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「侮日」の出所

書かねばならないと思う事は多いが、多過ぎて何から書けば良いのかが判らない。

日本が抱えている問題の中で、ワシが知る限りでは誰も指摘した事のないモノに付いて、ちょっと書いておく。

明治新政府は成立した後、国を挙げて「欧化政策」を採った。

国家体制を一新すると言っても、新しい「国の形」をゼロから創出するというのは大事業に過ぎるし、そもそも明治維新自体が周辺情勢の急変に応じた結果で、全てをゼロからじっくりやっていられる様な時間的余裕も無い訳で・・・実際問題として「新しい体制」を作るのであれば、何かをモデルにしてキャッチアップするしかなく、そして、あの時代に日本がモデルに出来る様なモノと言えば、ヨーロッパ諸国くらいしか無かっただろう。

また、当時の情勢から考えて、日本が西欧列強に食い物にされない為には西欧列強に日本を「近代国家」だと認めさせる必要が有り、西欧諸国が「自分達と違うモノ」を文明とは認めない野蛮国揃いだった以上、「ヨーロッパの国々と同じ」だと装う必要もあっただろうと思う。

更に言えば、科学知識やら産業技術やら、当時の日本に無い物が西洋に多く有ったのも事実であり、その意味ではそうした分野で西洋が日本よりも「遥かに進んでいた」というのも事実な訳で・・・明治新政府が日本にそうした西洋の「進んだ文物」を取り入れようとしたというのは間違いではないと思うし、実際、それは必要でもあっただろう。

その様な認識を根拠として、ワシは明治政府の「欧化政策」に関しては、基本的に「正しかった」と考えている。
明治政府の「欧化政策=近代化政策」に関しては、凡その日本人がそういう認識なんじゃないかと思う。

で・・・だ。

恐らくその様な認識によって、日本では明治政府の「欧化(近代化)」政策が肯定的に捉えられ、近代以降の日本の近代化と発展の基盤を構築したという意味で「成功した政策」として扱われて来たのだと思うが・・・同時に、それによって一つの「問題」が覆い隠されてしまって来たのではないかと、最近、考えている。まぁ、「問題」として捉える様になったのが最近という事で、「違和感」としては以前から有ったんだけどね。

明治政府は「欧化(近代化)政策」を採るに当って、「文明開化」という標語を掲げた。
小学校で習う事で、誰でも知っている話だ。

で、この「文明開化」という標語なんだけど・・・知っての通り、
「進んだ西洋の文物を取り入れて、遅れた日本を開化しよう」
という意味なのよ。

この標語の中に、「進んだ西洋、遅れた日本」という世界観が織り込まれているのね、前提として。

明治政府の「欧化(近代化)政策」は、この「認識」の下で行われた。
つまり、日本の「近代化」というのは、そういう「認識」の下で始まり、進められて来たのよ。

で、ここから先が、どう論じれば良いのかをちょっと悩んでいる所なんだけど・・・

明治政府は、イギリスに倣って「立憲君主制」と「議会制民主主義」を取り入れた。他、法律や貨幣制度等、様々な社会制度をヨーロッパ諸国に倣って一新して行った。
その過程で、そうした制度の背景、根拠となった「論」なんかも、ヨーロッパから入って来る様になったのね。

で・・・例えば、「社会科学」と呼ばれる分野が有るわね。

欧米の「社会科学」ってのは、言うまでも無く「欧米の社会」を前提、土台にした「論」なのよ。
で、日本と欧米では、文化的背景を含めて、社会の成り立ちも構造も、全く違うのね。
だから、「欧米の社会」を前提とした「論」が日本に合わない、合致しないという事は、当然の事として有る訳。

本来なら、「あぁ、コレは日本には当てはまりませんなぁ・・・」で終わる話なのよ。

処が、明治政府の推進した「近代化政策」というのが「文明開化」という標語の下で行われていて、その政策下で『(進んだ)西洋の「論」を勉強して日本に紹介する』という作業をやっていた連中が居て、そういうのが、学生なんかにその「論」を教える際に、「進んだ西洋、遅れた日本」という枠組みの中で話をするもんだから・・・西洋の「論」が日本の社会に合致しない場合なんかに、
『進んだ西洋の「論」が当てはまらないとは・・・日本社会は余りにも遅れているっ!』
という方向に行っちゃうという・・・

・・・戦前のファナティックな連中って、大体、「社会思想」系でしょ?
まぁ、戦後も、だけど。

日本の教育分野の中で、特に「社会科学」や「社会思想」というのが、上記の構造に拠って、方向性として「日本否定」に流れちゃうという傾向を持っているのよね、恐らく。

本来は、明治以来の「近代化」が一段落した所で、その辺りの問題を消化する作業に掛かるべきだったんだろうけど・・・それが出来ないままに戦後に突入、その欠陥が強化された様な形で現在まで来ちゃった訳で・・・

コレをどういう方向で論じるかということに関しては、まだ考え中なんだけど、
「侮日的日本人というのが、何時、どの様に誕生したのか?」
「文化人とか知識人とかいった連中の言動が、侮日的な方向に流れるのは何故か?」
『マスコミ等で日本が論じられる際に、やたらに「オーベーでは、オーベーでは」と囀る者が多いのは何故か?』
『日本が、特に欧米経由で入って来る「思想」に極端に弱いのは何故か?』
といった事等を考える上で、結構重要な事柄なんじゃないかと思っている。





閉じる コメント(3)

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GHQのWGIPも、重要な要素ですね。

2014/10/15(水) 午後 11:43 tatsuya11147 返信する

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たつやさん、いらっしゃいませ。
勿論、GHQのやらかした事は、非常に重大な問題です。ただ、この記事を書いたのは・・・安倍氏などが「戦後レジーム」という言葉を使っているせいか、現在の日本で問題として浮上して来ている「反日」「侮日」といった事象が、何やら「戦後に発生したモノ」と捉えられがちになっている様な印象がありまして・・・そういう捉え方をすると、「GHQ以前」の問題がブラインドになってしまう様に思うんですよね。
GHQのやらかした愚行に関しては、検証しなくてはならないし、批判もしなくてはならないのですが、「それ以前からの問題」を見ずに「GHQ断罪」だけに気を取られていると、「問題の根っ子」は残ったままになってしまうのではないか、と。
その様な懸念を感じたので書いてみた・・・そういう文章です。

2014/10/16(木) 午前 0:49 [ zombiepart6 ] 返信する

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なるほど、マルクシズムの受容課程に典型的に出てきますね。

西欧文化を学ぶ課程で、彼らの人種差別に感染したのでしょうか。
当時のヨーロッパ文明は「ギリシャ・ローマの直系の子孫」とされていましたし・・。

ところで、こんな意見もありました。
http://blogs.yahoo.co.jp/tatsuya11147/52665996.html

2014/10/17(金) 午前 0:57 tatsuya11147 返信する

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