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脱皮したついでに(ついでにって程のことでもないですが)、大きさを測ってみました。 体長約130mm。2ヶ月弱前から5mmほど伸びてます。 ついでに、ぼくのブログの第1回目の写真と同じように、左手の甲にがまさんを乗っけて 撮ってみました。見比べてみましょう。 こちら、第1回目に使った写真。昨年の5月、がまさんがまだ小さくて機敏で、カメラを 警戒しまくって、まともな写真が取れなかった頃のものです。 手のひらよりずいぶん小さいです。 ・・・そして現在。 あー、重いよ。でかいよ。ぼくの指が見えないよ。
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がまさんが脱皮しました。初めてその一部始終を見ることができました。 唯一口惜しかったのは、冒頭の部分は撮影が間に合わなかったこと・・・。 まず背中の方から古い皮膚に裂け目が入って、つるんって感じで、頭〜胴体のお腹の方まで 脱皮。背中を張るような姿勢で、空気を吸って体積を大きくした上でいきむと、結構簡単に 裂け目が入ります。 なんていうんでしょう、皮のついているブドウを指でつまむように押して、プッと果肉を 押し出すような感じといえばいいのかな。 これと平行して、あるいは直後に後足も脱皮します。 胴体の古い皮膚を脱ぐ際に、太ももの辺りまでついでに脱皮できているようです。 ふくらはぎから先は、左右の脚でそれぞれの逆の脚を擦るというか、古い皮膚を押さえると いうか、横着に脚だけでズボンを脱ぐような、そんな作業をしていました。 残るは前脚と腹部。前足の皮膚から取りかかるようです。 口で剥がれかけの古い皮膚をくわえ、おもむろに引っ張ります。肩まである手袋を無理やり 脱ごうとしているような感じです。この作業がかなり大変そうです。 前足を脱ぎ終わると、おなかの方についている古い皮膚をぐいぐい引っ張ります。 そしていずれ全ての古い皮膚が口の中に納まるという寸法です。 そしてみずみずしい(但し茶色くてゴツゴツした突起つきの)お肌に生まれ変わりました。 いいなぁ。すべすべだなぁ。
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オオミズアオがいましたよ。 コイツも道路沿いの街灯に誘引されてしまった個体です。 路面でのた打ち回っていたので、捕まえて近くにあった木の枝に止まらせたところを撮影しました。 今回はやらせ写真なんです。前翅の中央部に擦れた跡があるのは、ぼくがつまんだからなのです。 きっと、本種をご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。 かなり有名な蛾ですし、キモーイキモーイと毛嫌いされることも他の蛾に比べ少ない(多分)という、 珍しい蛾でもあります。 シンジュサンほどではありませんが、開張は100mmを超える大型種。目立ちますね。 幼虫はバラ科やブナ科、カエデ科など、広範な広葉樹を食べて育ちます。悪食な方かもしれません。 本種の特徴はなんと言っても、この色彩でしょう。 ほぼ全体が青緑色〜黄緑色がかった白色という、大胆なデザイン。「ほぼ全体」というのがミソで、 前翅の前縁から前胸部、そして各肢にあしらった紅色、各翅にある光沢を持ったような目玉模様が いいアクセントになっています。 アールの効いた柔らかい感じの形態とあいまって、涼やかで高貴かつ妖艶な雰囲気で、さながら 羽衣を羽織った天女といったところでしょうか。 世界には本種に近縁(姿かたちもそっくり)な種が何種かいるわけですが、そのうちの1種の学名は、 Actias artemis といいます。また別の似たような種は、Actias seleneと名づけられています。 両者の種小名「artemis」「selene」には共通点があります。どちらも神話に登場する、月の女神の 名前(アルテミス、セレーネ)なんです。 月の女神とは言い得て妙です。ずいぶんと粋な分類学者さんがいらっしゃったのですね。 また、この仲間を総括する呼び方として、Moon moth というのがあります。 さらには、学名をActias luna(=月)、通称をLuna moth という種もいます。 どうも西洋の文化圏では、この蛾に対して、月のように涼やかで神秘的なイメージを持つ人が多い ように思われます。 和名の「大水青」という、大きさと色味を表した種名との対比も面白いですね。 対比が面白いといえば、中国名は欠かせません。 (というか、和名、英名以外では中国名しか知らないんですけど・・・) 中国ではオオミズアオの仲間のことを何と呼ぶか。 調べたところ、○○(←長尾、緑尾といった語句が入ります)大蚕蛾と呼んでいます。 オオミズアオを含むヤママユガの仲間は、カイコのように糸をつむぎ、繭を作ります(カイコとは 別の分類群ですが)。 その繭を使って、絹糸を作り出すこともできます。ゆえに同類視されることもあるわけです。 日本ではヤママユガ等のことを、飼育下にあるカイコ(=飼い蚕)に対し、山に住む野生の蚕の意で、 ヤマコ(山蚕)と呼んだりします。 中国でもどうやら同じ傾向にあるようで、ヤママユガの仲間を大きな蚕=大蚕蛾としています。 