YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

第九計 隔岸観火

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第九計 隔岸観火








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 解題にある「順以って動くは予なり、予は順以って動く。」は易経にある卦なので、説明は省く。
 それはともかく、解題を読めば見当が付くかと思うが、この計略は諺にある「果報は寝て待て」を、軍事や政略で実践する計略と言えよう。
 相手方の内部に紛争や内乱等の仲間割れ・内輪揉めが起こった場合は、情勢を静観をした方が良いという智恵である。
 そうすればこちら側は全くの損失を出す事なく、敵自身の手で敵の力を疲弊・消耗させられる。
 つまり計略名の字面にある通り、対岸の火事を決め込む事、手を出さずに高見の見物を決め込むのが要旨である。


 運用法が丁度【第五計 趁火打劫】とは正反対である。趁火打劫策はそういう状況になったら、すかさず攻撃の手を加えるのが要旨であるから。
 だから直接的な実力行使に及ぶ趁火打劫策を「動」とするなら、自らは直接手を出さず、敵の自滅や立ち枯れをひたすら待ち、漁夫の利を得る隔岸観火策は「静」といった処か。
 敵陣営内に混乱が生じた場合は、手を下すか(趁火打劫)、それとも静観するか(隔岸観火)、どちらの路線を選択するかは、よく状況を判断すべきである。
 でないと迂闊に手を出して却って藪蛇となり、逆効果となってしまう恐れがある。


 それと言うのも、例え内輪同士でいがみ合い、争い合っていても、いざ自分たちに共通して危険が降り掛かっているとなると、危機回避の本能が働くからである。
 すると険悪な間柄だったり、抗争中の敵対関係にある者同士でも、生き延びる為に御互いに手を取り合い、団結してこちらに立ち向かって来る。
 こうなっては逆効果である。だからこそこういう藪蛇を避ける為に、よく状況を見極めるのである。


 故にこの計略の運用法には、これまで論じたような、静観と高見の見物を決め込むと言ったものだけではない。
 こういった共通の敵に対しては、普段は仲の悪い者同士でも、利害が一致して一時的でも団結するという本能・心理を応用した運用法もある。
 それに関しては、『孫子』の第八篇『九変篇(きゅうへんへん)』にも、次の記述がある。


>>>>>
 それ呉人(ごひと)と越人(えつひと)の相悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)り風に遇(あ)うに当たりては、その相救うや左右の手の如し。
 この故に馬を方(なら)べ輪を埋むるも、未だ恃むに足らず。
 勇を斉(ととの)えて一の若(ごと)くするは政の道なり。
 剛柔皆得(う)るは地の理なり。
 故に善く兵を用うる者は、手を携(と)りて一人(いちにん)を使うが若(ごと)し。
 已(や)むを得ざらしむればなり。
<<<<<


 現代語訳すると以下の通り。


>>>>>
 呉人と越人は元々仇敵同士である。
 だがそんな間柄の両者でも、仮に偶々(たまたま)同じ舟に乗り合わせたとして、暴風にでも遭ったりすれば、左右の手のように御互いに協力する筈である。
 それには馬を繋ぎ、車を埋め、陣固めするだけでは不十分である。
 全軍の勇気を一体化させるには政治による指導が必要となる。
 強者にも弱者にも力を十分に発揮させるには、地の利を得ていなければならない。
 戦巧者はまるで一人の者を動かすかのように、全軍を一つに纏め上げられる。
 それは状況がそうならざるを得ないように仕向けるからである。
<<<<<


 これは自国内(組織内)に内紛や揉め事が起こった時等によく多用される手法であるが、国外(組織外)に共通の敵を拵えて、危機感を煽るのである。
 そうする事で一致団結させて、内紛や揉め事を回避させる。
 つまり「対岸の火事」ではなく、わざわざ「自分の家に飛び火」させるのである。
 自分の家にまで燃え移りそうだとなれば、生存本能が働き、内輪揉め等していられなくなるから、自然と共闘関係に持ち込み易くなるからである。
 そうする事によって、例え僅かな間であろうと、内紛による共倒れや自滅を回避しようとするのである。
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「第九計 隔岸観火」書庫の記事一覧

