全体表示

[ リスト ]

 供。複卻|了垣尼崎の事故の教訓‐ゆとりと体験の重要さ‐
 
 JR福知山線の大事故から3週間以上経過した。実はその前日に福岡での
ランニング学会の帰路に、大阪空港からJR伊丹駅までバスに乗り、そこか
らあの路線に乗車し帰路についたのだが、いつも最寄りの大阪天満宮駅の出
口の関係で、もっとも死者が出た二両目くらいに乗るし、遺体安置所がよく
行く尼崎陸上競技場の個人利用の前に訪れる体育館でもあり、あのカーブは
普段乗っていて、電車が名神を過ぎて尼崎で乗り換える時は、降りる準備の
目安にしていたので、何か複雑な印象である。
 亡くなった方のご冥福を祈りつつ、今回ほどゆとりと体験の重要さを認識
させられたことはない。以前の福知山線は国鉄時代は、デイーゼル機関車が
牽引する客車が走っていて、遅いが空いているのでそれが好きで利用したこ
ともあったが、JRになったり、電化で高速化し近くを走る阪急の乗客を奪
い、JR東西線に乗り入れ、さらに利便性を増していった。今回はそれが大
失敗を招いたといえるが、電車を走らせる側の方針と乗る側のニーズが、そ
れに拍車をかけたといえる。
 電車自体は高速が出せる車両になっても、路盤やカーブ、ATSが改良さ
れたのではなく、快速も止まる駅が増えるので何かトラブルが起きても、そ
れを回復することは容易ではない。

 にもかかわらず駅をオーバーランしたら、それを責められテレビで紹介さ
れた日勤教育が待っていれば、事故を起こした運転手に非はあるものの、あ
る種の被害者、犠牲者の側面も有していると思う。JR西日本の快速、新快
速が近年揺れが激しい印象があったが、大なり小なり無理なダイヤが組まれ
、それを取り返す無理がついに大事故を呼んだのだろう。そのせいか、今の
JR西日本の新快速などに乗ると無理に遅れを取り返さないために、2〜3
分の遅れが恒常化しているそうだ。
 これはある種日本人や、関西人の体質的な問題から考えるべきである。よ
く民営化すれば効率があがることや、成果があがることが語られるが、多く
の民間企業が過剰なリストラで、一時的に利益を上げるがそれは短期的には
効果をあげても、過労死、うつ病などになり年3万人の自殺、企業さえ良け
ればそれでいいという方もいるだろうが、人減らしの結果、安全管理の人が
減り、あちこちで工場の大事故や製品のリコールが相次いでいる。
 
 また団塊の世代が2007年から大量定年になり、その後の人材確保に最
近やきもきし出しているが、もし就職氷河期に何人かずつでも各企業が人材
を採用していたら、若者の多くがフリーター暮らしで年金も払えず、国が急
に対策に乗り出す必要も無かった。一瞬の判断では分があっても、少し長い
サイクルで考えれば理に適わない選択が本当に多い。
 民営化での合理化もJR東日本など2割弱なのに、西日本は4割くらい減
らし、技術を伝える繋ぎ手の30代の運転手がいないことなど、目の前の結
果で人命のみならず、かえって会社の利益を台無しにしたといえる。
 ではどうしてこうなるのか?ゆとり教育批判にあるようにゆとりを怠ける
と考えがちだが、ゆとりがないとアクシデントが取り返せない。日勤教育な
ど恐怖心を与えて表面的な恭順をしているようで、組合対策を兼ねてする方
が快感なり、妙な納得をさせたと思うが、人間を萎縮させて安全の前に怒ら
れては行けないことが優先され、あの大事故に繋がった。

 ゆとりは電車ダイヤだけでなく、教育を含めて無理しないことで永続する
有効な手段と理解しよう。田原総一朗さんがある雑誌で、表面的に勉強がで
きる人は赤い帽子の人が16人、人数が40人なら白い帽子の人は残り24
人とパッと答えるが、偏差値40くらいの子は帽子を忘れる子とか、帽子が
汚れて色がわからない人もまで考えることが多く、創造的な仕事にはこちら
が向いていることを指摘されていた。
 つめこみ教育ではこういう判断はむつかしいし、漫画の一休さんは休むこ
とであのとんちが出てくるのである。日本人はこういうセンスが本来あった
はずなのだが、この問題、関西人には特に問いたい。
 昔の関西人には「ぼちぼち」という言葉に代表される、中庸で永続できる
価値観があったが、東京との経済格差が開いたことや、横山やすし的な攻撃
的漫才が取り上げられたりすることで、穏やかな部分が無くなったり、待た
されることにすぐ怒るので、乗客がすぐに怒ったりして、ついつい列車ダイ
ヤのみならず、車の運転とか企業経営一般にしろ、慌てすぎとモラルの低さ
が恒常化していると思う。日本人、特に関西人はそれを自戒すべきだ。

 ただ今回救いだったのが、事故の周辺の工場や住民が積極的に、事故の乗
客の救助に協力し、消防や医療の対応も良かったことがあげられる。10年
前の阪神大震災を経験して、緊急時にどうすべきかや、非常に認識したこと
があげられる。起こっては行けないが、経験にまさる薬はないのだろう。
 そういえば新潟中越地震や今年の福岡の地震で飯の準備時間なのに火災が
無かったのも、経験ではないにしろ繰り返し地震や防災の特集がくり返され
た効果は大きいと思う。JRはもちろん、各自いい意味のゆとりを持つこと
で、経験と学習を踏まえ肝心な時の大失敗を防いで行ければと思うのだが。

 次週5月26日号 その1 第23回ランニング文化セミナーの案内と
       秋のフルマラソンに向けてのアドバイス第1弾
       その2 日本道州制研究会5月例会を終えて

この記事に

閉じる コメント(3)

顔アイコン

今朝アクセスカウントが6000を越えました。13〜15日頃、ヤフーのブログ全体が不調で、その間のアクセス分は積算されていないのですが、ほぼ3ヶ月で6000。だいたい月2000なんで、見ていただいた方多い部類なんでうれしいです。 なお文の右側を空けているのは、A4でプリントして端が切れないようにしているからです。是非プリントしたり他の方にもこのブログを教えてくださいね。 山中鹿次

2005/5/19(木) 午前 7:01 [ ランニング関西:山中鹿次 ] 返信する

顔アイコン

本日はアクセスが多く、高橋尚子、尼崎事故への関心の高さに驚かされます。バツクナンバーも是非お読みください。 山中鹿次

2005/5/19(木) 午後 8:29 [ ランニング関西:山中鹿次 ] 返信する

顔アイコン

本日、カウントが7000を越えました。26日からは道州制研究会5月例会とか、ランニング文化セミナーの特集と少々地味になりますが、引き続きご覧になってください。またお知り合いの方にトラックバックや、お気に入りブログに入れていただければありがたいです。 山中鹿次

2005/5/23(月) 午後 9:33 [ ランニング関西:山中鹿次 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事