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今日から中国で、ようやく兎年に入ったわけです。
ここでは少しウサギについて語りましょう。
(一)
兎は日本では、動物を数える量詞「匹」や「頭」を用いず、鳥を数える「羽」で数えます。その訳とは、獣肉食が禁止されていた時代、大きく長い耳の形状が鳥の羽を連想させることから「ウサギは獣ではなく鳥だ」と見なして食肉としていたそうです。さらに、洒落た説明をこねてウサギはウ(鵜)とサギ(鷺)に分けられるから鳥だとこじつけたらしい。
それは、トンチのようであり、まさに「うそも方便」ですね。
(二)
ウサギは耳が大きく長いお陰で、物音をいち早くキャッチして、すばやい足で逃げる。ゆえになかなか捕まりにくい。どの世界でも情報収集が大事ですが、それに伴い、行動力(速い逃げ足)がないとやはり命取りになるという実例だと思います。
逃げ足が速いことから、ずるがしこい動物とされています。中国古典の「兎死狐悲(兎死すれば狐これを悲しむ) 」には、ウサギは「狡猾」の代名詞「狐」と同類にされています。また「狡兎三窟」とは「用心深く難を逃れる」ため、多くのねぐらを持つウサギへの「ほめ言葉」、その智恵は今の悪い官僚や政治家などにも受け継がれているようです。
(三)
物事が順調に進むことを「兎の登り坂」。では「兎の下り坂」はどうかというと、笑ってしまうほど捕まりやすいのようです。なぜなら、ウサギは後ろ足が長く前足が短いため、上り坂では体の傾き具合が水平になり、坂を上るのに強く;一方、下り坂では前かがみのようになってしまうから、坂を下るのは苦手のようです。東京の上野公園に塑像がある西郷隆盛さんは「うさぎ追いしかの山」を唄いながら(笑)、薩摩犬をつれて兎狩りするなら、坂の上から下へ追いかけたことに違いないでしょう。
日本の「因幡の白兎」ではワニを騙した報復として皮を剥がれたり、中国の「守株待兎」では、わき見しながら走って、木の切り株にぶつかって死んだり、イッソプ寓話の「兎と亀」では、油断して、亀に負けたりして、総じて昔話では「ずるがしこいことを考えるが、どこか抜けている」というような役をあてがわれることが多いようです。
このイメージがあるからこそ、兎は憎めない動物であります。人間も仕事も生き方も、完璧を求めすぎると、面白くありません。
(四)
今までの話は主に食うか食われるかの駆け引きに関する話題です。このほかに、兔は縁起に担ぐ象徴にもさ
「とにかく」、「ともかく」や「とかく」の語源となっている「兎角亀毛(とかくきもう) 」は兎に角が生え亀に毛が生えるという、起こるはずのないことが起こることの喩え。凶兆の一つとされていました。
いるはずがないと言うが、アメリカのワイオミング州等に棲息すると言われているジャッカロープ(Jackalope、ツノウサギ)は、鮮明な写真資料が残されています(http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4SUNA_jaJP284JP284&q=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%80%80%E5%86%99%E7%9C%9F&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=Lt5KTZmGCIP5cdyIpYEM&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CCwQsAQwAA)。
世の中のこと、「絶対」という言葉を謹んで使うべきですね。
(五)
もちろん、縁起いいものもあります。
月に兎が住んでいるという伝説は、インドから中国に伝わり、「玉兎」、「蟾兎」と月の代名詞にされました。さらに日本へ伝わると、尾びれをつけて、兎が月で餅をついていると言います。
「蟾兎」という名称には「ひき蛙」と兎がならんでいます。昔の中国人は欠けては満ち、満ちては欠け、輪廻転生を繰り返す月には、強い生命力を感じていました。
人間は生き返ることができないから、強い生命力といえば、子孫繁栄のほかなりません。
「蛙」は一度にたくさんの玉じゃくしを産み、子孫繁栄の象徴にあやかり、中国では子供を「蛙」と似た様な言葉「娃(wa1)娃」と呼んでいる。
一方、兎は年中生殖行為を行うという生き残り戦略を獲得したため、非常に繁殖率が高い、やはり子孫繁栄の象徴とされていました。
同じ理由で、西洋では(性的)誘惑のシンボルとされ、カウンターレディーの(バニガール)コスチュームに選ばれ、 米国の成人誌『PLAYBOY』のキャラクターにもなっています。
同じ現象を見ても、違う人、違う民族が感じ取ったものは自ずと違っていますね。十人十色だから、世の中が面白いです。
(六)
中国語の「兔子尾巴長不了(兎のしっぽ、長くはない)」とは物事が長続きしない例えです。久々書いたので、長く書けないでしょうと思ったら、こんなだらだらと伸びてしまいました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします。
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