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介護予防に関しての興味ある文章を掲載します。 私は「介護予防」に反対であるわけではありません。 積極的に、介護保険ですることに反発しているのです。 正しい方法で、要支援の方が要介護にならないように努力することに反対する訳ではありません。 下記の老人ホームの施設長は、実情に合ったことを書いておられます。 特別養護老人ホーム 緑風園 施設長 菊地 雅洋 新介護予防は成功するか〜要介護リスクの最大危険因子は何か 今回の介護保険制度改正の柱の一つである新予防給付について考えてみたい。 新予防給付とは要介護状態になることを出来るだけ防ごうとする対策であり、その対象は廃用症候群モデルである。 廃用とは、加齢に伴う身体機能の衰え以上に、実際の機能低下が進行する状態であり、想定される一般的身体機能低下と実際の低下の差が大きければ大きいほど廃用は進行しているとされる。 この原因に的確に処方できれば廃用の進行を遅らせることができ、それが予防である。 そして国がこの処方として考えたのが、栄養障害の予防や口腔ケアの取り組みによる健康維持メニューと、一連の筋力トレーニングを含む運動器の機能向上メニューである。 特に新予防給付の中心的サービスである通所サービスでは、運動器向上メニューとして多くの事業所が筋力トレーニングを導入している。新予防のメインサービスメニューは筋トレという状態が現出されつつある。 しかし運動器の機能維持向上が、筋トレを行うことで可能になるのだろうか。本当にそれが効果あって廃用を防ぐことに繋がるものなのか大いに疑問を持っている。 これは我々の筋力がどのように保たれているかを考えれば一目瞭然である。普段の生活に使わない機能は、決して維持されたり向上したりはしないのだ。辛いメニューや、面白くないメニューは続かないから、一時的な効果しか現さず(モデル事業の効果など、これに尽きる)それは予防のエビデンスにはならない。 つまり、できることを増やしても、実際の生活で「やらなければ」予防にならないのだ。日常生活の中で、その機能をどのように使えるかを考えることなく、単なる身体能力への対応プログラムに着目しても継続しないのは明白なのだ。生活に機能を生かすためには、その機能を使って過ごせるような「動機付け」が不可欠だ。そして、それは要介護度ではなく、生活の質で評価すべきものなのである。 では生活の質から考える、要介護状態となる危険因子とは何だろうか。 高齢者が要介護状態となるリスクは、加齢と疾病が最大要因で、原因疾患は1番目が脳血管障害、2番目が高齢による衰弱、3番目が骨折である。 しかしそれとは別の視点で生活の中の危険因子を見つめてみると「引きこもり」が重要な要素になってくる。引きこもりといっても、家から1歩も出ない状態に限らず、外出が億劫になり週1回程度しか外出しない、という状態も含んでよいと思う。 外出しなければ、人と逢わないから、身だしなみに気を使わなくなる。口臭や体臭も気にせず、歯磨きをしなくなり、入浴回数が減る。外部の生活と自分の生活をマッチングする必要はないから、朝寝や夜更かしが生活障害にならなくなり、昼夜逆転や夜間不眠が繰り返される。人によっては不眠をアルコールで解消しようとする。外出しないで家でごろごろしているからお腹が減らない。お腹が減らないから食べるものも不規則になるし、好きなものしか食べなくなる。 つまりこう考えると「引きこもり」には運動機能の低下リスクだけでなく、口腔機能低下リスクも栄養障害リスクもすべて含まれているということがわかる。 このような「ひきこもり」によって高齢者は、健康を害したり、見当識を悪化させたりしていくことが多いのだ。特に男性の単身者にとっては良くあるパターンである。 だから通所サービスというのは運動器の向上メニューを行わなくとも、自宅以外に定期的に出掛ける場所があり、他者とふれあう機会があるということそのものに予防効果があるものであり、その効果は、この5年間デイサービス利用者の8割が要介護維持という全国老施協の調査結果でも示されているのだ。 できることと、やることは、本来違うのだ。 機能面を考えた時、家の中だけの生活だから、できることをしなくなる。やりたいことしかしないから身体機能は生活の中で使われない。 これが現実の廃用の一番の原因なのである。だから、それに対する有効な処方を考えるなら、生活の中でやれることを、することに結びつけることが一番現実的で長続きする。それが本来の廃用予防で、筋力アップして、できることが増えても、やらなければ廃用は改善しない。 だから「引きこもり」に対する具体策がなく、むしろ通って受けるサービスに利用者にとって「望まないもの」をメニューに加え、利用回数の減を助長するような定額報酬を導入し、廃用を、生活障害として捉えず、筋力低下として捉える新介護予防の前途は暗いものと言わざるを得ない。 要するに、毎日、継続的に行うことが出来なければ、効果がない。 通所で行える(介護保険で)内容は限られており、金額的に(保険適用出来る回数も限られてくるはずである)も厳しいはずです。 それならば、通所で過ごせる回数が増えるように何かしら点数を付けてあげる方が良いのではと思うわけです。役人的発想からは、改善は「絵に描いた餅」になります。 それに対して私は反発しているのです。
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