YAMINABE the Second Operation

この11年間の数多くの思い出を携え、私は新たな旅へと出発します。それでは皆さん、御達者で。

イソップ寓話集

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第126話
黒丸烏と狐
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 腹を空かせた黒丸烏が、無花果(いちじく)の木に止まった。
 それは冬無花果でまだ熟れていないのに、無花果の実が生るのを待っていたからであった。



 いつまでも待ち続けている様子を見掛けた狐が、烏に尋ねてその訳を知るや、こう言った。



「夢を見させはしても、腹の足しとはならぬ希望に身を委ねるなど、正気の沙汰ではないぞ。」




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第127話
嘴細烏と犬
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 嘴細烏が女神アテナに生贄を捧げ、祭事が終わった後の直会(なおらい)[★127−1]に犬を招待した。
 犬が怪訝に思い、嘴細烏に真意を尋ねた。



「何故アテナへの生贄の儀式などと、無駄な事に金銭を費やすのだね?
 アテナは君たち烏の種族を大層嫌って[★127−2]、君等の示す前兆を誰も信じないように仕向けた程じゃないか。」



 嘴細烏は答えた。



「いや、だからこそだよ。
 アテナが我々を嫌い、憎んでいる事を知っているからこそ、険悪な仲を好転させようと思ってね。」



このように敵への恐怖心から、敵に恩義を施そうとする者は多い。



[★127−1]・・・・・神事(祭事)が終了した後の打ち上げの宴会。
 儀式が済んだ後に、神霊に捧げた神酒や供物等を頂戴し、参列者同士で分かち合って飲食する事で、神霊の力と加護を得る事を目的とする。



[★127−2]・・・・・烏と梟(ふくろう)の両者は敵対関係にあるとされる。
 梟が夜中に烏の卵を奪い、烏は日中にその仕返しをすると言われる。
 その為に梟を自身の眷属とするアテナが、烏を憎み嫌っているという話が伝えられている。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第128話
烏と蛇
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 餌に困っていた烏が、日溜まりで蛇が眠っているのを見付けた。
 そこで獲物を見付けられた烏はさっと舞い降り、蛇を引っ掴んだ。
 だが蛇も反り返って噛み付いた。
 蛇に反撃され、死にそうになった烏は言った。



「ああ、情なや・・・・。
 思わぬ拾い物を見付けられたと言うのに、それが元で死ぬ羽目になろうとは・・・・。」



 宝物を見付けたばかりに、己の命を危険に晒すような者にこそ、この話はしてやれる。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第129話
黒丸烏と鳩
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 鳩小屋で飼われてる鳩たちの餌が上等なのを見た黒丸烏が、自分も同じく御馳走に与ろうとした。
 そこで鳩に成り済ます為に、全身を白く染めて小屋の中へ紛れ込んだ。
 黒丸烏も黙っている間は、無事正体がばれる事もなく、同じ鳩の仲間だと思われていた。
 だがうっかり声を出してしまった為に、鳩たちから怪しまれ、小屋から追い出されてしまった。



 上等な餌にありつき損ねた黒丸烏は、仕方なく仲間たちの下へ戻った。
 だが今度は、全身を白く染めていた為に自分の事が分かってもらえず、同族たちからも怪しまれてしまい、こちらも追い出されてしまった。
 こうして黒丸烏は両方を得ようとして、結局どちらも得られなかった。



 以上の事から我々も、貪欲は何ら益する所がないばかりか、しばしば今あるものを失わせてしまうという事をとくと考え、己のものに満足せねばならない。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第130話
胃袋と足
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 胃袋と足が御互いの能力の事で論争となった。
 足が事ある毎に、



「私の方がずっと強いぞ。腹なんかそっくり運べるんだからな。」



 そこで胃袋が反論した。



「けどな、お前さん。そうは言っても私が栄養を補給してやらねば、お前さんだって何も運べやしないのだぞ。」



 このように軍隊においても、率いる将軍に最善の策がなくば、折角の大軍勢も無に等しいのだ。
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第121話
竪琴弾きの歌手
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 下手糞な竪琴弾きの歌手がいて、いつも漆喰塗りの家で歌っていた。
 声がよく反響するので、自分をなかなかの美声の持ち主だと思うようになった。



