人生論・状況論への招待

映画鑑賞、心象風景・時代風景への視点

振れ幅の大きい複雑な人間が縋り付く、ごく普通のサイズのヒューマニズムに収斂される「弱さの中のエゴイズム」 ―― 映画「羅生門」の本質

1  高貴な侍夫婦が深い森の奥を通りかかった時、その事件は起こった 邦画史上、最高の作品を選べと言われたら、私は躊躇なく、以下の3作を挙げるだろう。 成瀬巳喜男監督の「 浮雲 」・今村昌平監督の「 赤い殺意 」、そして、本稿で言及する黒澤明監督の「 羅生門 」である。 振れ幅の大きい、複雑な人間の本質に迫るような完成度の高さを見せ、魂が震えるようなこの3作を超える邦画は今後も出現しないと、私は思っている。 (因みに、現代の映画監督の作品の中から敢えて選べば、グリーフワークを完璧に描き切った是枝裕和監督の「 幻の光 」と、「人生」の「どん底」のゾーンで動けない女の中枢を、男のストロークが移動させていく縁(よすが)の物語を過不足なすべて表示すべて表示

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