ジオン・ズム・ダイクンの死後、ザビ家独裁による「公国制」に移行したサイド3は、自治権獲得から地球連邦からの完全独立を目指し、武力衝突をも視野に入れた政治体制へと激化していく。
地球連邦との圧倒的な戦力差を覆すべく、電子機器の無力化が実証されたミノフスキー粒子に着目。ミノフスキー粒子散布下での対艦用機動兵器として開発されたのがモビルスーツ「ザク」である。
U.C.0073年、制式に「MS-05 ザク1」が配備され、秘密裏にその実働データ収集と改良が施されていき、76年には、ザク1の問題点をほぼ全て克服し、より実践的に進化した「MS-06 ザク2」が配備され順次、機種転換が行われることとなる。
ここまでがザク2に至るまでの大まかな経緯です。ここまでは初期のレポゥトでもご紹介した事がありました。
ここからが本題です。
0076年の段階で配備されたザク2は初期型の「A型」と呼ばれる仕様です。
A型はザク1の問題点こそ克服しているもののインフラ面も含めた細かな問題点は山積してました。必勝が義務づけられてジオンにとって、来るべき開戦に向けて更なるデータ収集と性能向上が施されることは言うまでもないと思います。そこで誕生したのが、A型に装甲強化を施し対艦・対コロニーへの核攻撃を想定した「C型」。A型で収集された実働・製造・整備に至るあらゆるデータを考慮し、より安定した生産と運用を主眼に置き、トータルバランスを向上させた「F型」をロールアウトします。
C型は一年戦争初戦で戦果を挙げますが、南極条約締結により核攻撃が禁止された為、重装甲が不要となったのでF型への改装、または廃棄されていき姿を消します。
F型は宇宙での空間戦闘を主眼にしつつ、コロニー内外、月面の低重力、地球上の1G下、あらゆる活動領域をノンオプションで投入でき、整備性も含めた高い汎用性が特徴の機体であると言える。以降、ジオンの新型MSがF型と何らかの関係性を持つことになる。
ジオン独立戦争は当初は南極条約締結で完遂する予定で、地球降下作戦はあくまで保険的意味合いが強かった。しかしグラナダでは製造過程のF型から宇宙用装備と推進剤を組み込まない地球降下作戦用とおぼしき機体を少数生産し、地球降下部隊に配備された。これが「J型」の雛形であったと見るべきだろう。
結局、南極条約は当初の予定と大幅に違った内容となり、地球降下作戦が現実のモノとなったのだが、グラナダの司令官がキシリア・ザビ大佐(当時)であることを考慮すると、仮に南極条約が予定通りに締結されたとしても地球降下作戦は実施されていたのではないかと思われる。
やや話はそれたが、まずはF型とJ型との比較してみる。簡単に言えば全領域で活動可能な「汎用型」のF型と、地球環境のみに特化した「地上型」のJ型。基本コンポーネンツはほぼ同一で、ジェネレータ出力も同じであるが主に違いが3つあり、第一の違いは「ジェネレータの冷却方法」である。
F型の宇宙用触媒による冷却方式
F型の主要領域である宇宙空間ではあらゆる行動に運動エネルギーを必要とする。故にロケット噴射による推進、制動やAMBAC&アポジモーターによる姿勢制御が不可欠である。強大な運動エネルギーを発生させるジェネレータの発熱量も膨大である。宇宙空間での廃熱は風や水と使った冷却方式が使用できないため、宇宙専用の冷却剤を使用し、ジャネレータの発熱を強制的に冷却・排出しなければならない。推進剤も冷却剤も多量に必要とし、更にそれを機体に内装しなければならない。
無重量状態の宇宙では、機体バランスが取られていれば重量の問題ないといえるが、1Gという環境においては機体バランスの上に、可能な限り軽量であることが有用性の高い兵器としては絶対条件になる。
J型の空冷式冷却方式
地上には重力があるため移動手段は基本的に脚部での歩行・走行で行われる。緊急時のジャンプ以外は推進機能を基本的に必要ない。つまり姿勢制御用アポジモーターを始めとする宇宙用機材と推進剤を最小限にスポイルでき、軽量化できると言えるだろう。そしてパワーウェイトレシオをF型と同仕様にするならば、この軽量化により空冷廃熱方式でも運用できるレベルまでジェネレータの負荷が抑えられ、冷却剤も不要になるので、更に軽量化が可能となる。
純粋な軽量化とエネルギー効率を重力下仕様特化させる事により、脚部への負担が大幅に軽減され、余剰スペースには必要に応じた機材の装備を可能としたことで、予想以上に多用している地球環境に適応した局地戦用MSのベース機として機能する事が可能であったと推察される。
第二の違いは外観はほぼ同じでも、役割に大きな違いが存在した脚部である。
推進器を始め、あらゆる機能を有するF型脚部
宇宙空間な運動エネルギーにより推進と姿勢制御が必要なのは前述したと思う。背部と脚部のメインスラスターで推進するのだが、特に脚部には推進ロケットの機能とは別に、各部に姿勢制御用のアポジモーターとANBAC効果を生むための慣性運動機能や推進剤のプロペラント、更には歩行機能など、多くの機能が複雑に混在する特殊な部位といえる。
歩行器としての機能に限定されたJ型脚部
複合機能を有するF型に対し、重力下で不要な機能を捨て、そこにできた余剰スペースに脚部を保護するショックアブソーバーを装着し、歩く・走るといった歩行機能に限定することで、歩行機能を格段に向上させ、重力下で最も重要な軽量化と走破性を獲得したといえる。
第三に関節・内装器機類への防塵処理
MSと兵器である前に精密機械である。各関節を始めとした可動部分や補記類を保護するための処理の違いである。F型は標準的な防塵処理が施されているが、ジオン開発部が予想していた以上に地球環境は精密機械に苛酷であり、大気中の水分や埃、気象環境による影響が危惧された。そこでJ型には空冷方式のジェネレータと平行して、高性能の防塵フィルターと関節各部への防塵処理強化が施され、低深度であれば水中戦すらも可能とまでされた。
ふたつの標準
「J型」が本格的に生産されるのはキャリフォルニアベース制圧後、無傷で手に入れた製造区画をMS生産用に改修した後であり、本基地で生産されたザク2は全てJ型であったと言われている。当初は足場の悪い湿地帯や軽度の寒冷地に優先的に配備されたが製造・改修が進むにつれ、一部を除き地上配備のザク2はほぼJ型に更新される。しかし砂漠、熱帯、極寒地といった局地環境はJ型でも対応し切れず、現場兵士の要望に応える形で本格的な局地戦仕様への開発が行われるようになる。局地戦用MSの開発には、J型がベースとして使われた当然のことであり、このことが地上用に特化したはずのJ型がF型に次ぐ標準機としての地位を獲得したことになる。
一方で、それまで標準機とされたF型は地上用MSの標準機をJ型に任せた事により、宇宙戦に特化した仕様への道を辿ることになる。
だいぶ思いつきで始まった俺研レポゥト「ザク学」。
おかげで自分の首を絞めている事にいまさら後悔しているわけで・・・次回は更に強く首を絞めることになりそうですが、なんとかこじつけて(?)いきますのでよろしくお願いします。
長々と読んでいただきお疲れさまでした。
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