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5/6バックギャモンの名人戦の立ち合いを途中で切り上げて、上野広小路亭に向かう。
前日、王位戦の会場でミニライブをやった事も手伝って、バックギャモンの仲間が寄席に来てくれるという。
だがこうった口約束は実行されない事が多い。
「じゃあ、電話するから」と言った人が音信不通になるなんてザラだし、
「また電話するね」と言っているのに、私の番号を知らない場合だってある。
「絶対今度ライブ行きます!」と抱きついてきた人が、酔っ払ったノリで言っただけなんてのはしょっちゅうだ。
だから口約束は期待しない事にしている。がっかりしたくないし、その人を恨んだりするのはお門違いだ。
ライブを観た直後は確かにそう思っていたのだろう。その気持ちにきっと偽りはない。
でも次のライブの日に、家が鉄砲水で流されたかもしれないし、嫁が急に産気づいたのかもしれない。
それぞれの事情があるし、酔いがさめると同時にジキジキ熱も冷めてしまう訳だ。(エボラ熱みたいでやだな)
この日は期待していなかっただけに、高座に上がって見知った顔を見つけると、気持ちが急激にはじけた。
きーちゃんが最初の挨拶を三つほど事前に考えて喋っているのに、いちいち茶化したりおどけたりして邪魔をした。
後から二人の言葉がかぶったりぶつかったりして、何言ってるのかわからなかったと非難されたが、今日は特別だからしょうがない。
一番前にいた男の客が、落語の時から大きな笑い声をたてたり掛け声をかけたり、楽屋までそれがびんびん響いていた。酔っ払いかと思ったが、そんなにタチは悪そうではない。
案の定、私たちの時にも大声で突っ込みを入れてくる。
周囲の雰囲気を壊したり、他のお客さんの迷惑になる場合もあるが、たいていこういう客は「おいしい」事が多い。
そのヤジとも応援とも取れないような掛声に、うまい返しをしたり、迷惑なふりをしてこき下ろしたりすることで笑いが取れる。
あまりかまいすぎると他のお客さんをおいてけぼりにするので、無視すべきところはあえて反応しない、といった微妙なさじ加減が必要なのだ。
今回の場合はうるさいけれど、程度をわきまえたタイプだったので、随分盛り上げてもらい感謝したいくらいだ。
寄席は当日出番の後半になると割引することが多いが、この日も¥1,000で入れたみたいなので、ちょうどよかった。
私たちが出演する15分間を観るだけに\2,000とかは申し訳ない気がするから。
終わった後、すぐに帰らなきゃならない人を除いて、みんなと飲みに行った。
王位戦が終わった開放感もあって、ずいぶん楽しい時間を過ごすことができた。
2軒目には、以前バックギャモンパーティを毎月やっていた湯島のシャインズに行ってみた。
テーブルにまだバックギャモンが常備されていて、たまにマスターもやっているという。
それがとても嬉しかった。
定期的には無理だけれど、時間のある時にまた行ってみよう。
上野広小路亭に出る時は昼間が多かったけれど、夜席もけっこう座席が埋まっていて盛況だった。
知り合いが来てくれた場合は、終わってからそのまま飲みに行けたりして夜の方がいいな、なんて思った夜だった。
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