人生論・状況論への招待

映画鑑賞、心象風景・時代風景への視点

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1  テストステロンは「勝ちのホルモン」である
 
 
筋肉の強度・性機能の維持・太い骨格・逞しい身体に表現されているように、人間の闘争心の原動力となっている男性ホルモン ―― それが、「勝ちのホルモン」と言われるテストステロンである。
 
しかし、「幸福感」や「意欲」の源泉となる、このステロイドホルモン=テストステロンには、残念ながらと言うべきか、加齢による劇的な劣化がある。
 
精巣(睾丸)で合成され、分泌されている男性ホルモンテストステロン・女性にも少量は分泌されている)の加齢(概ね40歳以降)による変化から起こる症状を、「LOH症候群」(ロー症候群)と定義されている。
 
LOH症候群」は男性の加齢疾患なので「男性更年期障害」と呼び、「メタボリック症候群」のリスクが増大する現実と共に治療対象として見なされるようなったが、その背景には急激な高齢化社会の現出という厄介な事態の到来がある。
 
うつ病と酷似する「LOH症候群」の症状は、精神症状と身体症状に峻別できる。
 
前者は、不安・抑うつ状態・不眠・健康感の低下・無気力・焦燥感・疲弊感、・性欲現象・集中力と記憶力の低下など。
 
また後者は、頭痛・めまい・耳鳴・頻尿・性機能低下・発汗・筋力低下・筋肉痛など。
 
最近の報告では、毛髪の元となる細胞(毛母細胞)の働きを低下させる作用があり、薄毛と関係の深いホルモンと言われ、運動によって海馬(長期記憶の中枢)におけるDHT(ジヒドロテストステロン=悪玉男性ホルモン)が有意な上昇を示すことが明らかになっている。
 
―― 「テストステロン」についての、以上の把捉(はそく)をベースに、以下、「日本型リベラル」というラベリングによる乱暴極まる議論を俎上(そじょう)に載せて、一考していきたい。
 
 
2  「日本型リベラル」というラベリングは「為にする議論」である
 
 
ここでは、茶番に終始した例の「佐川喚問」(2018年3月27日)の翌日、「別冊正論」(31号)経由で、産経が掲載した興味深い記事について言及したい。
 
記事を投稿したのは、動物行動学研究家・竹内久美子
 
題して、「『日本型リベラル』の真相は何か」
 
以下、竹内久美子の批判含みの問題提起。
 

「『日本型リベラル』と呼ばれる人々をご存じだろうか。共産主義、社会主義が失敗に終わり、所詮は絵空事でしかなかったと判明した今でも、その思想にしがみついている人々。日本に特有の存在である。思想に沿わなければ妨害する。単にしがみついているだけなら、個人の自由だ。問題なのは彼らが、自分たちの思想に沿わせるために、思想に沿わない事柄に対し妨害行為をとるということだ」 

 
動物行動学研究竹内久美子は、冒頭から、「日本型リベラル」ラベリングされる文化人・研究者の狭隘な思考・行動を分析する。
 
「ここではこの分野(動物行動学・進化生物学の研究者)の大半の人間は『日本型リベラル』ではないこと明言したうえでぜ日本には特殊とも思える考えの人々が存在するのかを考えたい」
 
こう言い切った後、竹内久美子特殊な考えを持つ「日本型リベラル」研究者が、科学的事実よりも思想を優先させることで諸事を捏造(ねつぞう)すると断じる。
 
その捏造の内実は、精子間競争の歴史的な状況について不分明であることを認めた上で、「アムネスティインターナショナル」でさえ、全面的に合法化すべきだとする決議を採択した売春を完全に否定し、「婚外交渉」(浮気)などあってはならないという「思想」に拠って立ち、(動物行動学・進化生物学の研究の成果を)捏造すると言明するのだ。
 
「卵(卵子)の受精を巡って複数のオスの精子が争うこと」(精子間競争)を例に挙げ、「キンゼイ報告」(1/4の子供が性的虐待を受けていて、既婚男性の50%が浮気しているという報告)を初めとする、如何なる〈性〉の実態調査でも、皆一様に、浮気が頻繁に行われている事実を無視し、「人間を研究することを許さない」という「日本型リベラル」の欺瞞を衝(つ)くのである。
 