 自惚れが昂じて、やがては劇場に出演しなければならないと決心した。
 そしていざ劇場の舞台に上がってみるや、その歌は箸にも棒にも掛からぬ代物だったので、忽ち石を投げ付けられて、劇場から追い出されてしまった。



 このように弁論家の場合でも、学校では一廉の人物だと思われていても、いざ実際の政治の場に出てみると、名声に能力が伴ってなく、とんだ評判倒れな人がいるものだ。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第122話
泥棒と雄鶏
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 泥棒たちがとある家に忍び込んだ。
 しかし一羽の雄鶏(おんどり)以外何も見付けられなかったので、これだけを盗んでその場を立ち去った。



 雄鶏は泥棒たちに殺されそうになって、泥棒たちに懇願した。



「どうか自分を逃がして欲しい。
 自分はまだ暗い内から鳴く事で、人を叩き起こして仕事を始めさせている。
 人の役に立っている鳥なのだ。」



 泥棒は答えた。



「だからこそ尚更殺したいのだ。
 奴等を起こされるのは、儂(わし)等にとっては盗みの邪魔でしかないのだからな。」



 正しき人たちの役に立つもの程、悪人にとっては特に都合が悪いという事を、この話は説いている。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第123話
黒丸烏と烏
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 体の一際大きな黒丸烏(こくまるがらす)が、同胞の黒丸烏たちを馬鹿にして、他の種族である烏たちの所へ出向いた。
 そこで自分を仲間として迎え入れて欲しいと願った。
 だが烏たちは黒丸烏の姿と声を怪しんだので、目論見が外れて拒否されてしまった。



 そこで追い返された黒丸烏は仕方なく、元の仲間たちの下へ帰って来たが、こちらもこちらで侮辱された事に憤っていたので、これまた追い返されてしまった。
 こうしてこの黒丸烏はすっかり当てが外れてしまったばかりか、同胞からも嫌われて追放されてしまい、どちらにも居場所を無くしてしまった。



 このように人間でも、祖国を捨てて他国へ去る者は、移り先では他所者という事で評判が悪く、かと言って祖国の者たちからは、自分たちを馬鹿にし、蔑んだとして嫌われるのである。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第124話
烏と狐
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 烏が肉を掻っ攫って来て、木の上に止まった。
 狐がそれを見掛けて、烏から肉を上手い事奪ってやろうと企んだ。
 そこで狐は木の下から、烏に向かって御世辞を言った。



「偉軀堂々としていて、見目美(うるわ)しく、誰よりも鳥の王として君臨されるのに相応しい御方だ。
 これで声さえあれば、容易く王となられるでしょうに。」



 それを聞いた烏は声もある事を示そうとして、肉を木の下へ放り出すと、高々と声を上げた。
 そうして狐は放られた肉目掛けて駆け寄り、上手い事手に入れて、烏にこう言った。



「なあ、烏さんよ。あんたにも心があったのなら、万鳥の王となるのに不足はなかっただろうに。」



 思慮の足りない者にこの話はぴったり当て嵌まる。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第125話
嘴細烏と烏
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 烏は人間の占いの前兆となる他、未来をも予示するので、その為に人間の証人ともなる。
 これを羨ましく思った嘴細烏(はしぼそがらす)は、自分も同じ栄誉を得たいと思った。



 そこで旅人の一行が通りかかるのを見掛けるや、嘴細烏は樹上に止まり、高々と鳴き声を上げた。
 それを聞いた旅人たちが驚いて、鳴き声が聞こえた方を振り向いたが、一行の中の一人が言った。



