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海外医学論文の抜粋紹介 不安障害と内分泌疾患(甲状腺/糖尿病その他)

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副甲状腺ホルモンと不安、うつ症状

こんな論文を見つけたので報告します。

ちなみに、副甲状腺の摘出手術を受けた原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺が腫れたり過形成を起こしたりすることによってホルモンを作り過ぎてしまう病気)の患者さんたちの不安症状が改善した、という内容の論文です。よく、副甲状腺ではなく、甲状腺の病気で精神症状が現れるのは知られていますが、この論文では副甲状腺が不安症状に関連していることを証明しています。

副甲状腺とは、甲状腺の内部にある別の器官で、PTHというホルモンを作っています。このホルモンが高過ぎたり低過ぎたりすると様々な症状を引き起こします。カルシウムは骨の健康だけでなく、筋肉を動かしたりと様々な所で必要で、異常が大きくなると心臓や肺、脳にも影響し、命に関わることもある重要なミネラルです。そのため、副甲状腺がPTHというホルモンを出して非常に厳密に体内のカルシウムをコントロールしています。

原発性副甲状腺機能亢進症はこのホルモンが多過ぎるために、骨からどんどんとカルシウムを取り出し血中に放出してしまうため、主に骨や腎臓に影響があらわれる病気です。以前は珍しい病気とされていましたが、健康診断が義務化したことにより、血中のカルシウムを検査するようになったため、多くの患者がいることで、実は珍しい病気でもないことがわかってきました。しかし、実際に甲状腺の専門医以外の内分泌の専門家でもこの病気を正しく理解している人はそれほど多くありません。


「上皮小体切除種手術を受けた原発性副甲状腺機能亢進症の患者における血清中カルシウムと副甲状腺ホルモンの精神状態と認知機能への影響の変化」

イェール大学医学部 2011年


抄録
目的:本研究の目的は二つあり、一つは原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)患者の上皮小体切除手術(今の所、唯一の決定的治療法)の施術前後の精神状態と認知神経に起こる変化の時期とその程度を評価することと、もう一つは血清中の生体標識(カルシウム等)の変化が精神症状/認知能力にどういった関連性を持つかを調査することである。

背景:pHPT患者の精神状態と認知神経の変化は頻発するが、血清中の生体標識の変化との関連性は未だわかっていない。

方法:2004〜2008年の間に専門医の紹介を行う機関を通じて往診、検査によってpHPTと診断された後に最初の上皮小体切除手術を受けた全ての成人を対象に前向きコーホート研究を行った。生体検査、精神症状の調査、確立された認知神経検査法を使った検査を手術前と術後1、3、6ヶ月に行い結果を得た。評価項目は血清中カルシウム、インタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)、甲状腺刺激ホルモン、精神症状評価尺度として(ベックうつ病自己評価尺度第2版、簡易精神症状評価尺度-18、状態-特性不安検査)、認知神経心理検査として(レイ聴覚性言語学習検査、グロトン迷路学習検査)とした。

結果:212名の患者が参加、平均年齢60才、78%が女性で併存する疾患は少なかった。78%の手術が通院で最小限の観血手術法によって行われた。完治率は99%であった。全ての術後患者において精神症状と認知神経の評価項目の改善が見られた。特にうつ症状と不安症状、視覚空間/言語記憶の改善が最も顕著であった。術後の副甲状腺ホルモン(iPTH)の低下は不安の減少に関係していることが検査の数値から解明された。また、視覚空間動作記憶の改善とも関連性が見られた。

結論:術後の原発性副甲状腺機能亢進症患者の情操、不安症状の低減は副甲状腺ホルモン(iPTH)の値の低下と視覚空間動作記憶と関連性がある。


元リンクhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21233611


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