のアルプスの天気はどうなるかな?

 
2012/7/13 AM0時追記
最新の予想によると、どうやら3連休は後半ほど良くなる見込み。特に関東〜中部山岳では15-16と晴れ間も見込めるとのこと。前線の活動が不活発なるとの見解だ。
ただし、梅雨明けはまだ先のようだ。
 
ということで、これは出動準備態勢かな
 

金環日食の天気と機材

前日までの天気分布予報は、かなり厳しいものだった。
一応は高気圧の圏内であるが・・・
①高気圧後面の東風による吹き付け、そして②上空の気圧の谷、さらには③南岸をゆっくり進む前線という3拍子が揃っては、予報屋もどきの私もかなり諦めの境地だった。
 
前日(5/20)11:00発表の分布予報↓ 奈良〜生駒辺りがわずかに晴れのエリアとなっている
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同日17:00のそれは、もう少しマシな予報になっているが、やはり全国の金環食帯は雲の多い分布になっている。これを見ると兵庫,愛知,そして群馬,栃木辺りが狙い目か。
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しかし仕事を休んでまで遠征するつもりはなかった。上の分布予報やGPV雲量予想は、あくまでも確率の数値予測であり、わずか数分間の金環食の間の晴れを保証するものではないから。
また直前になって、とある専門家によると当日朝は低い雲が占めるとのこと。なので2000m以上の高い山に登った方が見れる確率が上がるかも、とあったが、さすがに紀伊山地は湿った東風でガスるだろうし、南ア深南部に登る根性と賭けのキモチも持てなかった。
 
日付が変わる頃、自宅の外に出て空を見上げるが星は全く無し。ほとんど投げやりになって床に就いた。
そして当日の朝---枕元に明るい斜光が射し込んできた。
 
気圧配置は前日の予想とほぼ同じだったが、前日の空を占めていた上層の雲は東へと去っていったのだ。下右図は5/21 7:30の赤外衛星画像。南岸〜関東に掛かる白っぽい帯状の雲が、実は上層の比較的薄い雲(赤外画像では濃く映る)。
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もっともその雲の西側には、今度はやはり低い雲が出没しており、西日本エリアはその影響を受けていたのだが、奈良市街は金環食が終了するまでスッキリと晴れてくれたのだ 
これはお天道様に感謝するしかない。
 
昨年の皆既月食以来の登場となる75EDHFだが、黒点もキッチリと映してくれた。
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金環日食はもちろん初体験。今まで生で見たことのない食分(欠け方)に突入し、細く細くなっていく太陽に思わずコーフン。
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そしてベイリービーズも瞬間的にカメラは捉えていた
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いよいよ世紀の瞬間と言っても過言ではない、金環食に突入
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まことに刹那的な金環食の時間であったが、こうして生で観測できて感謝。
そして月はまた反対側へと抜けていき、別の黒点が姿を現した。
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DAレンズ(f=135mm)の方でも撮影したが、やはり個々の画像では小さすぎる。そのため、まとめてスライドショーとしてUPします。 こういうUPの仕方は考えていなかったので、インターバルの感覚も、そして露出もバラバラで申し訳ありませんが、こんな感じで食は進んでいったのです 
 
 

撮影日:2012/5/21(月)
撮影機材:PENTAX k-5,75EDHF直焦点,f=18-135mmF3.5-5.6
 
そして今回用いた減光フィルターだが、
DAレンズに装着したのは、左のND100000フィルター(φ58㎜)。ステップダウンリング(62→58)で18-135に装着。
光学ファインダーは使用せず(赤外光は減光されていないので直接ペンタプリズムを見るのは危険)、ライブビューで構図を合わせることになる。
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(左:カメラ用ND100000,右:アストロソーラーフィルター)
 
そして75EDHF用のフィルターだが、右の手作りの円筒(ボール紙を丸めて作成)にアストロソーラーフィルターを貼り付けたものをレンズフードに被せた。
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単なるアルミ箔のようだが、これも上のND100000相当(つまり光を10万分の1まで減光)なのだ。
 
こんなに弛んだ状態で大丈夫かいな?と思ったが、あまりにも薄いフィルムでできているため、全く問題はなかった。眼視用とあったが、撮影にも十分使えた(スライドショー以外の画像は、これで撮った)。
このアストロソーラーフィルターは太陽観測にはとても有用と感じたが、薄すぎて何らかの拍子に破れてしまったときは・・・ちょっと怖い
 