閉じる コメント(23)

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御名答!!やはり御存知でしたね!(^^)v

2012/8/27(月) 午後 6:36 ZODIAC12

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シナと韓国の仲は実はあまり良くなく、シナは竹島は日本領、韓国は尖閣は日本領と言っています。特定アジア同士の仲は思ったほど良くありません。台湾も一時は韓国嫌いから北朝鮮に接近したぐらいです。そういう意味ではシナと韓国のいがみ合いに持って行けばいいでしょう。

傑作&TBします。

2012/9/17(月) 午前 10:33 千葉日台

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最後ですが、どうもありがとうございました!

まあそんな所でしょうね。支那人は朝鮮人を日本人以上に、一番嫌っていると言いますからね(笑)。
この特亜の三国が共通する利害と言えば「反日」だけ。それさえなくなったら、互いに争い合ってもおかしくないですね。

尤も、そもそも隣接する国同士なんてのは、どこも仲が悪いのが当たり前ですから、別に不思議でも何でもないのですが。
やっぱり日本はガッチリ防備を固めて、後は攻め込ます隙を一切与えないでおけば、あちらは立ち枯れ、自滅するのかも知れません。


改めて4本の記事に「傑作」&返礼TB、どうもありがとうございました。<(_ _)>

2012/9/18(火) 午後 8:23 ZODIAC12

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ここを読んだら、旧ブログの記事を思い出しました。内輪喧嘩していても、外に共通の敵が出来たら団結するというのを読んで、なるほどと思ったのを思い出しました。
敵の内紛の場合は、ほんとに冷静な見極めが大切ですね。ある意味情報収集と分析の重要さが一番発揮されなくてはいけない時ですね。

ところで、外に共通の敵を作ることで内紛を棚上げにするというやり方は、まさに支那韓国の今の反日政策ですが、これは終わりのない政策ですからほんとにいい迷惑です。

日本側でもわかっていながら、いいようにやられっぱなしで、そのお先棒まで担ぐ売国奴や工作員がたくさんいるというのは、情けない話ですね。
いい加減スパイ防止法を作ってほしいものです。いつになったら可能になるのでしょうね。ちょっと憂鬱になりますよね。

2013/4/10(水) 午前 9:19 [ さざんか ]

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思い出して下さって何よりです。(^^)v

特亜三国だけでなく、嘗てアメリカのフランクリン・ルーズヴェルト大統領も使いました。
真珠湾攻撃を奇貨として、参戦の大義名分を得て、国内の不況問題・失業問題をも解決させました。この話は前ブログでも書いたのですが。

外部に共通の敵を拵えて、国内問題から目を逸らさせるなんていうのは、昔から未成熟な国家がよくやる手口ですよ。
結局はその場凌ぎにしかならないと思いますが。


スパイ防止法は一端の独立国家ならば、きちんと整備されてなければおかしいのですが・・・・(ーー;)。
共産党が戦前に散々苦しめられた治安維持法を逆恨みして、こういった法律の制定に対して、猛反対ばかりして来たというのも、一つの要因としてあるでしょうね。

安倍内閣や自民党に、そこまでの意志があるのか疑問に思いますが。保守として中途半端な政党ですから。

2013/4/10(水) 午後 4:13 ZODIAC12

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ルーズベルトはたしかにそうですね。結局その選択は、アメリカ自身にも後世にツケを払わせることになったし、確かにこの方法は、その場しのぎの政策でしかないですね。
中韓にも必ずそのツケが回って来ることでしょう。

自民党はピンからキリまでの議員がいますからね。安倍総理も、やれることやれないことを冷静に判断して、少しでも多くやりたいことでしょうが、スパイ防止法はなんとか早く欲しいものですね。
維新の会と安倍内閣の連携での国会質疑は、なかなかうまくいっているようですから、自民単独ではダメでも、2党でやればなんとかなるのではという気もしています。

