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ストーリー:第1次世界大戦下、フランス北部の最前線デルソーで、
敵対するフランス・スコットランド連合軍とドイツ軍兵士たちは
クリスマスを迎えることになった。
そんな中、ソプラノ歌手アナと彼女の夫でドイツ軍兵士のテノール歌手ニコラウスは、
塹壕で聖歌を披露するのだが……。
感想;戦争の悲惨をドンパチ画面だけで説明しようにも、
所詮戦争を体験していない私たちには実感として分かるはずもない。
ただ悲惨を観念だけで捕らえるだけだ。
この映画では、戦争の悲惨を「血や痛み」というマイナス面ではなく、
人々の「交流」というプラス面を通して語られているから、
大変現実味があって感情移入できた。
冒頭の突撃の前、司令室の片隅でただ一人、恐怖のプレッシャーに嘔吐する司令官の姿。
目的が公的な死であれ、私的な死であれ、死を目前にした人間の心境なんてそんなものだろう。
国としての義務から戦争には参加するけど、
誰だって出来ることなら殺し合いなんてしたくない。
そんな極限のプレッシャーの中、クリスマスイブという「共通の観念」が入り込んだ時、
そこに歩み寄ることでお互いに救いを見出そうとした心境は、とてもよく分かる。
どこか滑稽で心温まる場面に光が当たっているから、
「戦争の悲惨」がその影で際立っていて心に染みた。
敵同士とはいえ、一度お互いが「ホンネでは殺し合いを望んでいない」ことを確認しあった時、
情が移ってしまうのは当たり前だ。
相手を敵として憎んでいるのは、国の上層部やこれから出征する兵士など、
戦う相手の顔を見たこともない人間だけ。
戦争なんてものは、国レベルの損得でしか勘定できないことであるのを思う。
悲惨な状況の中で、唯一の共通観念であり正義であるはずの宗教さえ、
戦争のための道具にしかなりえない。
キャッチコピー:不明
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