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非常におもしろい。
著者の高橋さんは、歴史研究が専門ではありません。
東京大学で、西洋哲学を研究されています。
つまり、
哲学の観点から、賛否両論の「考え方=哲学」を研究したこの本。
靖国神社は、ふつうの神社ではなく、特殊な法人であることは知っていましたが、
靖国派と、護憲派(憲法20条)のお互いからの思考の衝突を、非常に冷静に書いてあります。
明治天皇がつくったこと。(近代の施設)
靖国派の中にある葛藤。(国立の別の追悼施設をつくろうという案)
いわゆる「血」のイメージ。
「特別」だということと、「一般的」だという両面の論理。
他国にも同じような「追悼」の施設は一般的にあるが、それは敵味方関係なく「追悼」している。
しかし、「味方」のみを「顕彰」している施設は世界的に類をみない。
(批判を受け60年代に、敵側も追悼する小さな小さな祠を敷地内に立てた。)
当然、幕末に徳川側についた敵側もそうである。
神社と違うあたりは、戦時中、キリスト教も仏教もすべて軍令で靖国神社に参拝することを指示されてきた。すべての宗教を超えて「道(道徳)」という位置づけだった。
など、など。
特に「追悼」と「顕彰」の違いが、こんなにあるのか!という驚きを覚えました。
(後から追って悲しむこと と 先から称えて死ぬことを喜びと思うこと)
きっと高橋さんでないと書けないでしょうね、哲学的な捕らえ方をしないと。
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