YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

第一六計 欲擒姑縦

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承前  故事其之壹 ─ 乙





「民が二心を抱くようでは、国は立ち行かなくなりましょうぞ。君公はこれを如何致すおつもりでありましょうや?
 もし大叔に国を御譲りになれらるおつもりならば、臣は大叔に御仕えしましょう。しかしそのおつもりなくば、何とぞ手遅れにならぬ内に、大叔を御取り除きになさりますよう。
 決して民草の心を惑わしてはなりませぬぞ。」


 しかし今度も鄭荘公は、


「わざわざ寡人から手を下さずとも、段はやがて自ら滅びるであろう。」


 と祭足の時と同様、諫言に従わなかった。それに気を良くした公子段は、力を背景に国境の北方と西方の地方を自身の領土に強引に組み入れた。
 調子付いた大叔段は、廩延(りんえん)【※11】の地にまで手を伸ばして来た。


 堪りかねた公子呂は、再び鄭荘公に進言した。


「今こそ大叔を討つべき時でございますぞ。勢力が強大になれば、衆人の信望を得て、君公を凌いでしまう事でありましょう。」


 しかしここまでの状況となり、臣下にここまで説得されても、鄭荘公の態度は相変わらずであった。


「不義なる者に、民衆が親しみ懐く道理もあるまい。例えどれだけ力を得ようとも、必ずや自らの手で滅びるであろう。」





 ♝ 「共叔段の乱」──────母子の謀反

 そして遂に決着の時がやって来た。鄭荘公の治世22年目の、紀元前722年の事である。
 京城大叔段は、鄭荘公に対する謀反と、君位簒奪の準備を着々と進めて行った。
 本拠である京の城壁を堅固にし、兵糧を集め、武器や甲冑等の武装を揃え、軍隊や兵車等を整えて行った。
 そして事もあろうに、鄭荘公・大叔段の兄弟の生母である武姜も、公子段の謀反に共謀していた。
 公子段の率いる軍が国都・新鄭を攻め込むに際して、武姜が段の軍を手引きする手筈となっていた。
 事ここに至り、慎重過ぎる位に慎重だった鄭荘公も、遂に重い腰を上げた。
 鄭荘公は公子段の計画の期日を聞き、「今こそ時である。」と言い、公子呂に命じて二百乗の兵車部隊を率いさせ、京まで進撃させた。
 そうして公子呂率いる鄭の正規軍は、公子段の率いる軍と交戦した。


 公子段の軍は中々に強盛であって、戦いは一進一退の攻防を展開し、正規軍といえども容易には勝てなかった。
 だが暫く戦っている内に、趨勢は決まった。京城大叔段の日頃からの悪政が祟ったのである。
 京城大叔は元から人徳がなく、民を抑圧していた。今回の謀反も大部分の嫌がる民衆を無理矢理駆り出していた事もあって、民心を得ていなかったので、士気は高くはなかった。
 その上に正統な国君に対して、謀反を起こしているという後ろめたさも手伝い、戦闘が長引くと遂には我慢の限界が来て、京城の邑民は大叔段に背き、軍兵も次々と逃走を始めたので、大叔段の軍は最終的には脆くも崩壊してしまった。
 公子呂率いる国軍に敗れた京城大叔は、敗走して鄢(えん)【※12】の地まで退却した。
 鄭荘公は追撃を命じて、軍を弟の逃げた先である鄢まで進軍させた。そして鄢で両軍は再び干戈を交え、国軍は再び大叔段を撃破した。


 最早鄭の国内に行き場を失った公子段は、遂に国外に亡命せざるを得なくなった。
 鄭を出奔した公子段は、共(きょう)【※13】へと逃げ込んだ。
 この共へ亡命した事を以って、公子段は「共叔段(きょうしゅくだん)」とも呼ばれようになる。そして公子段の起こしたこの反乱事件は「共叔段の乱」と呼ばれる。





後続  故事其之壹 ─ 丁

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