ぼくとがま…

生きものについて、ぼちぼち。

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セイヨウタンポポが咲いています。
正確には、セイヨウタンポポ類としたほうがよいので
しょうかね。

種名の示すとおり、西洋から来たタンポポです。
いわゆる帰化植物です。

帰化植物とは言え、春先に鮮やかな黄色の花を咲かせ、
目を楽しませてくれますし、またアスファルト舗装の
裂け目やブロック擁壁の継ぎ目などから芽生えている
ところを見ると、生命の力強さに感動すら覚えます。
かなり頻繁に草刈をされる植え込みの中でも、草丈
こそ短くなりますが、しっかり花を咲かせます。

春先の訪花昆虫にとってはいい食事場になりますし、
ハナアブなんかがこの花の上でのんびり日向ぼっこを
している様は、まさに春らしい、微笑ましい光景です。


でも、悲しいかな帰化植物。


セイヨウタンポポは単為生殖を行います。
以前紹介したシャガなども単為生殖でしたね。
要は、配偶者がいなくても自力で繁殖できるわけです。
他の個体から花粉をもらわなくても、種子ができて
どんどん増えていけるというわけです。

花粉を運んでくる虫がいなくても、周りに同じ種類が
生えていなくても、どんどん増える。繁殖力が強いん
です。しかも、荒れ地に生えてもぐんぐん育つ生命力
も持ち合わせているのですから、かなり強力です。

綿毛のついた種子は風に乗って広がって行き、道端や
荒れ地など、色んなところで定着。都市部を中心に
広がって行き、現在はどこにでも生えているメジャーな
植物となりました。

セイヨウタンポポ以外にも、日本にはもともと何種類
ものタンポポが見られまして、カントウタンポポや
カンサイタンポポ、エゾタンポポやシロバナタンポポ
などが日本各地に(分布は種ごとに違いますが)生えて
いるはずなのですが、特に街中や人のての入った場所
では、目にする機会が多いのはセイヨウのほう。

在来のタンポポはどちらかというと、田舎というか、
山あいというか、山というか、あまり開発されていない
場所で見ることが多いように思います。

セイヨウが在来を駆逐したのか、開発された場所に
先駆的に入って行ったのがセイヨウなのか、どちらが
正解なのかよく分かりませんが、

・周りに同種がいなくても、花粉を運ぶ虫がいなくても増え
 られて、春に限らず花を咲かせ、結実るセイヨウタンポポ
と、
・周りに同種の別個体がいて、花粉を運ぶ虫たちがいない
 とうまく繁殖することができない(自家不和合性と言って、
 自分の花粉を受粉してもうまく種子ができず、遺伝情報が
 少し違う、同種の別の株の花粉が繁殖に必要という特性を
 持っていたりします。もともとは遺伝子の多様性を確保
 するためのいい方策なんですが、株がどんどん孤立すると、
 かえって自分の首を絞めることになってしまいます)し、
 開花の期間が限られている在来タンポポ

どちらが強いかと問われれば・・・
セイヨウの方となるでしょう。

同じような生活スタイルをしていて、方や強者、方や
弱者が同じような場所で肩を並べて生きているとすれば、
そのうち弱者が淘汰されてしまうかも・・・と、そういう
心配事も出てくるわけです。


また、セイヨウタンポポは単純に単為生殖をするだけ
ではありません。単為生殖とはいえ、一応花粉を生産
するわけですが、その花粉が他種のタンポポに届くと、
雑種を作る場合があることが知られています。
普通に考えれば、単為生殖する植物の作る花粉なんて
繁殖に役立たなそうな気がしますが、そうでもないん
ですね。

これがまた困ったことでありまして、セイヨウ×在来の
雑種が増えていくことになります。
在来種の保全を重要視する立場から見れば、遺伝子汚染
が進んでしまうということになり、懸念材料なんです。


そんなこんなで、嫌われ者の植物でもあったりします。
駆除活動が行われることもあります。


もともとは鑑賞用、飼料用、ときに人間の食用として、
栽培目的で国内に入ってきた種だと言われています。
(もちろん、荷物などにまぎれて、意図しないところで
入ってきたものもいたでしょうね)

帰化生物問題では、よく(?)、帰化種自体に罪はなく、
導入した人間側に責があるというご意見がでることが
ありますが、これはあながち間違いじゃないな、と
思います。セイヨウタンポポだってそうかも。

とはいえ、帰化種に罪なしとして、自由奔放に繁殖
させてしまうと、罪のないはずの在来種が駆逐されて
しまいます。

在来種を守ろうと帰化種を駆除すると、これまた罪の
ないはずの帰化生物を虐げることになります。

責のある(らしい)人間を裁こうにも、だれが導入した
のか分かりませんし、当時の生態学の認識ではこんな
状況は予見できなかったでしょうし、仮に裁いたとして
事態が好転するわけでもないです。

結局、事態の好転を目指して、帰化種の駆除と、必要に
応じた在来種の保護増殖を行うことになります。

と、なんだかすっきりしませんが。
難しいですよね。

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