YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

第一五計 調虎離山

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前編からの続き





 そうした上で将が血気に逸(はや)り、兵士をまるで蟻のように城壁に張り付かせて攻城戦を継続させる。
 そうして兵の三分の一を死なせても尚、城を陥落させる事は出来ない。攻城戦とはこれ程までの犠牲を強いられる。
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 このように城塞に立て篭もった敵を攻撃する事の困難さを説いている。
 だからこそ同書の第六篇『虚実篇(きょじつへん)』では、次のように説く。


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 故に我戦わんと欲すれば、敵、塁(るい)を高くして溝(こう)を深くすと雖(いえど)も、我と戦わざるを得ざるは、その必ず救う所を攻むればなり。
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 現代語訳は以下の通り。


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 自軍が戦いを望む時についてであるが、敵軍がどんなに塁を高く築き、溝(堀)を深く掘って防備を固めていようと、こちらと戦わざるを得なくなるのは、敵軍が必ず捨て置く訳には行かない所を攻めるからである。
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 この「必ず救う所(敵軍が必ず捨て置く訳には行かない所)」について、三国時代の英雄・曹操(そうそう)は、「その糧道を絶ち、その帰路を取り、その君主を攻むるなり。」と、その具体的な種類を述べた。
 つまり糧道──────兵站──────や、帰路──────退路や帰国する道路──────や、君主──────必ずしも君主そのものばかりでなく中枢部等も───────を狙って、敵を外部へ引っ張り出すのが効果的であるという訳である。
 これらのような敵の泣き所を衝く以外にも、立て籠もった敵が否応なしに打って出て来ざるを得ないような状況に陥らせるには、挑発して苛立たせたり、偽装工作を施して、籠城しているよりも外へ打って出た方が得であると、敵に思い込ませるように仕向ける。


 尚自身が有利に戦える場所や領域とは、この計略の使い手によって、それぞれ異なるであろうが、『孫子』の第十篇『地形篇(ちけいへん)』と第十一篇『九地篇(きゅうちへん)』では、地理や地勢、地域の特色について具体的に考察し、その対処法を言及している。
 まず第十篇『地形篇』では、地形を六種類に分類し、それぞれに応じた戦術を採るように説いている。
 それら六種類の地形の特徴と対処法は以下の通り。


★通(つう)・・・・・彼我(敵味方)共に進攻出来るような、四方に通じている地形。
 ここで戦う時は、先に南向きの高地を占拠し、補給路を確保する。


★挂(かい)・・・・・進攻するのは容易だが、反対に撤退するのが困難な地形。
 ここで戦う時は、敵軍が防備を固める前に攻撃を加えられれば勝てるが、防備を固められてしまった後では勝利は望めない。
 その上に撤退が困難なので、苦境に陥る事になる。


★支(し)・・・・・彼我どちらに取っても、進攻すれば不利になる地形。
 ここで戦う時は、敵の誘いに乗って出撃する事を慎む。
 一旦退却して敵を誘い出してから、これを迎え撃つ。


★隘(あい)・・・・・入り口のくびれた地形。
 ここで戦う時は、まず自軍が先に占拠した場合は、入り口の防備を固めて敵を迎え撃つ。
 敵軍に先を越されて占拠され、しかも入り口の防備を固められた場合は、手出しは避ける。
 しかし入り口の防備を固められていない場合は、すかさず攻撃を仕掛ける。


★険(けん)・・・・・険阻な地形。
 ここで戦う時は、先に自軍が占拠出来た場合は、必ず南向きの高地に布陣して敵軍を待ち受ける。
 もし敵に先を越されてしまった場合は、進攻を中止して躊躇わず撤退する。


★遠(えん)・・・・・地形と言うよりは本国から遠く離れた地。
 ここでは例え彼我の戦力が互角に均衡しているとしても、不利を強いられるので、決して戦いを仕掛けてはならない。


 以上が第十篇『地形篇』で語られている事柄である。
 続いて第十一篇『九地篇』からは、九種類の戦場についての考察である。





後編へ続く

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籠城戦については豊臣秀吉も使いましたね。城下町で品物を買い占めて兵糧攻めにしてみたり、或いは小田原では周囲に町を作って守備を妨害したり。戦国大名は本当に兵法をよく勉強していますね。傑作&TBします。

2013/4/3(水) 午後 7:49 千葉日台

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お!その秀吉の城攻めの話でしたら、旧ブログでも【第一九計 釜底抽薪】の書庫でも書きましたよ。
確か千葉日台さんも来て下さりましたね。(^^)b


そうですね。籠城している敵には闇雲な力押しは最大限避けて、秀吉みたいに兵糧攻めとか、徹底した持久戦法に持ち込んで音を上げさせたり、政治的な策略とかで戦意をすっかり失わせて降伏させたり、というのが理想だと思います。秀吉はそれの名手でしたね。

けれど毎回それが出来るとは限らないでしょうし。
多大な犠牲が出るのを承知の上で、どうしても城攻めを強行しなければならない時だってあるのでしょう。

2013/4/4(木) 午前 10:52 ZODIAC12

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