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| 第81話 |
| 王に選ばれた狐と猿 |
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| 物言わぬ[★81−1]動物たちの集まりで、猿が人気者となって王に選ばれた。 |
| これを妬んだ狐が、罠に仕掛けた肉をたまたま見付けたので、王となった猿をそこまで連れて行き、 |
| 「宝物を発見したのですが我が物とはせず、王家への貢物として守っておりました。」 |
| と言った。そして猿に手に取るように勧めた。 |
| 猿は疑いもなく肉に近付いて、罠に掛かってしまった。 |
| 「お猿さん、あんたはその程度の分別しかないくせに、物言わぬ動物たちの王だなんて言えるのかね?」 |
| このように不用意に事を起こす者は、失敗した上に人から笑われるのである。 |
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| [★81−1]・・・・・寓話に登場する動物たちは、人間のように喋ったり考えたりするが、「物言わぬ」または「理性のない」という単語は、動物の枕詞として用いられている。 |
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| 第82話 |
| 驢馬と雄鶏とライオン |
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| 同じ小屋の中に驢馬(ろば)と雄鶏がいた。 |
| 腹を空かせたライオンが驢馬の姿を認め、押し入って食おうとした。 |
| だが雄鶏が鳴いたのでライオンはその声に胆を潰し、逃げ出したのであった。 |
| ライオンは鶏の鳴き声に怯える、と言われているのである。 |
| ライオンは鶏を怖れたというのに、驢馬は自分を怖れて逃げ出したのだと勘違いして、有頂天となってライオンを侮り、小屋から飛び出して追い駆けて行った。 |
| だが遠くまで行った所でライオンに食われてしまった。 |
| このように人間の場合でも、敵が低姿勢に出たのを見て勘違いし、大胆になった挙句、殺されてしまう者がいる。 |
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| 第83話 |
| 踊る猿と駱駝 |
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| 物言わぬ[★83−1]動物たちの集まりで、猿が立ち上がって踊り出した。 |
| 大層好評を得て、猿は満座の拍手喝采を浴びた。 |
| それに嫉妬した駱駝が、ならば自分もと思い、同じく座から立ち上がって踊り始めた。 |
| だが奇妙な動作ばかりするので、満座の動物たちは腹を立て、棍棒で殴り付けて駱駝を追い払ってしまった。 |
| 嫉妬心から己より優れた相手と張り合い、失敗する連中にこそ、この話は当て嵌まる。 |
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| 第84話 |
| 二匹のセンチコガネ |
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| 小さな島に牛が住み、二匹のセンチコガネがその牛糞を食べて生きていた。 |
| やがて冬が近付き、片方のセンチコガネが相方に対して言った。 |
| 「この島から本土へ渡りたい。そうすれば一人残った君には餌が十分に回るだろう。 |
| 自分は大陸本土で冬を過ごすのだ。 |
| もしも餌がたくさん見付かったなら、こっちまで運んでやろうじゃないか。」 |
| そうしていざ大陸まで来ると、牛糞が豊富に、しかも水気たっぷりなのが手に入ったので、そこに留まって身を養っていた。 |
| やがて冬が去り、再び大陸本土から島へ戻って来た。 |
| 島に居残っていた相方は、大陸帰りの相方が色艶も良くて元気一杯だったのを見て、 |
| 「約束をしておきながら、結局何も持って来てくれなかったじゃないか。」 |
| 「文句なら僕じゃなく、土地の性質に言ってくれないか。 |
| あそこからは栄養なら摂れるけど、物は何一つ運び出せやしないんだから。」 |
| 御馳走までの友情を約束するだけで、それ以上は一切友人の為にならない連中にこそ、この話は当て嵌まる。 |
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| 第85話 |
| 仔豚と羊 |
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| 仔豚が羊の群れに紛れて草を食べていた。 |
| ある時、仔豚は羊飼いに捕まったので、泣き叫びながら逆らった。 |
| 羊たちは仔豚が泣いているのを咎めて言った。 |
| 「私たちはいつも捕まっているけど、泣き喚いたりなんかしないでしょう!」 |
| 「君たちと僕では、捕まるって事の意味が違うんだよ。 |
| 君たちが引っ立てられるのは、羊毛を刈り取るか、乳を搾る為だけど、僕の場合は肉を食われる為なんだ。」 |
| 財産の危険どころか、生命の危険のある者が泣き騒ぐのは当然の事であるという事を、この話は説いている。 |
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