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尾道を夜19:00くらに出ると、その日のうちに家に帰れる事は、事前に調べてあった。
小雨の降る尾道の石畳を歩いている時に、いやいやこれじゃあ19:00までに行きたい所すべてを回るのは無理、という判断をして
ええい、もう1泊してしまえ!と心に決めた。
相方に「ごめん、もう1泊していい?帰ったらちゃんと部屋の片付けするから・・・」とメールを打っていた所、
その相方から電話が。
おずおずと「あのね、もう1泊してもいい・・・・?」と聞くと
「ああ、いいよぉ」
と拍子抜けするくらい、あっさり了解されてしまった。
しめしめ、これで「帰ったら部屋の片付けするから」という交換条件は満たさなくて済む。
昨夜泊まったホテルは「尾道ビュウホテルセイザン」。名前の通り眺めがいい。
着いたのは24:00近かったので部屋のカーテンを開けた時の夜景を見て、1人で「おおおおおお!」と盛り上がってしまった。
観光はまず駅から歩いて回る事にした。古寺が立ち並ぶ小道をただひたすら歩く。
寺巡りが趣味ではないので、ほとんど寺には立ち寄らずに、景色を眺めながら歩く。
途中火事の焼け跡を見つけた。
つい最近火事が起こったようで、まだ少し焦げ臭いにおいが漂っている。
玄関に花や菓子が供えてあって、どなたかが亡くなったようだ。
この狭い石段では、消防車が上って来れないし、消火活動が難しそうだ。
後から土地の人に伺ったが、離婚したお母さんが4歳の息子さんを寝かしつけてから
玄関にカギをかけて出かけた後、火事が起こったという。
その坊やは玄関までたどり着いたけれど、カギを自分であけられずに焼死してしまったそうだ。
つい先日起こった事らしい。やりきれない話だ。
私たち観光客は、この小路や石段は風情があっていい、なんて呑気な事を言えるが
ここに生活している人は、様々は不便をかかえているのだろう。
水洗便所が増えたけれど、まだ汲み取り式の家も多く、長いホースをつないで区域ごとにバキュームカーが
回ってくるらしい。
ゴミ収集も、車が入れない所は収集係の人が天秤棒を担いで車まで降ろす等々。
火事現場の玄関で手を合わせて、歩を進める。
最初の立ち寄り場所は、志賀直哉旧居。
この文豪が「暗夜行路」などを執筆した部屋が、そのまま残されている。
今日は連休明けで来館者もそれほど多くないので、館長さんが丁寧に説明して下さった。
「暗夜行路」の中から2種類の朗読テープを流していただき、まさにそれを執筆した部屋で聴く、という贅沢を味わう。
志賀直哉は父親との確執からのがれ、知人に勧められた尾道を訪れ
そこで出会った少年と二人のばあさんが親切だったし、景色の良さが気に入って
三軒長屋の一軒を借りることになる。
金持ちのおぼっちゃまだった直哉が、壁に空いた穴に新聞を突っ込んで寒さをしのぐという貧乏生活を耐えたそうな。
庭先には館長さんが枝に刺したみかんに、つがいのメジロが寄って来ていた。
もう1週間もすると、山に帰ってしまう時期だと教わった。
ちょうどいいタイミングで彼らに会えた事に感謝。
昨日広島のボランティアガイドをしている岡本さんから伺った事を、この館長さんに訪ねてみた。
昨夜と今朝のタクシー運転手に聞いたが知らなかった。
猿の形をした墓石があるというのだ、それがどの寺にあるかは、岡本さんも知らなかった。
館長さんも知らなかったが、観光協会に電話で問い合わせてくれた。
それは山王神社にあって、ここの御使いは狛犬ではなく猿なので、石猿がお社を守っているとのこと。
墓石、というのは岡本さんの勘違いのようだ。
と思っていたら、観光協会からまた電話が。
いや、福善寺に桃を抱いた猿の墓石があるという訂正が入った。
やっぱり岡本さんは正しかった。
館長さんは、自分が知らなかった事が解明されて、とても嬉しそうだった。
「連休中だったら、観光協会も忙しくてそんなに丁寧に調べてくれないですよ」と明るい声で私に告げる。
やはり私は、いいタイミングでここに来たようだ。
げ、最初の志賀直哉でこんなに書いてしまった。
では続きはまた明日に。
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2010年03月24日
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楽しかったバックギャモン大阪オープンを終えた夜、打ち上げを泣く泣く断念して、友人帽子屋お松が出ている京橋花月の芝居を観に行った。
これに関しては、簡単に書いて済ませるほど軽く扱えないので、後日詳しく述べるとして
翌日は広島例会に参加した。
昨年世界チャンピオンになった望月正行が大阪に行くので、その翌日に日程を合わせて開催されるという特別例会だ。
私もそれに乗っからせてもらう事にした。
広島例会はいつも万ペイという店で開かれていて、ここには3〜4年前仕事のついでに一度寄ったことがある。
その時も歓迎してもらったけど、今回も支部長の金井さんが、私が会場に入るなり
「観たよ〜〜〜、テレビ!」と大きな声で迎えてくれた。
金井さんはたまたま3/8のHEY!HEY!HEY!をお母さんとご覧になったそうだ。
確かに、つけていたテレビに偶然知り合いが映ると、盛り上がるのはよく分かる。
テレビ出演は、こうして滅多に会えない人に観てもらうのが、嬉しいものだ。
今回は特別開催なのでいつもの万ペイではなく、原爆ドーム近くの広島市青少年センターで開かれた。
当日初めて参加しました、という方も何人かいらして、なかなかの盛況ぶり。
私は4勝1敗と、大阪の大負けを少し取り戻した。
東京以外の例会は、勝敗よりも初めて会う方や久しぶりの方と対戦できるのが、何より楽しい。
そこでお会いした岡本さんは、ボランティアで観光ガイドをしていらっしゃると言う。
翌日尾道に行く事を告げると、ガイドブックには載っていないような情報を教えて下さった。
物の整理ができない私が、たまたま捨てないで持っていた尾道の地図に、それらを書き込んだ。
郷土への誇りを持ち、歴史・文学などに詳しく、
短い時間で私にいろいろな事を熱心に伝えようとする岡本さん。
こういう出会い一つ取っても、広島まで来てよかったと思わせてくれる。
昨年仕事で九州に行く時に立ち寄って気に入った尾道、こんなに早く再訪できるとは・・・・。
岡本さんからいただいた情報を持って、その尾道へ向かった。
つづく
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