ということはつまり、中国では、その種の生態的な特徴(に基づいたある種の分類)を表した種名を 用いているわけです。 お国が変われば感性も変わり、生きものの呼び名も変わることも多いんですよね。面白いなぁ。 ぼくの個人的な好みでは、月をモチーフにした種名がいいなと思います。 形態や生態を織り込んだ和名・中国名も捨てがたいのですが、本種とその仲間を月になぞらえた センスには脱帽です。 Moon moth、日本風に表現するとどうなるんでしょう。直訳して、ツキガ・・・では無味乾燥です。 ここはひとつ、ツクヨミガとか、イザヨイガとか、そのあたりがしっくりくるかなぁ。 いやいや、しかしまあ、オオミズアオというのもやっぱりいい種名ですね。和色の名称のようで、 いいセンスしてますよ。 さてさて、本種の目玉模様は小さいながら、かなりくっきりはっきりしています。 瞳孔?にあたる部分は細長く、ネコのようでもあり、マムシのようでもあります。 しかも4つもあります。二つしか目玉模様を持たない種に比べ、効果も二倍あるんでしょうかね。 っていうかそもそも、この白い翅に目玉模様という意匠、鳥から見るとどう映るんでしょう。 保護色の中に浮かぶらんらんとした目玉よりも、インパクトに欠けるような気もしますが・・・。 補足
じつはオオミズアオもちょっと前までは、Actias artemis という学名でした。 しかし、最近になって精査を進めたところ、Actias aliena(=他の、外の〜の意。西欧から見て、 はるか遠い地域に産することから、外界の、異国のActias属の蛾というふうな命名になったんで しょうかね?)であることが明らかになりました。 オオミズアオ=月の女神様という面白いネタがひとつ使えなくなってしまって、ちょっと残念に 思ったりしますよ・・・。 |
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シンジュサンがいましたよ。 街灯につられて飛んできて、道路端の金網につかまって休憩中のようです。 バックが金網だとなんとも絵になりませんが、これも灯火につられて来て しまったという生態を表すものになるんかな。 本種は開張140mmほどになる、大型の蛾です。 ヤママユガやオオミズアオよりもインパクトのある蛾ですね。 非常に広範な植物を食草と出来る、ある意味悪食の蛾でもあります。 種名の由来ともなったシンジュ(ニワウルシ)のほか、クヌギ、クスノキ、 エノキ、ニガキ、エゴノキ、ネズミモチなどの広葉樹を食べて育ちます。 それぞれの植物は、含有する成分にずいぶんと違いがありそうなんですが、 お構いなしで育ちます。ずいぶんと立派な消化器官をお持ちのようで。 意匠も秀逸だと思います。 基本的に、茶色と白という地味な色の組み合わせなのですが、その濃淡、 グラデーション、配置がこれまた絶妙で、美しい。 さて、このシンジュサンも、目玉模様を持つ蛾であります。 パッと見ではあまり目立ちませんが、前翅の先端をじっくり見てみると…。 ほら、ここに目玉があります。 そして、翅の端部の形・模様とこの目玉をセットでしばらく眺めていると、 何かに見えてくるはず…。 鎌首をもたげたヘビに見えませんか? 丸っこい頭に丸い目がついてて、翅の縁の模様が蛇腹っぽく見えませんかね。 分かりやすい(ただし下手な)図解は以下の通り。 本種の天敵である鳥類の天敵のうちの一つに、アオダイショウなどのヘビが 挙げられます。 つまり、本種は天敵の天敵の姿を借り、天敵を牽制しているというふうにも 考えられていたりします。 実際に鳥の目にどう映っているかはよく分かりませんし、その威嚇の効果も どれほどあるのか分かりませんが、もし上の例の通りなのであれば、本種は なかなかの戦略家ですね。 それから、この形質を獲得し、現在も生き残るに至った経緯を知りたいです。
どのあたりからヘビに見えるようになったんだろう・・・。 |
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ヨツボシオオキスイがいましたよ。 こいつも樹液に集まってくる虫です。 種名は、四つ星(紋)を持つ大きな木吸い虫という意味になりますが、 「オオ」キスイといいながら、ヨツボシ「ケシ」キスイとそんなに 大きさは変わらず、13mmか14mmくらい。なんか腑に落ちないなぁ、 25mmくらいあってほしいなぁと、いつも思ってしまいます。 小さな甲虫ではありますが、体には光沢があり、しわというか点刻と いうか、凹凸がくっきりしていて、鋲を打ったような模様があるので、 意外に目立つものです。 エナメル仕立てのワニ革に、真鍮の鋲でアクセントを効かせたような 感じとでも言いましょうか。 体は薄く(平べったく)、樹皮の裂け目に潜り込むのが得意そうでも あります。 しかし、なかなか、樹皮の裂け目に身をひそめて機会をうかがうと いう光景を目にすることがないです。 ヨツボシケシキスイは、危険を察知すると最寄りの隙間にのそのそと 潜り込むのですが、本種は結構機敏に動き回り、隠れるよりも逃走 することの方が多いように思います。 たいてい、大型昆虫の隙をうかがいつつ、コソコソセカセカと歩き
まわって、樹液にありついているような本種。 ああ、ニッチな奴だなぁと思ってしまいます。 |


