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たばこの匂いが染み付いた狭い車内で京子はその肩を小さく震わせていた。
「まあ、でもさ、みんな最初はそんな感じだよ。それが2回3回とこなしていくうちに別になんてことないじゃんって気付くの。実際いいお客さんばっかりだしね。そりゃあたまには迷惑なのもいるよ。でもそんなのはほんとにたまにだから」
「迷惑って、例えばどんな?」
京子の問いに運転席の岡田は少し沈黙した。
「そうだなぁ。酔っぱらいとか、あとは、そうだな。しつこい人とかね」
今度は京子が沈黙した。
察したように岡田が言う。
「まあまあ、ほんと迷惑なお客さんってのは稀だから。それに何かあったらすぐ俺のケータイに連絡ちょうだい。ドア蹴破って助けに行くから」
ニコッと笑った岡田は前歯が一本無かった。
悪い人間ではないが40を過ぎて首もとの縒れたTシャツに黒パーカーではどうしたって人生の成功者には見えない。
「さあ着いたよ。ホテル桃薔薇。お部屋は302号室。いってらっしゃい、ひなのちゃん」
ひなの。
それが京子のこの職場での名前だった。
大した荷物など入っていない業務用バッグがずっしりと重く感じられた。
橋本京子2[ ハミィ ]
2014/7/9(水) 午前 5:56
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やみけんの虹
[ bad**yte*o ]
2014/7/8(火) 午後 11:29
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やみけんの虹
[ bad**yte*o ]
2014/7/8(火) 午後 11:29
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302号室のドアの前に辿り着くと京子は目を閉じて深呼吸をした。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫」
心の中でゆっくりとつぶやく。
そうしてドアを小さくノックした。
「はいよー!今開けるからちょっと待っててー!」
ドアの向こうから聞こえてきたその声に京子は少し動揺した。
程なくして開けられたドアからひょいと顔を覗かせたのは小太りに眼鏡、左目の上のほくろが特徴的な30代前半の男だった。
「およよ!こいつは美人なお姉ちゃん!今日のオイラはツイてやがんな?」
勝手に怖い中年男性をイメージしていた京子は拍子抜けした。
そして、癖はありそうだがひょうきんな目の前の男に心から安堵した。
部屋の中に招かれ、促されるままにベッドに腰掛けると男は尋ねた。
「おいくら万円?」
「は?」
「いやいやお姉ちゃん。は?じゃなくて、おいくら万円?」
京子はそこまで言われて我に返った。
それまでの極度の緊張が一瞬ほぐれていたために自分がデリヘル嬢としてここに来たのを忘れていたのだ。
京子は顔を真っ赤にして言った。
「すみません。えっと通常料金18000円に私が新人なので3000円割引で150
[ ハミィ ]
2014/7/9(水) 午前 6:24