「皆、気にせずに行こうじゃないか。あれは烏じゃない、嘴細烏だ。あれが鳴いたって、何の前兆にもならん。」



 このように人間の場合でも、強者と張り合った処で対等になどなれぬばかりか、却って笑い者になるのが落ちである。
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第116話
蟹と狐
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 蟹が海から上がって来て、浜辺で餌を漁っていた。
 その様子を腹を空かせた狐に見付けられてしまい、狐は駆け寄って蟹を捕えた。



 今にも食われようとなった蟹は言った。



「これも自業自得と言うものだ。海の者が陸の者になろうとしたのだから。」



 このように人間の場合でも、本業を放棄して、全く柄にもない事に手を出すような者は、失敗して当然なのだ。





















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第117話
角を欲しがる駱駝
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 駱駝が角を自慢する牛を見て、羨ましく思い、己も角を欲しがるようになった。
 そこで主神ゼウスの下まで赴き、自分にも角を授けて欲しいと頼んだ。



 するとゼウスは、



「その大きな体と強い力に満足せず、余分な物まで望むなどとは言語道断である!」



と、大層怒り、角を与えなかったばかりか、耳の一部を取り去ってしまった。



 このように多くの者は、欲が高じて他者の物まで手に入れようと望み、遂には己の物まで失う羽目となる事に気付かない。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第118話
海狸(ビーバー)
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 海狸(ビーバー)は湖に棲息する四足の獣である。
 その生殖器はある種の病気に有効だと言われている。



 なので人間が海狸を見付けて追い掛けると、自身は何故追われているのか、その理由を理解しているので、ある程度までは足の速さを恃みにして逃げ、身体の無傷を保つ。
 しかしいよいよ追い付かれそうになると、自ら生殖器を切り取って投げ、命だけは全うしようとする。



 このように人間の場合でも、財産を狙われた時には、己の命を危険に晒さず、財産の方を切り捨てられる人こそが、寧ろ賢明な人なのだ。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第119話
野菜に水をやる庭師
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 庭師が野菜に水を与えていると、ある者が足を止めて尋ねた。



「野に生えてる草は頑健なのに、庭の野菜がひょろっと萎(しな)びているのは何故なのだ?」



 庭師は答えた。



「大地というのは一方に取って母であるが、もう一方にとっては継母(ままはは)であるからだよ。」



 このように子供の場合でも、継母に養育されている子は、実母に育てられてる子と同じよおうには育たないのである。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第120話
庭師と犬
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 飼い犬が井戸に嵌ってしまった。
 そこで飼い主である庭師は引き上げてやろうとして、後を追って井戸の中へ降りて行った。



 犬は立ち往生していたが、主人の庭師が近付いて来ると、水に沈められると思い込み、主人に噛み付いた。
 予想もしなかった酷い目に遭って、庭師は言った。



「やれやれ、こんな目に遭うのも仕方ないか・・・。
 お前さんが頭から落ちる時に、何で危険から救ってやろうとしなかったんだろうかな?」



 恩を仇で返すような恩知らずに向けて、の話である。
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第111話
ヘラクレスとプルートス
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 ヘラクレス[★111−1]は神々の列に加えられたので、主神(最高神)ゼウスの館で歓待された。
 その時にヘラクレスは、一柱ずつの神々に実に愛想良く挨拶をして回った。



 しかし最後にプルートス[★111−2]が入って来ると、ヘラクレスは打って変わって床に目を落とし、背を向けてしまった。
 この様子を怪訝に思ったゼウスが、何故プルートスだけを白眼視するのか、その訳をヘラクレスに尋ねると、ヘラクレスはこう答えた。



「私がプルートスを白い眼で見るのは他でもありません。
 嘗て私が人間世界にいた頃、奴が大抵は悪い連中と一緒にいる所を見て来たからなのです。」



 運良く金持ちになっている性根の悪い者について、この話をする事が出来よう。



[★111−1]・・・・・ギリシア神話に登場する半神半人の中では最大の英雄。
 主神(最高神)ゼウスと人間の女性アルクメーネーの間に生まれた。
 屈強の身体と剛勇無双を誇った。



