ぼくとがま…

生きものについて、ぼちぼち。

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シカやイノシシの天敵になるオオカミを再び日本の山野に放てば、失われた
生態系バランスは戻り、鳥獣被害もなくなるという意見がある。

なんとなくそんな気もしないではないが、よく考えるとそううまくも行かない
であろうと思い始めるわけ。


日本には、既に在来のオオカミ:ニホンオオカミはいない。
明治時代に絶滅してしまった。

ニホンオオカミは、かつての日本の森林生態系の中では、最上位の捕食者で、
シカにとっての一番の天敵だっただろう。
もっともそれは、野生生物の中では、の話。

人がシカ等を積極的に捕獲してきたのも事実だ。貝塚からも骨が多数見つかる
ことを考えれば、シカとの付き合いは少なくとも何千年も前から始まっている。
有史以降シカを狩っていた記録はある。

だから、何千年前から明治時代にかけては、シカの捕食者はヒトとオオカミの
2者がいて、オオカミの影響の方が大きかった時代もあれば、人の方が捕食者と
しては強烈な存在だった時代もあっただろう、そう考えるのが妥当では。

しかしそれでも、農業被害は生じていた。里山という人間が出入りするバッファ
ゾーンがあって、今より積雪も多いなど、シカにとって不都合な条件もそろって
いたのに、それでもなお農業被害はあったわけだ。

人の関与が無かった時代は、シカにとってはオオカミだけが天敵で、その状態でも
バランスが取れていたのでは?という意見もある。
しかし人がシカ狩りをしていなかった時期というのは、すなわち人が殆どいないと
いう時代だろう。
そこまでさかのぼると、最終氷期以前ということになる。気候はもっと寒冷で、
生物相も現代と異なり、ナウマンゾウが闊歩するような時代だ。今とは別の生態系
が成立していた。
そんな時代に、シカとオオカミの良好な関係が成立していたとしても、それを現代
に再構築しようというのは無理な話だ。

だから、オオカミの放獣だけですべてが解決するというような、単純な話ではない
わけだ。そういう楽観論には大反対だ。


純粋なニホンオオカミはもういない。別の亜種を持って来るしかないが、かつての
ニホンオオカミのように振る舞ってくれるかは、未知数だ。また、かつてのニホン
オオカミの振る舞いも、実はよく分からない。さてどう考えたものか。

リスクはあるだろう。家禽家畜への被害、人への傷害などの懸念は払拭できないし、
食ってほしくない鳥獣ばかり狙われる可能性もある。しかし必ず、そういう被害を
必ずもたらすとも言い切れない。被害の程度もわからない。

リターンもよく分からない。本当に日本のシカやイノシシの個体数制御に貢献して
くれるか、それはまさに、やってみないとわからないという状況だろう。
大活躍かも知れないし、不発かも知れない。

現状ではハイリスク・ハイリターンどころか、不明リスク・不明リターンという、
何とも手を出しづらい代物だ。だから放獣の是非はまだ判断しない方が良かろう。
判断しろと迫られれば、安全側に立って、やめておけばとつぶやくしかない。

日本の森林に上位捕食者を復活させるということ自体は、検討の余地はあると思う。
ただし、農業被害の救世主というような乱暴な位置づけではなく、人の関与も踏ま
えたうえでの望ましい森林生態系の再構築という観点で、じっくりアカデミックな
議論をして、調べて、その妥当性を探っていけばいいのではなかろうか。


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