さて、お次の太陽関連のイベントは6月6日にある“ヴィーナストランジット”が控えている(晴れてくれる保証はないが)。なので皆さんも日食メガネは捨てない方がいいかも。
今日のトップニュースは、どこもかしこも『急速に発達する低気圧の影響で云々・・・』
業界用語的には、この“急速に発達する(温帯)低気圧”は、通称“爆弾低気圧”と呼ぶ。
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みけさんが仰るように、昨夜、突然日本海に現れた(小さな)低気圧。
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これが12時間後には、予報通り台風並み(それ以上か)に発達。
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そもそも温帯低気圧というのは、台風とは発生のメカニズムが全く違う。台風(熱帯低気圧)とは熱帯の海で蓄えられた熱エネルギーによって生まれ、発達するもの。それに比べ温帯低気圧は、暖気と寒気のケンカ(ぶつかり合い=混ざろうとするエネルギー)によって生まれ、発達するのである。
そして今回は、暖気(右側の高気圧から時計回りに流れる空気)と寒気(大陸から流れ込む空気)の差が、あまりにも強すぎた。その結果、このような大荒れの気象となったわけである。
 
(下図は4/3午後9時における上空5500mにおける気温の図。日本列島で20℃近くの温度差の空気がぶつかり合っている)
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しかしながら、この荒天は少なくとも5日以上も前から、気象庁はこうなることを予想していたのである(気象庁の観測・予報技術の精度の高さには、まことに敬意を表したい)。世間が注目していなかっただけ、と私は言いたい。
理由はある。
1.爆弾低気圧は、台風のように遠く離れたときから明確なカタチとなっていないこと。
2.先週末(3/31)にも同様かつ今回よりも小さめの爆弾低気圧が通過。そして立て続けにやってきた2発目が、ものすごい爆弾であったこと。
 
何故に爆弾低気圧は、中国大陸やシベリアにいるときは、ほとんど目立たないのか?
それはそこが単に冷たい場所だけ(異なる性質の空気が混ざり合う場ではない)だからである。
 
以前にも書いたと思うが、日本は四方を海で囲まれ、そして大陸とも近い存在であるため、暖気(海は暖かく湿った空気を運ぶ)と寒気(地面は冷えて乾燥した空気をもたらす)がぶつかり合う場所なのである。ゆえに地震も含めて常に自然災害とは切っても切り離せない国なのである。だから我々はもっと気象に関して知識を深めなければならない、と私は思う。
 
高度な防災技術は、我々を自然災害から守ってくれる。しかし一線を越えたときの、暴れ狂った自然は無慈悲だからだ。
 

さて、私が住む奈良市は、自然災害においてはまことに恵まれた場所であることが、今回の災害でもわかった。
これは本日(4/3)の、レーダー画像。
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太平洋から湿暖流(雨雲)が吹き込んでいるが、和歌山県の山地にぶつかって豪雨を落としてくれているので(すみません)、奈良他の近畿中部にはあまり雨は降っていない。
そして風も。
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室戸岬(上記画像の範囲外)や潮岬、そして和歌山市付近などは南からの強風・暴風にさらされているが、奈良盆地はやはり紀伊山地でブロックされているため、風は大したことない状態。
※風向きは、矢印の割れた方向から吹いてくるものと考えてください
 
雨も風も全部ブロックしていただき、奈良市民が安全に暮らせるのは和歌山県さまさまのお陰ですわ〜
 
と、夜になって風向きが西風に変わってきたよん(低気圧の後ろ側になったため)。
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この向きだと紀伊山地はブロックしてくれないから、生駒山みたいな低い壁だと、奈良市内も結構な強風が吹き荒れておりますわ〜
 
もっとも関東平野部なんて、公共交通がストップするぐらいの暴風みたいやけど(これも予想されていた事象)。
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この災害も単純な原因でもたらされている。何故なら風雪をもたらす冬の北西風には要塞のように守られている関東平野だが、南からの暴風に関しては無防備な地形だからである。
しかしこのようなパターンは、気象学的には稀である。強い台風が日本海に抜けたときも同じようなパターンになるようだが、実はそうはならない。台風のときは急速に衰える(エネルギー源である海水温が低いため)からである。
 

