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ストーリー:ジョージア州の貧しい家庭に生まれたレイ・チャールズ・ロビンソン。
彼は、病弱ながらもけなげな母アレサによって弟と仲良く育てられた。
だがある日、弟が溺死してしまう。
そしてレイも7歳の時、視力を失った。
以来、“音”に光明を見いだしていくレイ。
1948年、17歳になった彼は、バスでシアトルへ旅立った。
そこで間もなくピアノの才能を認められたレイはバンドのツアーに参加し、
盲目の天才と呼ばれるようになる一方で麻薬に溺れ始める。
それでも52年にはレコード契約を結び、
やがてゴスペル・シンガーのデラ・ビーと運命の出会いを果たすレイだったが・・・。
感想:アメリカではもちろんのこと、全世界で伝説の偉人と認識されているレイ・チャールズ。
そんな彼を本作は決して美化していない。
もちろん彼の数々の偉大な功績を称えていますが、
人間優れている所があればその反面、醜いところもある。
貧困、黒人、失明、そして幼くして経験した弟や母の死。
そんなトラウマを一生背負いながら音楽界の偉人は生きていく。
しかし、それに耐え切れなくなり薬に手を出してしまう。
女性関係や金のトラブルもつきない彼。
見た目は偉人だが、中身は普通の人と同じように、またそれ以上に弱く、
もろく、崩れやすい人間なのだ。そんな彼をいつも支えてくれたのが母の教え。
物語の中で頻繁に出てくるこのフラッシュバックが間違いなく素晴らしい。
映像も目が見えていた過去の記憶は色彩豊かで、色調が強く、
逆に目が見えなくなっている現在は、煙ったい、ぼんやりとした雰囲気が全体に漂っている。
このフィルムの使い分け。まさにプロフェッショナル。
そんな彼が薬、女、金よりも愛したもの、それが音楽である。
彼の演奏しているシーンにはまさに神のような雰囲気が漂い、
魂を込めて歌い、弾き、踊っている。
ラストには盲目という暗闇の世界に生きる彼が人生でも
暗闇のどん底に立たされながらもそこから這い上がって、栄光を勝ち取る。
栄光に満ちた人生と思われがちな彼の人生。しかし彼の人生は数々の波乱に満ちている。
そんなレイの表と裏の顔を隠さずさらけ出したことによって、
観客は彼に共感することが出来たのだと思います。
そして、去年他界してしまった実際のレイも、きっとこの作品の出来に満足し、
ジェイミーの演技に満足し、天国であの彼独特の笑い方で微笑んでしょう。
キャッチコピー:レイ・チャールズ――音楽、恋、そして人生。
彼は、生きること全てにおいて<天才>だった。
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