[★111−2]・・・・・ギリシア神話における富と収穫の神。
 善人にのみ富を授けるとゼウスに宣言したが、それでは貧富の差が甚だしくなるばかりであるという事で、ゼウスによって人の善悪が見えないようにと視力を奪われた。
 そうして盲目となったせいで、必ずしも善人の所ばかりへ行くとは限らなくなった。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第112話
蟻とセンチコガネ
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 夏の盛りに蟻(あり)が畑を歩き回った。
 冬に備えて、大麦や小麦を食糧として溜め込む為である。
 センチコガネはこの光景を見て、他の動物が仕事を止めてのんびりしている時に、汗水流して働くとは何ともしんどい事だ、と驚いた。
 蟻はこの時は何も反論せずに黙ったままでいた。



 やがて冬が訪れ、センチコガネの餌となる糞が雨に流されてしまった。
 すっかり食うに困ったセンチコガネが、食糧を分けてもらおうと蟻の下までやって来た。
 蟻は次のように言った。



「センチコガネ君。君はあの時、私が汗水流して働いている事をどうのこうの言ってくれたな。
 もしあの時、君も私と同じ苦労をしておけば、今頃そうして食に困る事もなかっただろうに。」



 このように余裕がある内に、将来に備えておかない者は、時勢が変わるや、立ち所に酷い不幸に見舞われるのである。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第113話
鮪と海豚
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 鮪(まぐろ)が海豚(いるか)に追われていて、水音高く逃げ惑っていた。
 今にも海豚に捕まりそうになり、余りに強く跳ね過ぎたせいで、勢い余って浜に乗り上げてしまった。
 そして海豚の方も同じ勢いで突き進んで来たので、鮪と同じく浜まで飛び出てしまった。



 鮪はそれを見ると、息も絶え絶えの海豚に向かって言った。



「これでもう死んでも辛くはないぞ。
 何せ俺が死ぬ羽目となる元凶となった奴が死んで行く様を、こうして見届けられるのだからな。」



 己自身だけでなく、己に降り掛かった災厄の原因となった者までが、同じく不幸に陥るのを見た時、人はより不幸に耐え易くなるという事を、この話は説いている。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第114話
野辺送りする医者
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 医者が身内の者の野辺送りに従いながら、葬列の者たちに向かって言った。



「この人は酒を控え、浣腸を施していれば、死ぬ事もなかっただろう。」



 一人が答えて言った。



「おいおい、今頃になってそんな事を言った処で、何の役にも立たんぞ。
 その手段が使える時にこそ勧めるべきだったな。」



 友人への援助ならば、それが役立てられる間にこそ援助すべきであって、もはや何も手の施しようがなくなってから、お為ごかしなど言うべきではないという事を、この話は説いている。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第115話
鳥刺と蝮
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 鳥刺(とりさし)[★115−1]が鳥黐(とりもち)と竿を持って狩猟に出掛けた。
 高い木の上に鶫(つぐみ)が留まっているのを見付けたので、鳥刺はこれを捕えようと思った。



 竿を長く継ぎ足し、一心に狙い定めたが、全ての意識を頭上の鶫に集中し、首を上げたままだったので、足元への意識はすっかり疎かになっていた。
 そのせいで地面で眠っていた蝮(まむし)を踏ん付けてしまった事にも気付かなかった。
 踏み付けられた蝮は反り返り、鳥刺に噛み付いた。



 鳥刺が息の下(息の絶えようとしている状態)から言った。



「何と情けない事か・・・・・他を狩ろうとしていながら、まさか迂闊にも己が狩られて死んで行くとは・・・・・。」



 このように隣人に対して悪事を企む者は、まず自身が先に禍に陥るのである。



[★115−1]・・・・・鳥黐等の道具を用いて、鳥類を捕獲する狩猟行為。又はそれを職業とする人。
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第106話
ゼウスと亀
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 ゼウス[★106−1]が結婚したので、全ての動物を残らず酒宴に招く事にした。
 だが亀だけが欠席したので、怪訝に思ったゼウスは後日、亀に何故参加しなかったのか、その理由を尋ねた。
 亀はこう答えた。