2013/4/16(火) 午後 5:18 [ さざんか ]

結局は自身の後ろめたさ、疚しさをひた隠す為に、次から次へと際限なく同じような事を繰り返す・・・・・悪循環のループに嵌っているように思えます。


スパイ防止法は現今の占領似非憲法の下でも制定出来るかどうかはよく解りませんが、大日本帝国憲法下でなら出来るでしょう。
もし現今の占領似非憲法の改正が必要だというのなら、さっさと無効宣言を果たすべきですね。
今や似非憲法の96条改正がどうたらと騒がれていますが、馬鹿じゃないのかと思います。


そして仰る通り、今や国会には維新の会という(但し橋下一派ではなく)健全な野党がようやく誕生した事で、公明党の存在意義も徐々に薄れて来ました。
自民党もこれまで公明党とか自党内の売国議員を、内心では嫌いながらも、法案可決の為の賛成要員として仕方なしに確保して来たのでしょうが、今までと比べれば比較的切り易くなったかも知れません。
あくまでも「比較的」ですが・・・・。

2013/4/17(水) 午前 8:41 ZODIAC12

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そうですね。たしかにまだまだ、比較的の段階ですね。
国民の意識がもう少し変わったことがはっきりと現れてこなくては、政治家も動けないですね。

2013/4/27(土) 午後 3:14 [ さざんか ]

だから参議院選挙で大勝するのを待っているのは解るのですが、それだけで良いのか?とも思いますね。

憲法論は相変わらずトンチンカンだし、参議院を元の貴族院に戻すなんて発想はないだろうし、新自由主義的な思想傾向が見られるしで、手放しで賛同は出来ませんよ。

安倍総理は特亜に対してはこの隔岸観火路線で、国内の敵に対しては欲擒姑縦路線でしょうね。
ちなみに後者も既に書庫と記事をアップ済みです。第16番目の計略です。(^^)v

2013/4/27(土) 午後 8:46 ZODIAC12

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欲擒姑縦路線ですか、なるほど、そうかもしれませんね。
余裕があったら見てみますね。

2013/5/27(月) 午後 2:49 [ さざんか ]

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ありがとうございます。手間ばかり取らせていて申し訳ございません。
そちらの方の記事にも、コメントし掛けたままですが、今暫く御待ち下さい。<(_ _)>

それと・・・・奇遇にも本日、この記事の文章を一部修正しました。『孫子』第八篇の『九変篇』からの引用を挿入しました。

2013/5/27(月) 午後 8:33 ZODIAC12

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ああ、なるほど、挿入部分を読むと、この作戦の本質が、よくわかりますね。
内部の争いをどのように扱うかで、まるで違うものになるということをしっかりわかっていないと、敵を団結させてしまう
ここが肝腎な部分ですね。
戦わずして勝つというのもありますが、それよりも敵を団結させない配慮のほうが本質だということですね。
それにしても、孫子というのは深いですね。

2013/6/1(土) 午前 1:06 [ さざんか ]

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「さすがは孫子」と言うべき、深い洞察です。

「敵の団結を阻止する」のと、「自陣営内の団結を図る」のと、どちらか一方に比重を割くというのではなく、どちらも同等に重要だと説いてるのではないでしょうか?個人的にはそう思えるのですが。

それが引いては「戦わずして勝つ」事にも繋がるのではないかと。

2013/6/1(土) 午前 10:52 ZODIAC12

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たしかにそのとおりでしょうね。
戦いは、一歩間違えば、敗北して滅んでしまうかもしれませんし、勝っても戦力が疲弊すればやはり危なくなりますから、ダメージ少なく勝つことを、孫子は徹底して考えぬいたのでしょうね。
ほんと大したものですね。

2013/6/4(火) 午後 3:01 [ さざんか ]

