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王位戦二日目が終わった。そして明日から名人戦が始まる。
そのトーナメント表を書いた。
私が大きな模造紙1枚にトーナメント表を書き始めて、3〜4年経つだろうか。
参加者から「遠くからも見やすくてきれいね」と言われると、本当に嬉しいものだ。
でもこれまでのどのトーナメント表よりも、今回の名人戦の表ほど魂を込めて書いた事は今までなかった。
いつもはマジックペンで書いた後、家の冷蔵庫に貼って少し離れてみては、「おっ、なかなかうまくいったなぁ」と悦にいったりしていた。
しかし、今回の名人戦の表はあちこちが気になって仕方がない。
プレイヤーの名前を書き始める前に、名人戦だから毛筆風にしようと思いついた。
最近筆ペンを使って手紙を書いたり、気に入った文をノートに書き写したりしている。
だから筆ペンには、だいぶ慣れてきたつもりだった。
書いている時はいいのだが、書き終わってから見てみると、とんでもなくがっかりすることがよくある。
先日大好きな知人から初めて手紙をもらって、「香子さん 字がすごい上手いですネ!ピアニカも・・・・」なんて書いてあったもんだから、嬉しくって3秒ほど気を失っていた。
気を取り直して読み返してみると「すごい上手い」と書いたあたりは、どう転んでも社交辞令だ。
彼の字も男らしくて読みやすいし、「日ペンの美子ちゃん」が書いた模範的な字より私は好きだ。
メールではなく、手紙をくれたことにかなり驚いたし、
私が手紙を出したので、無理をして手紙で答えてくれた事がとても嬉しかった。
自分の手で字を書かなくなると、本当に簡単な文字を忘れたり間違ったりする事が多くなる。
先日「順不同」という字を間違えて「順不動」と書いてしまった。
それを指摘された時は、顔から火が出て、おまけに着火する時の「ボッ」という音までしっかり聞こえた。
大袈裟ではなく、舌を噛んで死にたくなるくらい恥ずかしかった。
字を間違えたくらいでいちいち死んでいては、命がいくつあっても足りないので
せいぜい大好きなあの人にせっせと手紙を出したり、筆ペンで本の文章を書き写したりしようではないか。
「よしっ、これじゃ!」と満足のいく字は死ぬまで書けそうもないが。
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