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ヤマナメクジが食事中。 キノコを食ってます。
うまいのかな。 |
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2008年05月09日
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カヤランが咲いていましたよ。 花だけにピントが合っている上の画像を見ると、何とも普通な感じの植物ですが、 全体像↓を見ると「あら?」と思ってしまいます。 本種は着生ラン(木の幹などに付着して育つラン)と呼ばれるランの仲間です。 上の画像のように、木の幹に垂れ下がるようにして生えていて、花が下向きに、 根が上方に伸びるという、普通の植物と比べると、なんともあべこべな形態に なっています。 根が露出して見えますが、別に土やコケをひっぺがしたわけではありません。 はじめからこういう状態で生えているんです。 これは気根といって、空気中の水分を吸収するなどの役割を持っています。 雨が降れば樹幹は潤いますが、土壌と違い、雨がやむと早く乾いてしまいます。 そんな状況でも、水を確保しないと生きていけません。そこで役に立つのが気根 というわけです。そしてこの気根の先端で木の幹に張り付いています。 ランの仲間というのは、ちょっと変わっています。 一般的な他の科に比べて、木の幹などに着生するものや、光合成をやめ腐生植物に なったもの、花の形が特定のポリネータ(花粉を運んでくれる虫)の形態や行動に 合うようにやたらと特化しているもの、菌類との共生が生育上かなり重要だったり するものといった、特異な性質を持つ種の割合が多いように思えます。 ランの仲間はかなり最近になって分化した、被子植物の中ではかなり新しい系統の 植物だと言われます。 ということは、植物の進化の流れの中で、ランの仲間の祖先が生まれてきた頃には、 もっと昔に種分化した多数の他の植物が繁栄していたわけです。 これはなかなか厳しい状況です。 大手企業のひしめく業界に、新手の零細企業が参入するみたいなものですからね。 そこで生き残るには、正攻法では不利な面もあります。 そういう時は、今まで開拓されていなかったような分野にターゲットを絞ったり、 既存の体制の隙間を狙ったりと、いわゆるニッチ商法が生き残りに有効だったり します。 それが例え少規模な市場であっても、その市場に特化して、あるいは独自の商品 展開をすれば、成功する可能性は高くなりますからね。 新参者のランの仲間は、すでに大手企業に独占されたも同然の、地表という場所、 一般的な生育スタイルではあまりうまくやっていけない。 一方、他の維管束植物があまり利用していなかった、樹上という空間を生育場所に 選んだり、菌類と共生し不利な環境でも何とか生育できるようになったり、特定の ポリネータに特化した花をこさえたりと、他の植物ではなかなか成し得なかった 特性を獲得したものが多く生き残ったのではないか、そういうふうに考えられて いたりします。 また、ランの仲間は、進化の速度が他の植物に比べ速いそうです。あと、雑種も 作りやすいとか。こういった特性が、特異な形態を獲得する上でもプラスに働いて いるんでしょうかね。 植物界のニッチ系ベンチャー:ラン科植物が今後どのように進化していくのか、
このカヤランをもとにどんな種が生まれていくことになるのか、とても興味深く 思います。 |
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