「家は嬉し。家こそ都。」



 それを聞いたゼウスは怒り、亀が家ごと担いで動き回らねばならないようにしてしまった。



 このように他人の所で贅沢三昧に耽るよりも、寧ろ質素な暮らしを好む人が大勢いる。



[★106−1]・・・・・ギリシア神話の最高神であり、オリュンポス十二神の一柱。全ての神々の王。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第107話
ゼウスと狐
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 ゼウスは狐が賢くて、才気煥発なのに感心し、狐に物言わぬ[★107−1]動物の王の地位を授けた。
 そうして境遇の変化した狐が、さもしい心根も変化したかどうかを知りたいと思い、輿(こし)に乗って運ばれて行く狐に向けて、センチコガネを放った。



 センチコガネが狐の周りを飛び回るので、狐は辛抱出来なくなった。
 そして遂に跳び出し、形振り(なりふり)構わず捕えようとした。
 ゼウスはその様子に腹を立て、狐を再び王から元の身分に戻してしまった。



 卑しい者はいくら煌びやかな衣装に身を包んでも、その本性は変わらないのだという事を、この話は説いている。



[★107−1]・・・・・寓話に登場する動物たちは、人間のように喋ったり考えたりするが、「物言わぬ」または「理性のない」という単語は、動物の枕詞として用いられている。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第108話
ゼウスと人間
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 ゼウスは人間を作ると、それに分別の元となる薬を注ぎ込むよう、ヘルメス[★108−1]に命じた。
 それでヘルメスは分別の薬を等分して、人間一人一人に等量を注いで行った。
 しかし体の小柄な人間は、分量が全体に満ち渡って賢くなったのだが、大柄な人間は体が大きいせいで、分量が全体に行き渡るまでには至らず、愚か者になってしまった。



 体格は大きくて立派でも、心や頭はからっきし、という者にこの話は当て嵌まる。



[★108−1]・・・・・・オリュンポス十二神の一柱。守護する範囲が多岐に亘る、多芸多才な神。
 幸運と商売と富・財産等の守護神(その他にも色々)でもあり、狡猾で策略に長けている事でも知られる。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第109話
ゼウスと羞恥心
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 ゼウスは人間を作ると、様々な心の作用を注ぎ込んだ。
 だが羞恥心だけは忘れてしまった。
 そのせいで羞恥心を、人の体のどこから入れれば良いか困ってしまい、羞恥心に対して、肛門を通って入ってくれと頼んだ。



 羞恥心は最初はプライドを傷付けられて憤慨した。
 しかしゼウスが強く懇願するので、羞恥心はこう言った。



「分りました。それではこの条件ならば入りましょう。もし私以外のものが入って来たのなら、私はすぐに出て行きます。」



 男色を好む者が恥知らずばかりなのは、こういう次第による。
 淫らな男にこそ、この話は当て嵌まる。




















☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇
第110話
英雄
☉☿♀♁☾♂♃♄♅♆♇



 家で英雄[★110−1]を祀り、惜しむ事なく御供え物をする男がいた。
 捧げる生贄を買う為に、連日銭を使いまくり、それを一向に止めようとはしなかった。
 そこで祀られている英雄が、男の夢枕に立って、こう警告した。



「もうこれ以上、財産を蕩尽(とうじん)するのを止めるのだ。
 もしも悉く財産を使い果たし、その結果貧しくなったならば、お前はきっと私のせいにするのであろう。」



 このように己の無思慮のせいで不幸な境遇に陥っておきながら、それを棚に上げて、神々のせいにする輩が大勢いる。



[★110−1]・・・・・古代ギリシア人はヘラクレスに代表されるような、神と人間との間に生まれた存在を「半神」「英雄」等と呼んで崇拝し、神殿よりも小さな祠で祀ったりした。

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.
ZODIAC12
ZODIAC12
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
友だち(1)
  • yatugatake
友だち一覧
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事