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サツマヒメカマキリがいましたよ。 山中の自動販売機というのは、真っ暗な山の中に仕掛けられたライト・トラップの ようなもので、周囲に明るい街灯や民家が無ければ、たいそうな数の昆虫が集まって くるものです。 山奥のキャンプ場に設置された自動販売機など、盤面がヤママユガなどの大型の蛾に 覆われ、押しボタンにはカメムシが鎮座し、周りには灯火に引き寄せられる昆虫を 捕まえようとオニグモが巣をかけ、周囲には無数の小さな虫が飛びまわっている―― といった、かなり野趣味にあふれた状況に陥っているものもありますね。 まあ、そこまで大スペクタクルな状況にならずとも、多少の蛾、カメムシ、羽アリ、 コガネムシの仲間が集まっているというのが、夏の山中の自販機の正しい(?)姿。 その状況に直面すると、たいていの方は露骨に嫌がったり、迷惑そうな顔をしたりと 言った反応をされます。飲み物を諦める方もいらっしゃれば、木の棒か何かを使って 虫たちの排除を敢行される方もいらっしゃいます。 しかしまあ、世の中広いもので、また別の反応を示す方々もいらっしゃるわけです。 嫌悪ではなく、歓喜の悲鳴を上げるのが虫屋(○○の専門or愛好家のことを「○○屋」 と呼んだりします。鳥愛好家は鳥屋、とか)の面々。 飲み物のことはさておき、どんな虫がいるか調べ始めます。 手慣れてくると、飲み物ではなく、集まった虫たちを目当てに自販機に訪れるように なったりします。 ぼくはどちらかというと後者ですので(思いっきり後者なんじゃない?というご意見も 聞こえて来そうな来なそうな…)、とりあえず虫たちを写真に撮ります。 その中の1頭が、このサツマヒメカマキリだったというわけです。 本種はカマキリの仲間ですが、一般的に知られるオオカマキリやハラビロカマキリ などとは別属に属する昆虫です。 写真の個体はその成虫ですが、全長は4cm弱ほど。その名の通り小さなカマキリです。 また、種名にサツマと付くとおり、九州が主な分布地になっています。 近縁種にヒメカマキリというのがいますが、頭部の円錐状の突起や、翅脈基部の湾曲 具合を見ると、判別しやすいです。 また成虫の発生する時期にもずれがあり(サツマ〜は幼虫で越冬するので、夏には成虫を 見ることができます。ヒメカマキリは卵で越冬するので、成虫になるのに秋口まで かかります)、双方が生息する場所では、同定の手がかりにもなりますね。 ちなみに頭部はこんな感じです。 よく見るカマキリの顔には似てないですねぇ。彫りが深いというか何というか。 本種のオスは(メスもかな?)、飛ぶのがかなり得意です。 体が小さくて軽いからか、カマキリとは思えないような機動性を見せますね。 ネットで調べてみると、東シナ海の海上で採取された例もありました。 長距離を飛ぶこともできるのでしょうかね。風で飛ばされただけかな。 また、歩行速度も速いです。例えるなら、ゴキブリのようなすばしっこさです。 カマキリとゴキブリは近縁(カマキリの先祖がゴキブリ)だと言われますが、本種を 見ていると、妙に納得してしまいます。 樹上性が強い種らしいので、樹冠を渡るのにその翅が、樹幹を行き来するのにその 健脚が活かされているのでしょうかね。 今まで近所で見たカマキリは… オオカマキリ、チョウセンカマキリ、コカマキリ、ハラビロカマキリ、そして今回 ご紹介したサツマヒメカマキリ、ですね。 ほかにもウスバカマキリ、ヒナカマキリ、ヒメカマキリあたりは、見ていないだけで そこら辺にいそうな気がしないでもないです。 この夏は、いっちょ気合いを入れて探してみるか。
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2008年07月09日
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