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志賀直哉旧居を後にして、文学記念室へ。
ここには主に林芙美子に関する資料が置いてあった。
中では養子の「たいちゃん」に宛てた、ひらがなばかりの葉書が印象に残った。
文学記念室から少し下りた所にある、古民家を改造した茶室で抹茶と桜餅をいただく。
ここでかわいいイラストの絵葉書を見つけた。
芙美子が養子のたいちゃんに旅先から便りを出したように、私も大切な人に葉書を書こう。
仕事で訪れた旅先から便りを出すのが習慣なのだが、最近は絵葉書を見つけるのが一苦労。
手書きで便りを出す事が少なくなっている最近では、土産屋に絵葉書を置いていない事が多い。
でも尾道は違う。ここは文学と絵の町。絵になる景色に溢れて、絵葉書があちこちに置いてある。
いつもは絵葉書を見つけるのが大変だと思っているから、気に入らなくても見つけ次第買っている。
今回も駅で見つけた写真の絵葉書を迷わず買った。
これが失敗の素。ここ尾道では後から後から気に入った絵葉書がどんどん見つかる。
写真よりも絵やイラストの葉書の方が私は好きだ。
桜が咲くには少し早いけれど、海を眺めながら桜餅をいただくのは、この季節ならではで
ぜいたくな時間である。ここで何人かの友人に便りを書く。木製のちょっとでこぼこした机がいい味を出している。
こんな景色と机とおいしい抹茶と菓子があれば、名文のひとつもひねり出せる、ってなもんだ。
豊かな時間を過ごした後、商店街まで下りてきて、感じのいい和食の店を見つけたが、今日は休みとのこと。
とりあえず今日の昼食は尾道ラーメンにしておこう。
前回来た時も感じのいい女性がやっている店に入ったが、今回入った店「たに」でも
きれいなママさんがてきぱきとラーメンを作ってくれた。
ライスとおかず(今日は春巻きと唐揚げ)が付く日替わりメニューを頼む。
揚げものが2点ついているので、スープにたくさん浮いている背油は、
あまりすくわないようにしてスープを少し飲んだ。
延泊した事は決めたが、宿がまだ決まっていなかったので、海沿いにある尾道ロイヤルホテルに電話して
空室と部屋でパーソナルコンピューターが使えるか確認。両方大丈夫だったのでチェックインに向かう。
宿を出て、文学記念室で見せてもらったDVDに出てきた芙美子像を見てから、喫茶「芙美子」に向かう。
店に入ると、白に少し茶の混ざった猫が「ニャー」と鳴いて出迎えてくれる。
人懐っこい猫で、席についてからも寄って来て、しきりに話しかけてくる。
私が「ニャー」と応えると、その猫も「ニャー」と返す。
竹下夢二の絵に出てきそうな女給さんのかっこうをしたママさんといろいろな話をした。
中庭の奥には林芙美子の旧宅が公開してあり、店内には直筆原稿や写真が展示してある。
林芙美子の本が自由に読めるようになっていて、販売もしていた。
尾道での生活を描いた「風琴と魚の町」を少し読んでから、また何人かに便りを出した。
旧宅に建物維持のための募金箱が置いてあったが、私は募金というのが苦手で、
あまり現金を出した事がない。
寄付した金がどう使われるか不明だというのが、主な原因だ。
でも喫茶「芙美子」のママさんとご主人は信頼できると思ったので、寄付という形ではなく
飲み物を追加して売り上げに貢献する事と、4冊ほどの書籍と店のオリジナル・スプーンを買う事で
協力できればと思った。
現金を寄付するより、自分に必要なものを買う方が抵抗がない。
これで帰りの新幹線での読み物は、ますます困らなくなった。
宿に向かう途中写真屋の入口のガラス戸の向こうに、ヨークシャテリアがちょこんと座っているのを発見。
少し首をかしげてこっちを見ている。この店の看板娘ならぬ、看板犬なのだろう。
飼い主と周りの人に可愛がられているのが、容易に想像できた。
宿に戻って少し休憩し、メールなどを確認してから、夕飯に出かける。
写真屋の横にあった和食屋も捨てがたかったけれど、もう少し庶民的な居酒屋「ままかり屋II」に入った。
ここにも感じのいいママさんと若い娘さんがいらして、尾道の事をいろいろ聞く事ができた。
元々は岡山の方だそうで、メニューにもままかりが出ていた。今日は残念ながら入荷していなかったが
他の物もみなおいしかった。
広島風お好み焼きがあまりに大きかったので、さすがに食べきれず包んでもらった。
サラダも半分残してしまったので、これも包んでもらったが、
熱いものと冷たいものを別々の袋に分けてくれる所が嬉しい。
宿で少し休んでおいしいものを食べたので、また元気になって
昔遊郭があったという辺りに行ってみた。
小さなスナックが所狭しと立ち並んでいて、店内から調子っぱずれで歌うオヤジの声が聞こえてきた。
街並みを眺めて帰る予定だったが、「JazzとShellの店」という看板に惹かれて「ロダン」という店に入ってみた。
落ち着いたカウンターがあるバーだったが、奥が広くなっていて昔はJazzのライブもやっていたそうだ。
めがねの優しそうなマスターと、これまた美人の奥さん。45年ここで店をやっているという。
45年も店を維持するってすごい!
店内にはマスターが収集した貝殻やカニ・サメなどのはく製、蓄音器・ブリキのおもちゃ類が展示してある。
100円入れると音楽とセリフが出てくるあやつり人形は、四つのボタンを押すとそれぞれ両足、タンバリン、シンバルが鳴るしくみになっていた。
私が入って来た時は誰もいなかったけれど、カウンターがいっぱいになってきたので宿に帰る事にした。
いやぁ、尾道の初日は盛りだくさんだったなぁ。
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カオルコちゃん、途中から夏目漱石の作品を読んでる気分になっちゃいました(^^ゞ。この文才は、普段のカオルコちゃんに、やはり尾道の空気や林さんが舞い降りたものかも知れませんね(^-^)。カオルコちゃんの文才と云う、もう一つのわらじがみえたような私の主勘でした(^^ゞ。
2010/3/26(金) 午前 8:25