して、一気に結論に至るのだ。
 
以下、その結論。
 
『日本型リベラル』と名づけられるほど、日本に共産主義、社会主義に惹きつけられる人間(特に男)がなぜ多いかだ。それはまず日本人の男が、欧米やアフリカ系の男と比べ、男性ホルモンの代表格であり、男の魅力を演出する、テストステロンのレベルが一般的に低いため、普通は彼らほどには男としての魅力がないからではないだろうか。

だから日本人の男のなかでも、テストステロンのレベルが比較的高い男は、男として魅力的で浮気もしがちになるだろう。しかし、テストステロンのレベルが比較的低い男は、男の魅力に欠けるし、浮気もしない(浮気したくても女に相手にされない)。

この後者の男たちが、共産主義、社会主義にこのうえなく惹かれ、『日本型リベラル』と呼ばれる特有の存在となる可能性がある−それが真相ではないだろうか」
 
どうやら、これが、竹内久美子が論述したかった要旨のようである。
 
正直、途轍もなく乱暴極まる議論に絶句した。
 
 
 
「リベラル」という概念が、政治思想の分野に留まらず、あまりに拡散し過ぎために、却っ、混乱と曖昧さを膨張させてしまっているのが現状である。
 
そして、「日本型」という時の「リベラル」の内実は、「日本型」ではない「何もの」と比較しているのか。
 
その時の、「日本型」ではない「リベラル」の内実は、一体、何なのか。
 
には全く分らない。
 
更に加えれば、「欧米やアフリカ系の男と比べ、男性ホルモンの代表格」である「テストステロンのレベルが一般的に低い」と書くが、一般的に言われている事柄であっても、研究家であるなら尚更、前述した、西洋人との「血中インスリン濃度」の比較のような数字を提示すべきである。
 
「エビデンス中心主義」という世界の論壇の流れの中で、具体的な数字の提示なしに論述されると、読む者も、「テストステロンのレベルが一般的に低い」という前提受け入れることが不可避になってしまうのだ。
 
それに、「欧米やアフリカ系の男」ではないアジア諸国との対比はどうなのか。
 
そんなことまで気になる、ここで批評を進める。
 
結論から言うと、竹内久美子が言う「日本型リベラル」とは、単なる「左派」、或いは、「共産主義、社会主義に惹きつけられる人間」を意味すると言っていい。
 
だから、「日本型リベラル」の施政上の方針としての「政策」、大体、以下のように収斂されるだろう。
 
即ち、「大きな政府」・「福祉重視」・「自衛隊違憲論」・「護憲」「反米」「共和制」・「戦」・「特定秘密保護法の廃止」・「公務員」働者の労働基本権回復」・「再分配機能の強化」・「給付型奨学金の拡充」・「地域包括ケアシステム拡充」・「同一価値労働同一賃金」・「原発ゼロ」・「カジノ解禁の否定」・「農業者戸別所得補償制度の法制化」等々。
 
以上の「日本型リベラル」政策」を、具体的に拾い上げてみよう。
 
それなしに、乱暴極まる議論の内実に肉薄できないからであ
 
研究者・「進歩的文化人」のフィールドを超えて、現実の政治領域で言えば、「日本型リベラル」の代表格が「立憲民主党」である事実は論を俟(ま)たないだろう。
 
その「立憲民主党」の政策について言えば、「健全な日米同盟」・「特定秘密保護法廃止」「公務員労働者労働基本権回復」「税による再分配機能強化」・「福祉重視」・「原発ゼロ基本法の制定」・「給付型奨学金(返還不要な奨学金)の拡充」・「地域包括ケアシステムの拡充」・「同一価値労働同一賃金」・「カジノ解禁の否定」・「農業者戸別所得補償制度の法制化」等々の「政策」が、公式HPに掲載されている。
 
本稿のテーマから逸脱するが、以下、この「政策」の意味を検証する。


時代の風景  「 『リベラル』とは、個人の権利の行使が他人の権利の行使を妨げない態度の様態である」よりhttp://zilgg.blogspot.jp/2018/04/blog-post_16.html

 

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