ぼくとがま…

生きものについて、ぼちぼち。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

二百九回目(クマゼミ)

イメージ 1

クマゼミが羽化していましたよ。

熊のように黒くて大きいから、熊蝉。
あるいは、西日本に分布の中心をおくから、九州をイメージして、球磨蝉。
どっちでしょうね。「熊」の方が説得力があるでしょうか。

日本の本土においては最大になるセミで、全長60〜70mmほどになります。
体が大きいだけあって、鳴き声もなかなか喧しいものです。
大きな声でシャーシャーシャーシャーと鳴きますが、これを聞くと体感温度が
2℃ほど上がるような気がします。ぼくの頭の中では、アブラゼミの鳴き声に
並ぶ猛暑の象徴になっているようです。


どうやら本種は、分布を北進させているようですね。
地球温暖化の流れに乗じているのか、どこかの個体群が寒さに馴化したのか。
どちらでしょう。前者かな。

この写真を撮ったのは、山間部のちょっと標高の高い場所なのですが、かつては
そんなにクマゼミを見ることがなかったのだそうです。
ところが今日では、ばっちり定着して、羽化の様子さえ見せてくれます。
島原半島の沿岸部から、だんだんと中心部=高標高地に分布を広げているのは
確実なのかもしれません。うーむ。


成虫は黒い体躯に透明な翅をもっていますが、羽化直後は他のセミたちと同様、
白色と淡い青緑色を基調とした、何とも美しい色彩。
もしこのまま空を飛んでいたのであれば、人々の評価もまた違っただろうにと
ふと思ってしまいます。

しかし、生きものの色彩は人の目を楽しませるためにあるのではないんです。
そう、昆虫たちは、自分の色彩が人間にどう評価されているかなんて、知った
こっちゃありません。
地味な色で捕食者の観察眼をやり過ごすのも、派手な目玉模様で威嚇するのも、
ベイツ型擬態で厄介者になりすますのも、言わば生き延びるための工夫。

そこに人間の美的価値観を当てはめて、綺麗だとか汚いだとかいう評価を下す
のは、まったくもって見当違いもいいところです。

昼行性のクマゼミとしては、人にどれだけ褒められようとも、天敵に見つかり
やすい白っぽい体のなんてものは、願い下げでしょう。


しかしながら、そういうふうに理解しつつも、やはり綺麗と思うものは綺麗と
思ってしまうんだから仕方がない。

この辺のアンビバレンツは、なかなか解消しそうにないですねぇ。

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事