|
| ♈♉♊♋♌♍♎♏♐♑♒♓ |
|
| 【解題の原文読み下し】の項の「兌下乾上」に関しては、『易経(えききょう)』の卦の話なので割愛する。 |
| 「釜底抽薪」と類義の四字熟語には、【計略名の由来・出典】の項でも挙げた「抽薪止沸(薪を抽いて沸くを止める)」「剪草除根(草を剪って根を除く)」の他に、『断根枯葉(だんこんこよう)』──────根を断ち葉を枯らす──────や、『抜本塞源(ばっぽんそくげん)』──────本(もと)を抜き源を塞(ふさ)ぐ──────等がある。 |
| 計略名の字面を見れば、その性質の凡その見当が付くのではあるまいか? |
| 釜の中の水がグツグツ沸騰して熱湯となっている。そんな湯の中に手を入れれば火傷を負うだろう。 |
| では手を入れても火傷を負わずに済む為にはどうするか?それは湯の温度が冷めるのを待つ事である。 |
| だがそれにはそれ以上の沸騰を止めねばならない。沸騰を止めるにはどうするか? |
| それは釜の下に燃料としてくべられて、沸騰させる火力の源泉となっている薪を抜き取る事である。 |
| そうすれば自然と熱は下がって行く。これが計略名の寓意である。 |
| 敵軍の威勢が強大で、自軍をも上回る時には、無理な力押しは避けて、相手の力の源泉となっている要素を無力化すると言った、搦め手の戦術に切り替える。 |
| すなわち敵軍の命となっている事物、敵軍の物心両面の支えとなっている活力源を、奪ったり破壊したりする事である。 |
| 目に見える物理的・形而下的な要素だと、主に敵軍の兵站を狙う。 |
| 兵糧、金銭、その他物資などの補給を断つ事や、重要施設、虎の子の秘密兵器を破壊したりする事である。 |
| 目に見えない抽象的・形而上的な要素だと、敵軍の掲げる大義名分や旗印、名声を損なわせるとか、あらゆる手段を講じて敵軍の士気を阻喪させたりして、戦意を失わせる等である。 |
| これら敵の力の根源を破壊する事に成功すれば、敵の戦闘力は自然と低下し、自軍が有利になって来る。 |
| 上手く行けば、そのまま敵を自滅・立ち枯れにまで追い込める。 |
| 以上の事からこの計略を、一言で言い表せば「兵糧攻めの計略」「根源を断つ計略」となろうか。 |
| 前出の数々の四字熟語の意味もそうだが、「災禍の原因となるものを取り除き、災禍の芽を事前に摘み取る」というものなので、この釜底抽薪策は「根本解決の計略」とも言える。 |
| 尚、この計略は運用法がどこか【第一八計 擒賊擒王】と似ている。 |
| しかし擒賊擒王策がストレートな力押しな性格で「陽」なのに対し、この釜底抽薪策は正面からの力攻めを避けた策略性の強いもので、「陰」の性格を持つ。 |
|
| ♈♉♊♋♌♍♎♏♐♑♒♓ |
|
|
|
| ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ |
|
| 第一九計 |
|
| ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ |
|
| 釜底抽薪 |
|
| ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ ☯ |
|
|
|
|
|
| 支那の南北朝時代の最中に存在した北朝(華北に興った五王朝)──────北魏(ほくぎ)・西魏(せいぎ)・東魏(とうぎ)・北斉(ほくせい)・北周(ほくしゅう)──────の内の一角である北斉。 |
| その北斉に仕えた官吏・文人であった魏収(ぎしゅう)の著した一文、『抽薪止沸(ちゅうしんしふつ)、剪草除根(せんそうじょこん)』──────「薪を抽(ぬ)いて沸くを止め、草を剪(き)って根を除く」──────に由来する。 |
|
|
|
|
|
|
| ☰ ☴ ☲ ☶ ☱ ☵ ☳ ☷ |
| 其(そ)の力に敵せず、而(じ)して其の勢いを消すは、兌下乾上(だかけんじょう)の象(しょう)なり。 |
|
☰ ☴ ☲ ☶ ☱ ☵ ☳ ☷
| | 敵の勢いが強過ぎて、真正面から当っても勝ち目がない時は、その勢いを削ぎ落とす。 |
|
| ☰ ☴ ☲ ☶ ☱ ☵ ☳ ☷ |
|