YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

第一六計 欲擒姑縦

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承前  故事其之壹 ─ 甲





 ♜ 驕れる大叔

 しかし武姜は諦める事はなかった。やがて年月は過ぎ、紀元前744年に鄭武公は死んだ。
 それに伴い翌紀元前743年に、太子寤生は鄭の第3代国君に即位した。鄭に全盛期をもたらした名君・鄭荘公である。


 鄭荘公が即位すると母の武姜は、公子段に制(せい)【※4】という邑を分け与えて欲しいと願い出た。


「制は我が国の要害となる堅固な邑でございます。
 その昔、虢叔(かくしゅく)【※5】はその堅固さに胡坐を掻き、徳を修めなかったが故に、その身を滅ぼす元となりました。
 それ故に制を得れば、却って禍を招くでしょう。それ以外の邑でしたら何なりと。」


 そう言って、鄭荘公はその要望を断った。そこで武姜はそれならばと、今度は京(けい)【※6】という邑を所望した。
 京は鄭の国都・新鄭(しんてい)【※7】に次ぐ大きさを誇る重要な邑であった。
 鄭荘公はそれを承諾し、公子段は京の邑主となった。
 公子段は自身の食邑を大きくし、国君である兄をも凌ぐ程に威勢盛んとなったので、世人はそんな公子段を「京城大叔(けいじょうのたいしゅく)」【※8】と呼んだ。


 大夫の祭足(さいそく)は鄭荘公を諌めた。


「地方の邑が百雉(ひゃくち)【※9】を越えるは、国や首邑(国都)にとっての害となりましょう。
 古(いにしえ)の王の定めた制度によれば、地方の大規模の邑は、都邑(首邑)の三分の一を越えてはならず、中規模の邑は五分の一まで、小規模の邑は九分の一までと定められております。
 今や京城は都よりも広大で勢威盛んであり、余りに度を越しております。古の法に適っておりませぬ。
 君公は今に大叔(公子段)の圧迫に堪えられなくなりましょうぞ。」


 だが鄭荘公は、


「母上がそれを御望みなのだ。例え害になるとて、致し方なき事よ。」


 と、拍子抜けするような事を言った。それでも祭足は、


「姜氏(武姜)は決して、これだけで満足は致しますまい。今の内に早く手を下すに越した事はございませぬ。
 草が茂って蔓延るように、増長させない事にございます。草ですら生い茂り過ぎれば、最早取り除けなくなります。
 況(ま)してや驕り切っている弟君では、尚更でございます。」


 と再び諌めた。だが鄭荘公は、


「多くの不義を重ねれば、寡人(かじん)【※10】がわざわざ手を下さずとも、必ずや自らの手で倒れるであろう。それまでの間、暫く待つのだ。」


 と言い、祭足の諫言を斥けた。


 やがて公子段は、母の後ろ楯を恃み、兄が何も言って来ない事をいい事に、益々増長し、鄭の北方と西方の国境に接している二つの地方の民を、京の豊富な財力に物言わせて買収した。
 この動きを見かねた大夫の公子呂【姫呂(きりょ)】は諌めた。





後続  故事其之壹 ─ 丙

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