ええ、それが孫子の意図した事です。つまり「不戦勝(戦わずして勝つ)」が理想と言う訳ですが。
以下はそれについて論じたもので、同じく『孫子』の第三篇『謀攻篇(ぼうこうへん)』の中の一節です。


>>>>>>>>>>
故に上兵(じょうへい)は謀(ぼう)を伐(う)つ。

その次は交(こう)を伐つ。

その次は兵を伐つ。

その下(げ)は城を攻む。

城を攻むるの法は、已(や)むを得ざるが為なり。
櫓(ろ)、轒轀(ふんおん)を修め、器械を具(そな)う。三月(みつき)にして後に成る。
距闉(きょいん)又三月にして後に已む。

将その忿(いか)りに勝(た)えずして、これに蟻附(ぎふ)せしめ、士を殺すこと三分の一にして、城抜けざるは、これ攻(こう)の災いなり。
<<<<<<<<<<

2013/6/5(水) 午前 9:13 ZODIAC12

現代語訳は以下の通り。


>>>>>>>>>>
故に最上の戦法とは、敵の目論見を見抜いて、実際に戦いに及ぶ前にそれを封じ込める事である。

次善の戦法は、敵の同盟や連携を断ち切って、敵を孤立化させる事である。

それに次ぐのが、実際に軍を率いて干戈を交える事である。

そして最低の戦法とは、城を攻める事である。

攻城戦は他に手の打ち様が尽きた時に、最後の手段としてやむを得ず用いる事である。
櫓(大型の盾)や轒轀(攻城用の四輪車)等の攻城兵器を揃えるのに三ヵ月は掛かる。
攻城の為に距闉(土塁)を築くのにもやはり三ヵ月は掛かる。

そうした上で将が血気に逸(はや)り、兵士をまるで蟻のように城壁に張り付かせて攻城戦を継続させる。
そうして兵の三分の一を死なせても尚、城を陥落させる事は出来ない。攻城戦とはこれ程までの犠牲を強いられる。
<<<<<<<<<<

以上がその説く所です。

2013/6/5(水) 午前 9:13 ZODIAC12

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なるほど、日本も、これからは、常に外交においてこうした意識を持たなくてはいけませんね。
国民も、孫子のある程度は知っておくくらいに、勉強させたほうがいいですね。
そういう意図もあって、このブログを始められた部分もあるのでしょうか?

安倍さんはやっとこうした戦略的外交が出来る総理大臣として、頑張ってほしいものです。

2013/6/7(金) 午後 0:57 [ さざんか ]

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>そういう意図もあって、このブログを始められた部分もあるのでしょうか?

ええまあ、一人でも多くの人に、そういう意識を持ってもらいたいなとも思ったのもありますが、影響力ゼロの不人気ブログですから・・・・・(^^;)。

安倍総理のやっている事を手放しで称賛も出来ませんが、今の所は致命的な大過はないようですね。尤も実際の所はよく判りませんけどね。

2013/6/8(土) 午前 0:12 ZODIAC12

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なるほど〜共通の敵の前では手を組む〜

これって普通にありそうですね^^

幕末でも幕府という敵に対し長州と薩摩が組んだりとか^^

この場合は、互いの力量が拮抗してるってのが条件になるかも。

たいしたことない相手なら、もっと早くに潰してるはずですから^^

ナイスヽ(*´∀`)ノ★ぽち

2013/6/30(日) 午前 11:35 栞

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こちらにもナイス☆ありがとうございます!


ですね(^^)。幕末の薩長同盟成立も、共通の敵を見定めて、互いの利害が一致したからでしょうね。
史実では龍馬が主導したんだか、欧米列強が仕組んだんだか、よく判りませんが。


>共通の敵の前では手を組む

上の一連の遣り取りでも触れていますように、現在支那と韓国が日本に対して使っていますね。
反日を煽って国内問題から目を逸らさせようと。

2013/6/30(日) 午後 3:09 ZODIAC12

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