YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

第一四計 借屍還魂

[ リスト ]

「奇貨居くべし」──────豪商・呂不韋の生涯最大の先行投資と、その栄枯盛衰に満ちた生涯。





 ♚ 序

「奇貨(きか)居(お)くべし」あるいは「奇貨居(たくわ)うべし。」という故事成語がある。この成語の由来となった故事こそが、これから語る経緯である。
「奇貨」とは「珍しい品物・掘り出し物」「利用すれば思い掛けない利益を得られそうな事柄や機会」「滅多にない機会」等という意味。
 故に「奇貨居くべし」とは、「珍しい品物・掘り出し物は、早い内に買って手に入れておけば、後で大きな利益を得られる。」という意味。そこから転じて、「好機は逃さずしっかり掴む事」という意味でも使われるようになった。


 本故事の主人公・呂不韋(りょふい)こそが、この故事成語の由来の当事者である。
 誰からも見向きもされず、うだつの上がらない、うらぶれた暮らしを送っていた一人の貴人を「奇貨」として、歴史上稀に見る程の見事なまでの大出世を成し遂げた、呂不韋の一連の計画とその成功ぶりは、借屍還魂策の模範と言ってもいい位である。





 ♛ 奇貨居くべし──────運命的な邂逅

 時は紀元前3世紀、戦国時代後期の支那。
 紀元前267年の事。当時天下最強の国力を誇った秦では、秦昭襄王【しんのしょうじょうおう:本名は嬴稷(えいしょく)】が長寿を誇り、この年を以って丁度在位40年目を迎えた。
 生年は紀元前325年とあるから、数え年で20歳の時の紀元前306年に即位し、この時点では数えで59歳だった事になる。当時の基準から言えば長寿の部類である。
 だが秦昭襄王の長子である太子外【嬴外(えいがい)】は、父程には長生き出来ず、父に先立って死んだ。


 紀元前265年の事。秦昭襄王は次男の安国君(あんこくくん)こと公子柱【嬴柱(えいちゅう)】を、死んだ長男に代わって太子に立てた。
 安国君は紀元前302年に生まれたとある。だからこの時点では既に数えで38歳の壮年又は中年だった。
 当時の基準だと決して若くはない。当時はその年齢であれば、既に成人した子がいても不思議ではなかった。
 安国君は子沢山で、男子だけでも二十何人もいた。安国君には最も寵愛する側室がいて、その婦人を正室に立てた。
 以降は華陽夫人(かようふじん)と呼ばれるようになった。華陽夫人には男子がいなかった。


 安国君の次男は名を異人【嬴異人(えいいじん)】と言った。
 この公孫異人の生母は夏姫【かき:本名不明】と言ったが、安国君の寵がなかった。
 だからそんな夏姫の生んだ異人も、父・安国君から寵愛されなかった。
 そのせいで秦から趙(ちょう)へ人質として送られ、趙の国都・邯鄲(かんたん)【※1】で不遇な人質生活を過ごしていた。
 日々の暮らしの糧食や、金銭や、車馬や、その他の物品にも事欠く有り様であった。
 異人は祖父である秦昭襄王によって人質として選ばれ、送られたと言う。
 その詳細な経緯は不明だが、聡明さを見込まれたとも、異人が妾腹で父の寵愛がなかったからだとも言われる。


 そんな公孫異人の暮らす邯鄲に、呂不韋という男が訪れていた。
 呂不韋は衛(えい)の国都・濮陽(ぼくよう)【※2】を拠点とする、富裕で有能な賈人(こじん)【※3】であった。
 目端が利き、判断力に富んでいて、商品を値が安い時に買い付け、値上がりした時に売り捌くという、投機的な手法で巨大な富を築いた。
 呂不韋は商用で邯鄲に滞在していたが、そこで人質生活を送っていた公孫異人を見掛けて一大計画を思い付いた。


「此(こ)れ奇貨(きか)なり、居(お)くべし。」

【意味:これはまたとない掘り出し物だ。居(たくわ)えて(貯えて)おいた方が後々利益となろう。】





後続  故事其之壹 ─ 乙

「第一四計 借屍還魂」書庫の記事一覧

閉じる コメント(2)

考えてみれば血のつながりはないですが、嬴異人・政と親子二代で趙の人質を経験したものが秦の王として続いたというのも結果論とはいえユニークな出来事でした。これも呂不韋が歴史を大きく動かしてしまった結果なのでしょう。

2012/11/21(水) 午後 3:58 [ 彩帆好男 ]

顔アイコン

異人と政の親子間に血の繋がりはない・・・という説は、私は信じていません。信憑性に乏しく、今となっては真相の証明は不可能でしょうし。

私は司馬遷の『史記』の記述を、何から何まで信用している訳ではありませんから。
同じように春申君が楚幽王の実父だという説も疑問があります。


それは別として、少なくとも他国で惨めな境遇の下で人質生活を経験した二人が立て続けに君主になったという例は、世界史上を見渡しても類例がないかと思います。
それとも探せばあるでしょうか?パッと思い浮かぶ事例がないもので(^^;)。
良くも悪くも呂不韋は秦の天下統一に大きく関わってしまったのですね。

2012/11/22(木) 午前 11:11 ZODIAC12


.
ZODIAC12
ZODIAC12
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
友だち(1)
  • yatugatake
友だち一覧
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事