そして暴風は北日本へと移っていくが、今度は日本海側から寒気が入ってくる。今日の午前中、山陰地方は20℃近くもあったが、
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寒冷前線が通過後、急速に気温が降下(倉吉では、わずか3時間の間に12℃も下がった)。
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特大爆弾低気圧の影響はまだまだ終わらない。これから4/6にかけて、北陸〜北日本の日本海側では暴風雪にご注意ください。

悪循環と遅い春

日照不足の件は前に書いたが、ここのところ週末になると気圧の谷(とそれに伴う寒気)や前線がやってくるという、悪循環に陥っている。
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(上図は統計135°における上空5500m付近の等高度線の推移を示したもの。等高度線の凹んだ箇所(水色部分)が上空の気圧の谷にあたる。気圧が低いために、寒気が流れ込みやすく、また天気も悪くなりがち)
 
地上天気図でもこんな感じ↓
(これは先週の土日)
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(これは昨日の土曜日)
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そして今日も(昨日の予報以上に)悪い・・・
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この悪循環、まだまだ続く可能性が。つまり来週も・・・
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3/20(世間では祝日らしい・私には関係ないけど)〜3/22(木)は好天が続く見込みだが、金曜日には再び低気圧がやってくる予想。そして上空には深〜い気圧の谷(いちばん上の500hPa図参照)と、その後面にはまた強烈な寒気が(日本海側では雪)。
なかなか冬の寒さからは抜けきれないようだ。春、まだ遠し、かな。

日照不足続く

平日・土日含めてこのところ太陽の出番がかなり少ないなぁ〜と感じていたので、先月(2/13)からの1ヶ月間の奈良気象台における日照時間の観測データを集計してみた。
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上表から、この1ヶ月間(延べ29日間)の日平均日照時間は、3.0Hrとなることがわかった。平年値は4.38Hr/日だから、いつもの年の2/3しかお陽さんは顔をだしてくれていないということだ。
ちなみにこの期間の積算降雨量は、145.5mmであった。平年値では81.9mmなので、やはりかなり多い(2倍近い)ことになる。
 
私は(感覚的に)何かとすぐに『天候不順』という言い方に逃げるのは好きではない。しかし今回はデータが示すように、ここ1ヶ月間は雨や曇りがとても多いというのは事実だ。
 
3/11(日)に襲来した強烈な寒冷渦の影響も明日から抜けていき、晴れがやってくるが、今度の週末は一転して湿舌とも表現したくなるような湿暖流のクサビが打ち込まれる予想となっており、とてもだ(菜種梅雨とも表現したくなるような感じ・・・)。
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さて3/11に日本海側を襲った、その強烈な寒冷渦について、かなり顕著な気象の推移が見られたので解説しよう。
これが3/11の午前6時の地上気圧配置。
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男鹿半島付近とウラジオストクの南に、小さな2つの地上低気圧があり、既に東北地方の日本海側では雪が降っている状態。ただし、北陸地方はこの2つの低気圧の間に挟まれた格好になっており、相対的に高圧部であるためスカっと晴れていた。
私は当日の午前中は、琵琶湖の北東部(の山の中)に居た。前日までの曇り(後雪)予報以上に、やはりスカっと晴れていた
 
しかしこの小さな低気圧だが、上空5500mの高層天気図では、ジェット気流からカットオフされた強烈な寒気を伴った低気圧として描かれていた。
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しかも下層は(相対的に)暖かい空気が入っており、こんなときに上層に強烈な寒気が入ると、上層と下層の間で対流現象が生じ、積乱雲(雪雲)が(反時計回りに)渦を巻くように発達するのである。そして山陰地方からその渦の雪雲が、だんだんと近畿〜北陸地方へと流れ込んできたのである
衛星画像では、こんな感じ↓
 
午前10時
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午前11時
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午前12時
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午後1時
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私が居た琵琶湖の北東部では、12時までは青空であった。しかしこの雪雲がかかるや否や、一瞬にして横殴りの雪が降ってきたのである
 
15時になると、もう吹雪の中
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冬の日本海側の山岳ではよくあることとは言え、あまりの急変ぶりを身をもって体感できたので、印象深かった。
 

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