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のどがカラカラに渇き、呼吸するたびに、煙が立つようにハーハーと微かに音を立てた。自動販売機の涼しげなライトが手招きしているかのように人を呼び寄せる。コインを入れれば、つかの間至福を手に入れるが、飲んだお茶がすかさず全部汗となって、服と肌をくっつかせ、余計汗を誘っている。
夜空が缶詰のような暗闇になって、まわりを包み込む。空気がよどんでいる。
そのよどみを打破するように、微かに風が吹いた。
一瞬、ちょうど頭上に、あたりまっ昼間のように明るく照らす閃光がひかり、と同時に白い雹のような雨粒が視野を遮る。「ドーン」と砲丸が当たったようなけたたましい雷が響き、轟音とともに地面が揺れる。
盆をひっくり返したかように降り注ぐ雨の筋が地面に、木に、人家の壁に、傘に、草に、田んぼに激しく敲きつけ、跳ね返って矢のように乱射している。もはや傘を持つ意味がなさない。
立て続けて稲妻が天地を照らして馳せる、雷がはらわたに響く。
目の前に真っ白な雨のすだれを掻き分けながら、私は懸命に自転車を漕いでいる。
天と地の境目がなくなり、東西南北の分別がつかない。天の川がどっと流れ落ち、人家の屋根から無数の滝がごうごう鳴り響く、地上の縦横無尽に無数な小川が激流し、下水道へと迸る。
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