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| 第106話 |
| ゼウスと亀 |
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| ゼウス[★106−1]が結婚したので、全ての動物を残らず酒宴に招く事にした。 |
| だが亀だけが欠席したので、怪訝に思ったゼウスは後日、亀に何故参加しなかったのか、その理由を尋ねた。 |
| 亀はこう答えた。 |
| それを聞いたゼウスは怒り、亀が家ごと担いで動き回らねばならないようにしてしまった。 |
| このように他人の所で贅沢三昧に耽るよりも、寧ろ質素な暮らしを好む人が大勢いる。 |
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| [★106−1]・・・・・ギリシア神話の最高神であり、オリュンポス十二神の一柱。全ての神々の王。 |
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| 第107話 |
| ゼウスと狐 |
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| ゼウスは狐が賢くて、才気煥発なのに感心し、狐に物言わぬ[★107−1]動物の王の地位を授けた。 |
| そうして境遇の変化した狐が、さもしい心根も変化したかどうかを知りたいと思い、輿(こし)に乗って運ばれて行く狐に向けて、センチコガネを放った。 |
| センチコガネが狐の周りを飛び回るので、狐は辛抱出来なくなった。 |
| そして遂に跳び出し、形振り(なりふり)構わず捕えようとした。 |
| ゼウスはその様子に腹を立て、狐を再び王から元の身分に戻してしまった。 |
| 卑しい者はいくら煌びやかな衣装に身を包んでも、その本性は変わらないのだという事を、この話は説いている。 |
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| [★107−1]・・・・・寓話に登場する動物たちは、人間のように喋ったり考えたりするが、「物言わぬ」または「理性のない」という単語は、動物の枕詞として用いられている。 |
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| 第108話 |
| ゼウスと人間 |
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| ゼウスは人間を作ると、それに分別の元となる薬を注ぎ込むよう、ヘルメス[★108−1]に命じた。 |
| それでヘルメスは分別の薬を等分して、人間一人一人に等量を注いで行った。 |
| しかし体の小柄な人間は、分量が全体に満ち渡って賢くなったのだが、大柄な人間は体が大きいせいで、分量が全体に行き渡るまでには至らず、愚か者になってしまった。 |
| 体格は大きくて立派でも、心や頭はからっきし、という者にこの話は当て嵌まる。 |
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| [★108−1]・・・・・・オリュンポス十二神の一柱。守護する範囲が多岐に亘る、多芸多才な神。 |
| 幸運と商売と富・財産等の守護神(その他にも色々)でもあり、狡猾で策略に長けている事でも知られる。 |
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| 第109話 |
| ゼウスと羞恥心 |
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| ゼウスは人間を作ると、様々な心の作用を注ぎ込んだ。 |
| だが羞恥心だけは忘れてしまった。 |
| そのせいで羞恥心を、人の体のどこから入れれば良いか困ってしまい、羞恥心に対して、肛門を通って入ってくれと頼んだ。 |
| 羞恥心は最初はプライドを傷付けられて憤慨した。 |
| しかしゼウスが強く懇願するので、羞恥心はこう言った。 |
| 「分りました。それではこの条件ならば入りましょう。もし私以外のものが入って来たのなら、私はすぐに出て行きます。」 |
| 男色を好む者が恥知らずばかりなのは、こういう次第による。 |
| 淫らな男にこそ、この話は当て嵌まる。 |
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| 第110話 |
| 英雄 |
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| 家で英雄[★110−1]を祀り、惜しむ事なく御供え物をする男がいた。 |
| 捧げる生贄を買う為に、連日銭を使いまくり、それを一向に止めようとはしなかった。 |
| そこで祀られている英雄が、男の夢枕に立って、こう警告した。 |
| 「もうこれ以上、財産を蕩尽(とうじん)するのを止めるのだ。 |
| もしも悉く財産を使い果たし、その結果貧しくなったならば、お前はきっと私のせいにするのであろう。」 |
| このように己の無思慮のせいで不幸な境遇に陥っておきながら、それを棚に上げて、神々のせいにする輩が大勢いる。 |
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| [★110−1]・・・・・古代ギリシア人はヘラクレスに代表されるような、神と人間との間に生まれた存在を「半神」「英雄」等と呼んで崇拝し、神殿よりも小さな祠で祀ったりした。 |
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108話
大男、総身に知恵がまわりかね!という日本の川柳?がありますが
この話をパクったものなんですかね?
2018/4/19(木) 午後 6:14
>>たけしさん
おや!?そちらから来られるとは珍しいですね。
ナイス☆もありがとうございました。
ええ、この話、その格言と一致してるので、意外に思いましたよ。
そういう観念があるのは日本だけじゃないようで。
この寓話が元というワケでなく、恐らく偶然の一致じゃないでしょうか。
2018/4/20(金) 午後 5:43