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年賀状を出したら、久しぶりに大好きな人に会えた話は少し前に書いた。
もう一つ年賀状効果として、大きな出来事があった。
私もきーちゃんも大好きだった、あるミュージシャンと連絡が取れなくなってから
もう5年以上経つ。
5年ほど前、彼はクレジットカード1枚を持って家を出てしまった。
それは、彼のお母様からの便りで判明したのだ。
そのお母様とはお会いしたこともないし、お話したこともない。
彼がいなくなってしまったというお便りをいただいただけだ。
その後も彼の名前の横に「お母様へ」という宛名を添えて、私は毎年年賀状を出し続けた。
そういえば、私はお母様のお名前も知らなかったのだ。
そんな便りを受け取って、もしかしてお母様は迷惑だったのかもしれない。
彼から連絡がないのだから、私へ返事の出しようもないだろう。
今年、そのお母様から久々に返事が来た。
「多くの皆さんに支えられて、息子が元気で暮らしていることがわかりました」
まだ家に帰ってはいないが、彼の無事が確認できたという。
根拠は特にないのだが、彼とまた絶対再会できるという確信が私にはあった。
だからまだお会いしたこともないお母様に、年賀状を出し続けていた。
そしてそれが今年実を結んだのだ。
彼の歌は、優しくそれでいて力強く、ひとつひとつの言葉を大切にする歌詞に
それを包み込むようなメロディーが乗っていた。
今でも時々彼のライブ録音のテープを聴くことがある。
録音マイクの近くに私が座っていたので、私の笑い声や野次などがかなりうるさく
聞き苦しい録音ではあるが。
彼はいろいろな人に支持されて、メジャーデビューも果たしたし、
彼の曲は、テレビ番組のテーマに採用されたりもした。
でも繊細すぎる彼の感性は、商業音楽の世界に合わなかったのだろう。
家族や友達を大事にする彼が、ある日突然何も告げずに旅に出てしまったのだから
余程の事だったに違いない。
今、彼と再会できる日は、そんなに遠くない気がしてきた。
彼の曲の中で旅人が主人公の歌がある。
私もきーちゃんも大好きな1曲だ。
これをジキジキでカバーしようという話は以前から出ていたが、何となく取り掛かれなかった。
でも、彼が元気でいる事が確認できた今なら、歌える気がする。
そして歌う事で、彼に早く会えるに違いない、そんな根拠のない確信がまた生まれている。
明日、久しぶりに彼の歌を聴いてみよう。
きっとお母様からこの知らせをいただく前とは、違う感覚で受け留められるだろう。
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